経済・産業トレンド 計画発表・実施中

中国、物流ネットワークの整備に向けた17項目の取り組みを発表

中国の国家発展改革委員会と交通運輸部は2026年8月27日、「物流網の建設に向けた実施プラン」を発表した。2030年までに社会物流総費用の対GDP比を13.1%に引き下げることを目指し、7分野で17項目の取り組みを進める方針を示している。

この発表の要点

企業・自治体への影響

中国で事業を展開する製造業、流通業、物流関連企業において、サプライチェーンの効率化やインフラ環境、物流コスト構造に影響を与える可能性がある。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 経理

対応期限:2030年まで

基本データ

企業・団体 国家発展改革委員会・交通運輸部
業界 物流・運輸
発表日 2026-09-03
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年09月03日

中国の国家発展改革委員会と交通運輸部は8月27日、「物流網の建設に向けた実施プラン」を発表した。同プランは、2030年までに物流ネットワークの整備で顕著な成果を上げるとともに、社会物流総費用(注1)の対GDP比を13.1%まで引き下げることを目指すとした。

プランでは、次の7分野について17項目の取り組みが盛り込まれた。

物流ハブの整備と相互連結の推進。物流ハブやコールドチェーン物流拠点間の定期運行を拡大する。貨物集荷、運営プロセス、情報連携の標準化を通じ、物流拠点のネットワーク化を推進する。また、鉄道・港湾・空港に隣接する物流施設を整備・拡充し、物流ハブ間の広域的な複合一貫輸送を促進する。併せて、周辺の物流拠点との連携を強化し、物流ハブの運営効率と集積機能の向上を図る。

物流回廊の輸送力強化。鉄道や高速道路、港湾の整備・高度化を通じて基幹物流回廊の整備を進めるとともに、複合一貫輸送と集荷・配送網を整備する。

都市・農村物流施設の基盤強化。大・中都市周辺における公共配送拠点の整備やコミュニティーなどにおける公共宅配ステーションの新設・改修を推進する。製造業・商業集積地では、複合型・共同利用型物流施設の整備を進める。また、農村部では、県級・郷鎮級・村級の3段階からなる物流拠点を整備し、農産品流通の円滑化と消費財の安定供給を図る。

国際物流ネットワークの拡充。通関施設や国際貨物ターミナルを整備する。また、「中欧班列」(注2)の集結拠点・主要結節都市、国際道路輸送拠点、国際航空貨物ハブにおいて、倉庫、分配、集荷・配送施設の機能を強化する。

物流施設・設備のデジタル化、スマート化、グリーン化。スマート物流ハブや物流団地、スマート倉庫の整備を進める。また、新エネルギー大型トラックやクリーンエネルギー船舶の普及や脱炭素型物流団地の整備を加速する。

物流情報の共有・活用の高度化。物流情報の標準化を推進するとともに、全国統一の物流電子伝票登録システムを構築する。

政策支援の強化。国際競争力を有する交通・物流リーディング企業の育成、物流関連規則・標準の整備、金融支援の拡充などを進める。

今回の実施プランは、中国政府が推進する「6つの網(ネットワーク)」(注3)の建設の一環と位置付けられる。7月に開催された中国共産党中央政治局会議では、「6つの網」の計画・建設を着実に推進する方針が示された(2026年8月5日記事参照)。また、8月に国家発展改革委員会が開催した「6つの網」に関する合同調整会議では、6つのネットワークのうち、「算力(データ処理能力)」網、新型電力網、新型通信網(注4)の一体的整備について議論された(2026年8月25日記事参照)。

(注1)社会物流総費用は、社会全体の物流活動に伴う輸送費用、保管費用、管理費用の合計。GDPに対する比率で評価され、2025年は13.9%だった。
(注2)中国と欧州・ロシアなどの「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車。
(注3)「水網」、新型電力網、算力網、新型通信網、都市地下配管網、物流網を指す。国家発展改革委員会によると、第15次5カ年規画(2026~2030年)期間内に新型電力網と地下配管網にはそれぞれ5兆元(約120兆円、1元=約24円)、算力網には4兆元の投資が見込まれる。
(注4)新型通信網は、5G、5G-A、将来の6G移動通信網に加え、10ギガ光ネットワークや衛星インターネットなど将来の通信技術・インフラを含む通信網。

(張敏)

(中国)

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/071cc604afc081bf.html

時系列

主な数値

目標達成年 2030年
社会物流総費用の対GDP比目標 13.1%
2025年の社会物流総費用の対GDP比 13.9%
取り組む分野数 7分野
取り組み項目数 17項目
第15次5カ年規画の期間 2026~2030年
新型電力網・地下配管網の投資見込み額 5兆元
算力網の投資見込み額 4兆元

この事例から確認すべきポイント

中国政府が発表した「物流網の建設に向けた実施プラン」は、2030年を見据えたインフラ整備やデジタル化・グリーン化の推進を目的としている。物流コストの削減(対GDP比13.1%への引き下げ)や、デジタル・スマート化、国際物流ネットワークの拡充などが盛り込まれており、中国国内で事業を展開する日系製造業や物流関連企業にとっては、サプライチェーンの効率化や新たな政策支援、標準化の動向を注視する必要がある。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-09-03

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