経済・産業トレンド 発表

インド政府、「携帯電話製造スキーム」を発表

インド電子・情報技術省は、携帯電話製造業の国際競争力強化と雇用創出を目的とする支援策「携帯電話製造スキーム(MPMS)」を発表した。予算規模は6,250億ルピーで、実施期間は2026年度から2030年度までの5年間。対象セグメントや条件に応じたインセンティブや追加奨励金が設定されており、国内製造能力の強化や技術的自立の促進を図る。

この発表の要点

企業・自治体への影響

インドで携帯電話製造や電子機器製造サービス(EMS)を展開する企業、および関連部品を供給するサプライチェーン企業にとって、売上要件や国内調達・R&Dのインセンティブを活用した事業戦略の見直しや投資計画に影響を与える。経営企画・法務・調達部門において内容の精査が必要となる。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 インド電子・情報技術省
業界 製造
発表日 2026-09-02
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年09月02日

インド電子・情報技術省は8月21日、携帯電話製造業の国際競争力強化と雇用創出を目的とする支援策「携帯電話製造スキーム(Mobile Phone Manufacturing Scheme:MPMS)」を発表した。本スキームは、2026年7月15日に閣議承認されていたもの(2026年7月22日記事参照)。予算規模は6,250億ルピー(約1兆625億円、1ルピー=約1.7円)で、2026年3月31日に終了した大規模電子機器向け生産連動型インセンティブ制度(PLI-LSEM)の後継施策に位置付けられる。

本スキームの実施期間は2026年度(2026年4月1日~2027年3月31日)から2030年度までの5年間で、対象はターゲットセグメント1(TS1)およびターゲットセグメント2(TS2)に分かれる。TS1は、携帯電話の製造促進を目的としたもので、2025年度の売上高が1,000億ルピー以上のインドで登録された携帯電話メーカーまたは電子機器製造サービス(EMS)企業を対象とする。さらに既存ブランドについては、2025年度を基準として毎年500億ルピー以上の追加売上高を達成することが要件となる。TS2は、インド系携帯電話ブランドの育成を目的としたもので、2025年度の売上高が100億ルピー以上のインド系携帯電話メーカーまたはEMS企業を対象とする。

インセンティブ率は、TS1で適格売上高に対して2.25~5%、TS2で5%が設定されている。さらに、インド国内での設計や研究開発を行う企業には適格売上高の3%が追加奨励金として支給されるほか、主要部品や組立部品を国内調達した場合には、TS1・TS2ともに最大1.5%の追加インセンティブを受けられる。

インド政府は、本スキームを通じて国内製造能力強化や技術的自立の促進を図るとともに、2030年度までに携帯電話の累計生産額を約39兆ルピーに拡大し、約6万人の直接雇用の創出を目標としている。携帯電話製造業を成長の牽引役に、インドの電子機器製造拠点としての地位をさらに高めたい狙いとみられる。

(依田靖)

(インド)

ビジネス短信 3ba3cf079b7f7d40

関連情報

dummy

もっと見る

ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

インド政府、「携帯電話製造スキーム」を発表

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/3ba3cf079b7f7d40.html

時系列

主な数値

予算規模 6,250億ルピー
予算規模(日本円換算) 約1兆625億円
為替レート 1.7円
実施期間 2026年度から2030年度まで年間
TS1対象要件(売上高) 1,000億ルピー以上
TS1既存ブランド追加売上要件 500億ルピー以上
TS2対象要件(売上高) 100億ルピー以上
TS1インセンティブ率 2.25~5%
TS2インセンティブ率 5%
国内設計・研究開発追加奨励金 3%
主要部品・組立部品国内調達追加インセンティブ 最大1.5%
2030年度までの累計生産額目標 約39兆ルピー
直接雇用創出目標 約6万人

この事例から確認すべきポイント

インド政府による新たな携帯電話製造スキーム(MPMS)の発表は、従来の生産連動型インセンティブ制度(PLI-LSEM)の後継として、同国における電子機器・携帯電話製造のさらなる規模拡大とサプライチェーンの国内定着を狙ったものである。製造業やEMS企業、関連するサプライチェーンに関わる企業にとっては、現地の売上要件や追加インセンティブの条件(国内調達やR&D要件)を踏まえた事業戦略の再検討が求められる。広報および経営企画部門においては、インド市場における事業展開や投資計画への影響を把握し、適格要件やスケジュールを正確に管理することが重要となる。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-09-02

関連事例

自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?

無料でプレスリリースを掲載する