経済・産業トレンド

2025年のアフリカへの対内直接投資額は前年比26.3%減の695億ドル、UNCTAD報告

国連貿易開発会議(UNCTAD)が発表した「世界投資報告2026」によると、2025年のアフリカへの対内直接投資額は前年比26.3%減の695億ドルでした。これは2024年の巨額投資の反動による減少ですが、1990年以降では3番目に高い投資額です。投資はエネルギー、インフラ、重要鉱物分野に集中し、エジプトや資源国が主要な投資先となっています。報告書は、アフリカの発展には投資流入だけでなく、雇用創出や産業高度化への転換が重要だと指摘しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

アフリカ市場への投資を検討している企業、特に資源開発、エネルギー、インフラ関連企業は、最新の投資動向やリスク要因を把握し、投資戦略を見直す必要があります。サプライチェーンの多様化を目指す製造業や商社は、アフリカの重要鉱物産出国への投資機会を継続的に評価することが求められます。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理 法務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 国連貿易開発会議(UNCTAD)
発表日 2026-07-07
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月17日

国連貿易開発会議(UNCTAD)が7月7日に発表した「世界投資報告2026」によると、2025年のアフリカへの対内直接投資(FDI)額(国際収支ベース、ネット、フロー)は、前年比26.3%減の695億ドル(世界シェア4.3%)だ。2024年にはアラブ首長国連邦(UAE)からエジプトへ都市開発関連の巨額投資があったため、2025年は反動により減少した一方、1990年以降で3番目の投資額となった。

同報告書によると、アフリカでは投資分野がエネルギー、インフラ、重要鉱物などに集中しており、投資先国も少数の国に限られている。また、アフリカにおいて、銅、コバルト、リチウム、マンガン、黒鉛、レアアースなどの重要鉱物が産出され、企業はサプライチェーン確保に向け、投資しているという。

一方、同報告では、アフリカの発展が次の段階に進む成否は、投資流入の規模のみならず、アフリカ各国が効果的に雇用創出、技術移転、産業の高度化、経済の多角化へと転換できるかにも左右されると指摘した。

エジプトや資源国が投資先上位に
アフリカへの対内投資額の国別内訳をみると、エジプトへの投資が最大で、ギニア、モザンビーク、ナイジェリアなど資源国が続いた。前年からの増加率が高い国は、ボーキサイトや鉄鉱石に関する大型投資のあったギニア(前年比5.5倍)、石油・ガス関連の投資があったナイジェリア(2.5倍)、自動車関連の投資があったモロッコ(91.0%増)などだ。エジプト、南アフリカ共和国では産業開発、水素生産、物流、再生可能エネルギーの投資もあったという。一方、南アでは2025年は投資の引き上げ超過だった。

2025年のアフリカでの投資額受け入れ上位15カ国と前年比増減率は次のとおり。

エジプト:155億ドル(前年比66.8%減)

ギニア:78億ドル(453.8%増)

モザンビーク:57億ドル(60.2%増)

ナイジェリア:40億ドル(148.2%増)

エチオピア:38億ドル(4.7%減)

ウガンダ:34億ドル(7.8%増)

モロッコ:33億ドル(91.0%増)

ケニア:32億ドル(37.7%増)

コートジボワール:20億ドル(37.2%増)

ガーナ:19億ドル(8.1%増)

コンゴ民主共和国:19億ドル(40.0%減)

タンザニア:17億ドル(3.7%増)

アルジェリア:15億ドル(18.2%増)

ナミビア:14億ドル(27.7%減)

ザンビア:13億ドル(45.2%減)

なお、アフリカの国・地域別の対内投資残高(ストック)を、投資側の国別にみると欧州(オランダ、英国、フランスなど)が最大で、米国、中国、シンガポール、インドなども多い。近年は湾岸諸国も重要な投資元国となりつつあるという。

(井澤壌士)

(アフリカ、エジプト、ナイジェリア、モロッコ、世界)

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2025年のアフリカへの対内直接投資額は前年比26.3%減の695億ドル、UNCTAD報告

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/be246652b2af24a4.html

時系列

主な数値

2025年アフリカへの対内直接投資額 695億ドル
2025年アフリカへの対内直接投資額の前年比増減率 -26.3%
2025年アフリカへの対内直接投資の世界シェア 4.3%
2025年エジプトへの投資額 155億ドル
2025年ギニアへの投資額 78億ドル
2025年モザンビークへの投資額 57億ドル
2025年ナイジェリアへの投資額 40億ドル
2025年エチオピアへの投資額 38億ドル
2025年ウガンダへの投資額 34億ドル
2025年モロッコへの投資額 33億ドル
2025年ケニアへの投資額 32億ドル
2025年コートジボワールへの投資額 20億ドル
2025年ガーナへの投資額 19億ドル
2025年コンゴ民主共和国への投資額 19億ドル
2025年タンザニアへの投資額 17億ドル
2025年アルジェリアへの投資額 15億ドル
2025年ナミビアへの投資額 14億ドル
2025年ザンビアへの投資額 13億ドル

この事例から確認すべきポイント

UNCTADの報告書は、2025年のアフリカへの対内直接投資が一時的に減少したものの、過去の巨額投資の反動であり、長期的な視点では高水準を維持していることを示しています。これは、アフリカがエネルギー、インフラ、重要鉱物といった戦略的な分野で引き続き投資機会を提供していることを示唆します。特に、サプライチェーンの安定化を目指す企業にとって、アフリカの重要鉱物産出国への投資は重要な選択肢となり得ます。しかし、投資が少数の国や分野に集中している点、また投資流入が必ずしも雇用創出や産業高度化に直結しないという課題も指摘されており、アフリカ各国政府や投資企業は、投資の質と持続可能性を重視した戦略的なアプローチが求められるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-17

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