経済産業省が「検認の実態及び企業の対応事例」を公表、EPAで検認に不安抱えるも適切に対応する企業が多数
この発表の要点
- EPA検認に対し約6割の企業が不安を抱える一方、多くの企業が適切に対応できている実態が判明。
- 円滑な検認対応には、原産性判定の根拠資料の日頃からの整理・保管、社内ルール整備、部門間連携が重要。
- 経済産業省は、適切な準備があれば検認を過度に恐れる必要はなく、EPAの積極的な活用を推奨。
企業・自治体への影響
EPAを利用する輸出企業、特に製造業は、検認制度への理解を深め、適切な資料管理体制を構築する必要があります。国際貿易部門や法務部門、経理部門は、本発表の内容を踏まえ、自社の対応状況を確認し、必要に応じて体制を強化することが求められます。
対応すべきこと
- 経済産業省が公表した「検認の実態及び企業の対応事例」の詳細を公式出典で確認する。
- 自社のEPA利用状況と、原産性判定の根拠資料の整理・保管状況を点検し、不備があれば改善する。
- 検認対応に関する社内ルールや部門間連携体制の整備状況を見直し、円滑な対応が可能か確認する。
- 国際貿易部門、法務部門、経理部門など関係部署と連携し、EPA活用におけるリスクと対応策を共有し、実務に反映させる。
対象部門: 経営者 総務 法務 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 経済産業省 |
|---|---|
| 業界 | 製造業 |
| 発表日 | 2026-07-02 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
| 地域 | 日本 |
発表された内容
2026年07月06日
経済産業省は7月2日、「検認の実態及び企業の対応事例」を発表した。同事例は、日本のEPA(経済連携協定)利用企業へのアンケート調査や、検認を経験した企業へのヒアリング結果を取りまとめて公表したもの(注1)。検認制度への理解促進とEPAのさらなる利用拡大を目指す(注2)。
アンケート調査結果によると、「検認に対する不安がない」と回答した企業は4割超だった一方、約6割の企業は何らかの不安を抱えていた(注3)。検認で不安に感じる要素として「検認で要求される内容が不明」との回答割合が最も高かった(注4)。ただ、不安を感じる、と回答した企業であっても、実際には大きな問題なく検認に対応できた企業や、過去の対応実績を踏まえて特段の懸念を持っていない企業が確認され、多くの企業が適切に検認へ対応できていることも分かった。
経済産業省が、検認経験のある10社へヒアリングを行ったところ、検認対応に当たり、「原産性判定の根拠資料を日頃から整理・保管していること」が、円滑な対応につながっていることも分かった。根拠資料の保管方法は、「紙媒体で保存しながら電子化対応について検討中」「EPA専門部署が、(部署横断的に)必要な書類にアクセスできる体制の構築」「提出が見込まれる書類を、検認対応書類としてパッケージ化しておく」など、企業によりさまざまな工夫をする事例がみられた。検認への対応には一定の事務負担や追加説明が求められる場合があるものの、このような社内ルールの整備や担当部門間の連携、文書管理の工夫などにより、適切に対応できていることが明らかになった。
経済産業省は、EPA活用に当たっては原産品であることを示す資料や裏付け資料を、原産性判定および原産地証明書作成の段階から適切に保管しておくことが重要だと強調している。その上で、こうした基本的な対応ができていれば、検認を過度に恐れる必要はなく、仮に検認対象となった場合でも適切な準備と工夫により十分対応可能であるとして、企業に対しEPAの積極的な活用を呼びかけている。
検認制度は、EPAを利用した輸出で、特恵税率の適用後、輸入国税関が原産性を事後的に確認するもの。EPAに定められた手続きの一環として、実施頻度は必ずしも高くないものの、企業はその対応に備えておく必要がある。経済産業省は、検認の主な内容と事例について、「産品の原産性の確認(原産品であることを明らかにする資料等の提供により原産性を説明すること)」「原産地証明書上の記載事項の正確性の確認(記載に誤り等があれば、正しい内容を説明すること)」「原産地証明書に記載の産品のHSコードが、輸入国税関の認識や輸入者による申告時と異なる場合の原産性の確認(可能な限りの範囲で、これらの原産性についても説明すること)」を挙げている。
(注1)アンケート回答企業数は376社。そのうち製造業が約89%を占める。回答企業のうち、54%が大企業、46%が中小企業。
(注2)経済産業省は2025年3月、検認ワーキンググループを設置し、実態調査を進めてきた。同ワーキンググループは、EPA活用推進会議の下に、産業界などの委員で構成される非公開のワーキンググループ。EPA利用時に、特恵税率の適用が否認されるリスクへの過度な懸念から、その利用をちゅうちょする企業もあることが課題として指摘されてきたことを受け、設置された。なお、EPA活用推進会議は、同省が2022年に設置した官民の検討の場で、業界団体や企業、学識経験者、政府関係機関などが参加し、日本企業によるEPA活用の拡大に向けた課題や改善策を議論している。これまで業界別マニュアルの整備やEPA関連ツールの開発、原産地規則の運用改善などに取り組んできた。
(注3)大企業では、約38%が「不安なし」と回答する一方、約62%が「不安あり」と回答。中小企業では、「不安なし」と「不安あり」の回答割合がともに約5割だった。
(注4)アンケート調査で「検認に不安を感じる」と回答した企業(213社)のうち、検認に不安を感じる要素を3項目まで選択。最も多く選択された回答が「検認で要求される内容が不安」。
(辻本希世)
(日本、世界)
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経済産業省が「検認の実態及び企業の対応事例」を公表、EPAで検認に不安抱えるも適切に対応する企業が多数
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/4ff86162be567e0a.html
時系列
- 2022-XX-XX 経済産業省がEPA活用推進会議を設置
- 2025-03-XX 経済産業省が検認ワーキンググループを設置
- 2026-07-02 経済産業省が「検認の実態及び企業の対応事例」を発表
主な数値
| アンケート回答企業数 | 376社 |
|---|---|
| アンケート回答企業における製造業の割合 | 約89% |
| アンケート回答企業における大企業の割合 | 54% |
| アンケート回答企業における中小企業の割合 | 46% |
| 検認に対する不安がないと回答した企業の割合 | 4割超% |
| 検認に不安を抱えている企業の割合 | 約6割 |
| 検認に不安を感じると回答した企業数 | 213社 |
| 検認経験のあるヒアリング対象企業数 | 10社 |
| 大企業で検認に不安がないと回答した割合 | 約38% |
| 大企業で検認に不安があると回答した割合 | 約62% |
| 中小企業で検認に不安がないと回答した割合 | 約5割 |
| 中小企業で検認に不安があると回答した割合 | 約5割 |
この事例から確認すべきポイント
経済産業省の発表は、EPA利用企業が抱える検認への不安を解消し、制度の積極的な活用を促す目的があります。アンケート結果からは、約6割の企業が検認に不安を感じているものの、実際に検認を経験した企業の多くが適切に対応できている実態が示されました。特に、原産性判定の根拠資料を日頃から整理・保管することや、社内ルール整備、部門間連携、文書管理の工夫が円滑な対応に繋がると強調されています。これは、企業が事前の準備と適切な情報管理を行うことで、検認を過度に恐れる必要がないことを示唆しています。本発表は、EPA活用における実務的な課題と対応策を具体的に提示しており、企業が国際貿易におけるリスク管理と効率的な業務遂行を両立させるための重要な指針となるでしょう。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-06
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