EU産農産物・食品の国際的イメージは良好、欧州委が調査報告書
この発表の要点
- EU産農産物・食品は国際的に「品質が高い」と評価され、好印象を持たれている。
- 食品購入時には品質、味、価格、安全性が重視され、国・地域により重視項目に違いがある。
- オーガニック・GIロゴの認知度向上と、インド、インドネシア、UAEなど特定国へのプロモーション強化が課題。
企業・自治体への影響
食品・飲料業界の企業は、EU産品の国際市場における競争力や消費者ニーズを理解する上で重要な情報です。特に、EU産品を扱う輸入業者や、EU市場への輸出を検討している企業は、消費者の重視点やプロモーションの課題を把握し、自社の戦略に反映させる必要があります。
対応すべきこと
- EU産農産物・食品の輸入・販売に関わる企業は、本報告書の詳細を確認し、自社製品のマーケティング戦略を見直す。
- EUとの貿易に関心のある企業は、FTAの動向やビジネスミッションの機会を注視する。
- オーガニック製品やGI保護製品を扱う企業は、ロゴの認知度向上に向けたプロモーション戦略を検討する。
- 関係部門へ本情報を共有し、今後の事業戦略立案に活用する。
対象部門: 経営者 広報 経理 法務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 欧州委員会 |
|---|---|
| 業界 | 食品・農業 |
| 発表日 | 2026-08-10 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月10日
欧州委員会は7月22日、EU域外国におけるEU産農産物・食品・飲料のイメージ調査報告書を発表した(プレスリリース)。2回目となる同調査は、日本を含む11の域外国(注)の都市部に住む20~55歳の約1万1,000人(1カ国につき約1,000人)を対象に、2026年2月にコンピュータ支援ウェブ調査(CAWI)形式で実施した。
報告書によると、食品購入の際、回答者の約6割は産地を常にまたは頻繁に確認し、品質(76%)、味(56%)、価格(45%)、安全性(41%)などを重視すると答えた(複数回答可)。国・地域別では、日本、英国、米国では価格、中国やタイでは安全性、英国ではアニマルウェルフェアを重視する回答者が他国より特に多いといった違いもあった。
EU産品は「品質が高い」と回答した人は83%に達した。週1回以上消費する人は4割を占め、特に湾岸諸国や英国に多く、総じて好印象を持たれていた。現在購入していない層でも6割が購入に関心を示し、特にインド、インドネシア、アラブ首長国連邦(UAE)で高かったことから、こうした国へのプロモーション強化が必要と指摘した。一方、EUのオーガニック製品や地理的表示(GI)保護製品のロゴの認知度は約30%にとどまり、認知度向上も課題に挙げた。
好調続く農産物・食品輸出、FTAによる市場拡大にも高い期待
欧州委は、EU産農産物・食品の輸出拡大やGIなど品質表示の認知向上に向け、生産者団体などによるプロモーション活動への財政支援やビジネスミッション派遣に力を入れている。2025年6月に実施した日本向けミッションには、22加盟国から98社・団体が参加し、成約率は20%を超えた。2026年にはメキシコ、2027年にはインドへ派遣の予定だ。EUは、メキシコとは2026年5月に既存の自由貿易協定(FTA)の現代化協定に署名(2026年7月2日付地域・分析レポート参照)、インドとは1月にFTA交渉で妥結(2026年2月2日記事参照)しており、相乗効果が期待される。
欧州委の7月30日付発表によると、EUの2026年1~5月の農産品・食品の貿易収支は前年同期比10億ユーロ増(約6%増)の194億ユーロの黒字で、引き続き好調だ。欧州委は、輸出額(3%減)、輸入額(5%減)ともに減少したが、農業・食品部門が市場環境の変化に対応しながら、高い競争力を維持していると分析した。
(注)日本、中国、韓国、インドネシア、タイ、インド、UAE、サウジアラビア、米国、メキシコ、英国の11カ国。
(滝澤祥子)
(EU、日本、世界)
ビジネス短信 b6eff662a0d67a58
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EU産農産物・食品の国際的イメージは良好、欧州委が調査報告書
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/b6eff662a0d67a58.html
時系列
- 2026-01 インドと自由貿易協定(FTA)交渉で妥結
- 2026-02 日本を含む11の域外国でEU産農産物・食品・飲料のイメージ調査を実施
- 2026-05 メキシコと既存の自由貿易協定(FTA)の現代化協定に署名
- 2026-06 日本向けビジネスミッションを実施(22加盟国から98社・団体が参加)
- 2026-07-22 欧州委員会がEU域外国におけるEU産農産物・食品・飲料のイメージ調査報告書を発表
- 2026-07-30 欧州委員会が2026年1~5月の農産品・食品貿易収支を発表
- 2026-08-10 ジェトロが本調査報告書に関する記事を公開
- 2027 インドへビジネスミッション派遣予定
主な数値
| 調査対象国数 | 11カ国 |
|---|---|
| 調査対象者数 | 11000人 |
| 産地を常にまたは頻繁に確認する回答者の割合 | 約6割 |
| 食品購入時に品質を重視する回答者の割合 | 76% |
| 食品購入時に味を重視する回答者の割合 | 56% |
| 食品購入時に価格を重視する回答者の割合 | 45% |
| 食品購入時に安全性を重視する回答者の割合 | 41% |
| EU産品は「品質が高い」と回答した人の割合 | 83% |
| EU産品を週1回以上消費する人の割合 | 4割 |
| 現在購入していない層でEU産品購入に関心を示す人の割合 | 6割 |
| EUのオーガニック製品やGI保護製品のロゴ認知度 | 約30% |
| 日本向けミッション参加加盟国数 | 22カ国 |
| 日本向けミッション参加企業・団体数 | 98社・団体 |
| 日本向けミッション成約率 | 20%超 |
| 2026年1~5月の農産品・食品貿易収支黒字額 | 194億ユーロ |
| 2026年1~5月の農産品・食品貿易収支増加額 | 10億ユーロ |
| 2026年1~5月の農産品・食品貿易収支増加率 | 約6%増 |
| 2026年1~5月の農産品・食品輸出額減少率 | 3%減 |
| 2026年1~5月の農産品・食品輸入額減少率 | 5%減 |
この事例から確認すべきポイント
欧州委員会によるEU産農産物・食品の国際的イメージ調査は、EU域外国におけるEU産品の高い評価を裏付けるものです。特に「品質」が重視される傾向が強く、EU産品の強みと一致しています。一方で、オーガニック製品や地理的表示(GI)保護製品のロゴ認知度が低い点は、ブランド価値向上と市場拡大に向けた課題として明確に示されています。特定の国々での購入意欲の高さは、今後のプロモーション戦略の重点地域を示唆しており、FTA締結国との相乗効果も期待されます。企業は、これらの調査結果を参考に、ターゲット市場の消費者ニーズに合わせた製品開発やマーケティング戦略を再検討する必要があるでしょう。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-10
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