嵐図汽車が上半期の業績を発表、増収も純損失を計上
この発表の要点
- 嵐図汽車の2026年上半期売上高は前年同期比42.4%増の181億5,923万元となったが、純損益は3億8,913万元の赤字に転落した。
- 原材料価格の上昇や、研究開発費・販管費の増加が純損失の要因となった。
- 海外展開を強化しており、40カ国・地域に進出し240カ所超の海外販売拠点を整備している。
企業・自治体への影響
自動車製造業や新エネルギー車関連サプライチェーンにおいて、原材料価格高騰が収益性に与える影響を再認識させる事例である。経営企画、経理、調達部門等はコスト変動リスクや投資計画の精査が求められる。
対応すべきこと
- 原材料価格高騰や開発投資が業績に与える影響についての動向を把握する。
- 自動車・新エネルギー車市場における海外展開やアライアンスの動きを関係部門で共有する。
対象部門: 経営者 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 嵐図汽車 |
|---|---|
| 業界 | 自動車・製造 |
| 発表日 | 2026-09-02 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年09月02日
東風汽車集団傘下の新エネルギー車(NEV)メーカーの嵐図汽車は8月27日、2026年上半期(1~6月)の業績を発表した(注1)。売上高は前年同期比42.4%増の181億5,923万元(約4,358億円、1元=約24円)だった。一方、純損益は3億8,913万元の赤字となり、前年同期の4億6,433万元の黒字から赤字に転じた。粗利益は17.7%増の32億1,572万元で、粗利益率は前年同期の21.4%から17.7%へ低下した。
純損失の要因として、炭酸リチウムやメモリーなどの原材料価格上昇を挙げた。これに加えて、販売台数の増加もあり、売上原価は49.1%増の149億4,351万元になったとしている。ほかにも、研究開発費が70.2%増の9億1,098万元に拡大し、主に新車種や「三電」分野(注2)、スマート化に関連する開発費用が増加した。このほか、店舗数拡大や新車発売、ブランド構築に関する費用が増加し、販売・一般管理費は44.4%増の約34億5,000万元となった。
同社は高価格帯のラインアップを拡充しており、2026年上半期には、ファミリー向け多目的乗用車(MPV)や6人乗りの大型スポーツ用多目的車(SUV)、ハイエンドな5人乗り全地形対応大型SUVの新車種を投入した。納車台数は35.9%増の7万6,264台で、車両販売収入は36.2%増の164億7,359万元となった。
海外展開については、欧州、中東、右ハンドル市場における販売拡大や進出を掲げており、6月末時点で40カ国・地域に進出し、240カ所超の海外販売拠点を整備したと明かした。なお、欧州では5月、東風汽車とステランティスが合弁会社設立を検討する拘束力のない覚書(MOU)を締結し、同合弁会社が、両社が合意する欧州内の市場で嵐図ブランドの販売・流通を手掛ける案を検討中だ(2026年5月22日記事参照)。また、中東では、上半期にサウジアラビアのリヤドとジッダにショールームを開設した。6月に同国市場に正式に参入し、現地の道路環境に合わせ関連車種の仕様を調整したという。右ハンドル市場では、香港を重要戦略拠点と位置付け、販売や納車、アフターサービス、顧客対応などの機能を段階的に構築するほか、2026年下半期にはミニバン「夢想家」の右ハンドル仕様車を投入する計画だとした。
(注1)東風汽車集団は、香港証券取引所(HKEX)での上場を廃止し、同時に嵐図汽車を紹介方式で上場させると発表し、その後、嵐図汽車は2026年3月に上場した。詳細は2025年8月29日記事参照。
(注2)中国では一般的に「電池、モーター、電子制御」の3つを指す。
(廣田瑞生)
(中国、香港、欧州、サウジアラビア)
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嵐図汽車が上半期の業績を発表、増収も純損失を計上
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/6387ca31a676cd94.html
時系列
- 2026-03-01 嵐図汽車が香港証券取引所(HKEX)に紹介方式で上場(月日については原文の「2026年3月に上場」に基づく)
- 2026-05-22 東風汽車とステランティスが欧州内の販売・流通に関するMOUを締結
- 2026-08-27 2026年上半期(1~6月)の業績を発表
主な数値
| 売上高 | 181億5,923万元 |
|---|---|
| 純損益 | -3億8,913万元 |
| 粗利益 | 32億1,572万元 |
| 売上原価 | 149億4,351万元 |
| 研究開発費 | 9億1,098万元 |
| 販売・一般管理費 | 34億5,000万元 |
| 納車台数 | 7万6,264台 |
| 車両販売収入 | 164億7,359万元 |
| 海外進出国・地域数 | 40カ国・地域 |
| 海外販売拠点数 | 240カ所超 |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、新エネルギー車(NEV)市場における急拡大の一方で、原材料価格の高騰や研究開発費・販管費の増加が収益を圧迫する構造を示している。販売台数や売上高が順調に伸びても利益率が低下して赤字に転落している点は、製造業および自動車関連サプライチェーンにおけるコスト管理の重要性を物語っている。実務上は、原材料価格の変動リスクや研究開発投資の回収計画、海外展開におけるアライアンス戦略の動向を継続して注視する必要がある。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-09-02
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