経済・産業トレンド 発効

メキシコ・英国間でCPTPPが発効

メキシコ経済省は2026年6月22日、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)が英国との間で発効したと発表しました。英国は既に一部のCPTPP締約国と協定を発効していましたが、メキシコとの間では今回が初となります。これにより、英国からメキシコへの農産品輸出における関税削減や、サプライチェーンの多様化、投資・サービス分野での自由化が期待されます。両国間の貿易・投資のさらなる活発化が見込まれます。

この発表の要点

企業・自治体への影響

メキシコおよび英国と取引のある企業、特に農産品を扱う輸出入業者や、サプライチェーンを両国に持つ製造業、サービス業、投資家は、関税削減や自由化の恩恵を受ける可能性があります。貿易・投資の活発化に伴い、関連する法務、経理、国際事業部門への影響が想定されます。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 メキシコ経済省
発表日 2026-06-22
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年06月25日

メキシコ経済省は6月22日、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)が英国との間で発効したことを発表した。英国は2024年12月までに日本、シンガポール、チリ、ニュージーランド、ベトナム、ペルー、マレーシア、ブルネイ、オーストラリアとの間でCPTPPが発効していた(注1)が、長らくメキシコとカナダは同協定を批准できていなかった。こうした中、メキシコ政府は2026年1月20日に英国の加入議定書を承認する大統領令を発出し、今回の発効に至った。

両国間の自由貿易協定(FTA)としては、CPTPPのほかに、英国のEUからの離脱をきっかけに2021年6月から発効した「継続協定(TCA)」がある。同協定はEUメキシコFTAを引き継ぐ内容となっている。2022年5月には新たなFTAの締結に向けた交渉開始が発表されたものの(2022年5月24日記事参照)、その後目立った進展はなく、2023年11月には両国の合同委員会でEUとの拡張累積(注2)の延長が発表されたのみだ。

英国政府の発表によれば、CPTPPの発効により、英国からメキシコへの輸出においてチョコレートや豚肉などの農産品で従来以上の関税削減効果があるという。また、CPTPPは域内での累積が可能であるため、サプライチェーンの多様化を促進する側面もある。物品貿易以外でも、CPTPPは人の移動や投資・サービスなど幅広い分野での自由化を規定している。

メキシコ中央銀行の貿易データ(2025年)によると、英国はメキシコにとって9番目の輸出先(38億4,200万ドル)、20番目の輸入先(24億5,000万ドル)だ。また、英国からメキシコへの2018~2025年の累計直接投資額は76億7,000万ドルに上り、世界で7番目の水準となっている(注3)。CPTPPの発効により、両国間の貿易・投資のさらなる活発化が期待される。

(注1)CPTPPの議定書では、署名日から15カ月以内に英国および全ての締約国と批准していない場合でも、当該国(この場合は英国)および6カ国以上の締約国との締結後、60日で発効するとされている。この規定に基づき、2024年12月15日に先んじて一部の国との間でCPTPPが発効していた(2024年12月17日記事参照)。
(注2)拡張累積(Extended Cumulation)とは、あるFTAの原産判定において、締約国以外の第三国の原産材料を、同FTAにおける原産材料として扱うことができる運用のこと。メキシコ・英国間の継続協定の場合は、EU産の材料および製造工程を、原産材料として原産判定に組み込むことができる。
(注3)メキシコ経済省外国投資局のデータ。

(加藤遥平)

(メキシコ、英国)

ビジネス短信 6135f27e062b9111

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メキシコ・英国間でCPTPPが発効

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/6135f27e062b9111.html

時系列

主な数値

メキシコにとっての英国の輸出先順位 9番目
英国からメキシコへの輸出額(2025年) 38.42億ドル
メキシコにとっての英国の輸入先順位 20番目
英国からメキシコへの輸入額(2025年) 24.50億ドル
英国からメキシコへの累計直接投資額(2018~2025年) 76.70億ドル
英国からメキシコへの累計直接投資額の世界順位 7番目

この事例から確認すべきポイント

メキシコと英国間でのCPTPP発効は、両国間の経済関係を強化する重要な一歩です。企業はこの協定がもたらす具体的な変化、特に農産品における関税削減効果や、サプライチェーンの多様化を促進する域内累積の可能性を深く理解する必要があります。CPTPPは物品貿易に留まらず、人の移動、投資、サービスといった広範な分野での自由化を規定しており、これらが企業の事業活動に与える影響は多岐にわたります。メキシコや英国に事業拠点を持つ企業、あるいは両国との貿易・投資を検討している企業は、関税メリットの活用、サプライチェーンの最適化、新たな投資機会の探索など、具体的な戦略を策定する上でこの発効を重要な要素として組み込むべきです。また、既存の「継続協定(TCA)」との比較検討や、将来的な新たなFTA交渉の動向にも継続的に注目し、変化する貿易環境に柔軟に対応できる体制を整えることが、競争力維持のために不可欠です。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-25

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