経済・産業トレンド 施行前

食品添加物などに関わる省令を14年ぶりに刷新、使用基準の確認が必要

メキシコ保健省は、食品・飲料・サプリメントの添加物や加工助剤に関する新省令を連邦官報で公布した。2012年の旧省令等を廃止し、COFEPRISがこれまでウェブ公表してきた新規物質や用途拡大を統合・一本化。許可用途、最大使用量、表示、申請手続きを見直し、一部保存料の上限引き下げや着色料の管理強化などを行う。メキシコへ食品を輸出する企業は、製品ごとの使用基準や移行期限の点検が必要となる。

この発表の要点

企業・自治体への影響

メキシコへ食品・飲料・サプリメントを輸出・販売する企業の法務部門、品質管理部門、輸出入担当部門に対し、製品の原材料、使用量、用途制限、表示内容の点検や処方変更、追加申請の検討を迫る影響があります。

対応すべきこと

対象部門: 総務 法務 経理

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 メキシコ保健省
業界 食品
発表日 2026-08-26
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月26日

メキシコ保健省は8月21日、食品、飲料、サプリメントに使用できる添加物と加工助剤(注1)および同衛生要件を定める省令を連邦官報で公布した。公布後60営業日で発効し、2012年に公布された省令と2013年、2016年の改正を廃止する。

新省令は、従来と同じ11の付属書(注2)の構成を維持しつつ、連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)が官報未掲載のままウェブサイトで逐次公表してきた新規物質や用途拡大を統合した。単なる一本化にとどまらず、許可用途、食品カテゴリー、最大使用量、表示、申請手続きも見直した。

許容1日摂取量(ADI、注3)が設定された一般添加物、着色料、甘味料について、付属書に記載のない食品への使用を希望する場合は、使用量を含めCOFEPRISの事前評価を受ける必要がある。申請者は国際食品規格委員会(CODEX)、米国、カナダ、EUそれぞれの規制状況とともに、既存用途を含む累積暴露評価(注4)やメキシコ人の食品摂取データを提出する。また、一部保存料では上限が引き下げられ、例えば非アルコール香味飲料の安息香酸・安息香酸塩は1リットル当たり600ミリグラム(mg)から同250mgとなった。

着色料の管理も強化した。従来、適正製造規範(GMP)に基づき使用できた一部着色料に数値上限を設定し、該当製品には公布から24カ月の対応期間を設けた。食用金箔(きんぱく)、銀箔(ぎんぱく)などに用いられる金、銀、アルミニウムを用いた装飾用の金属色素は新リストに収載されていない。発効後6カ月以内に利害関係者から収載申請がなければ、その後18カ月以内に製品処方から除去する必要がある。旧省令に基づき、付属書に記載のない食品に添加物を使用してきた事業者は、公布後12カ月以内にCOFEPRISの審査を受ける必要がある。不承認の場合は、決定から24カ月以内に製品を再処方する。

現地食品規制コンサルタント会社のリラ・コンスルトーレス(Lyra Consultores)は、メーカーと輸入者に対し、今回公布された新省令を踏まえ、原材料、使用量、用途制限、同義語、表示への影響を製品ごとに確認するよう促している(同社リンクトイン・アカウントの2026年8月24日付解説)。食品安全コンサルタントのフェリペ・トレホ氏も、対象となる添加物や製品によって適用期限が異なるため、各付属書と経過措置を確認し、その影響を製品ごとに判断した上で、必要な処方変更や表示改訂を進めるべきだと指摘している(同氏リンクトイン2026年8月21日付投稿)。

今後の更新にも留意
収載添加物に変更があった付属書は3カ月ごとにCOFEPRISのウェブサイトで更新され、省令は6カ月ごとに連邦官報で公布される。更新状況はCOFEPRISの「食品添加物」ページで確認できる。なお、同ページは8月25日時点では旧省令に基づく内容で、今後更新される見込み。メキシコに食品を輸出する日本企業関係者も、添加物、食品カテゴリー、使用量、表示、移行期限を製品ごとに点検する必要がある。

(注1)食品の加工の際に使用されるが、(1)完成前に除去されるもの、(2)その食品に通常含まれる成分に変えられ、その量を明らかに増加させるものではないもの、(3)食品に含まれる量が少なく、その成分による影響を食品に及ぼさないもの。
(注2)次の11の付属書からなる。

付属書I:許容1日摂取量(ADI)が設定された一般添加物(保存料、乳化剤、酸化防止剤など)

付属書II:適正製造規範(GMP)に基づき使用できる一般添加物

付属書III:ADIが設定された着色料

付属書IV:GMPに基づき使用できる着色料

付属書V:チューインガム用精製物質

付属書VI:酵素

付属書VII:ADIが設定された甘味料

付属書VIII:GMPに基づき使用できる甘味料

付属書IX:乳児用調製乳、フォローアップ調製乳および特別栄養用途向け調製乳に使用できる添加物

付属書X:加工助剤

付属書XI:香料

(注3)人が生涯にわたり毎日摂取しても健康への悪影響がないと推定される、体重1キログラム当たりの1日摂取量。食品ごとの添加物の最大使用量とは異なる。
(注4)同じ毒性作用機序を持つ複数の化学物質(残留農薬や食品添加物など)を同時に、または継続して摂取した際の合計の体内取り込み量(暴露量)を評価する手法。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

ビジネス短信 e6a59576b3d6faed

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食品添加物などに関わる省令を14年ぶりに刷新、使用基準の確認が必要

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/e6a59576b3d6faed.html

時系列

主な数値

発効までの営業日数 60営業日
付属書の数 11付属書
非アルコール香味飲料の安息香酸・安息香酸塩の変更前上限 600mg/L
非アルコール香味飲料の安息香酸・安息香酸塩の変更後上限 250mg/L
数値上限が設定された一部着色料の対応期間 24カ月
金属色素の収載申請期限 6カ月
金属色素の製品処方からの除去期限 18カ月
旧省令に基づき付属書に記載のない食品に添加物を使用していた事業者の審査申請期限 12カ月
不承認時の製品再処方期限 24カ月

この事例から確認すべきポイント

メキシコにおける食品添加物関連省令の14年ぶりの刷新は、同国へ輸出入を行う食品・飲料・サプリメント関連企業にとって極めて重要である。COFEPRISの非公式なウェブ公表内容が正式に省令として統合・整理された一方で、保存料の上限引き下げや着色料への数値上限設定、金属色素の扱い、各種申請・経過措置の期限が個別に定められている。実務においては、対象製品ごとに原材料、使用量、用途制限、表示等への影響を網羅的に点検し、適用期限内に適切な処方変更や審査申請等の対応を進めることが求められる。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-26

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