ベルギー企業、モーリタニアで火力発電所10カ所をハイブリッド化する契約を受注
この発表の要点
- ベルギーのジョンコックリルがモーリタニアで火力発電所10カ所のハイブリッド化契約を受注した。
- 太陽光発電と蓄電池システムを組み合わせ、今後2年内に新設し、10年間保守・運用サービスを提供するとともに、現地チームへの研修も実施する。
- フランス政府の譲許的融資により支援され、モーリタニアの2035年温室効果ガス75.8%削減目標達成に貢献する。
企業・自治体への影響
エネルギー関連企業、特に再生可能エネルギーやインフラ建設に携わる企業は、国際的なエネルギー転換プロジェクトの動向と資金調達メカニズムを注視すべきです。アフリカ市場への参入を検討する企業は、政府間協力や多国間融資を活用した大規模プロジェクトの機会を評価する参考となります。関連する部門は、事業開発、国際営業、プロジェクト管理、法務、広報などが挙げられます。
対応すべきこと
- 国際的なエネルギーインフラプロジェクトにおける資金調達スキーム(譲許的融資など)について情報収集する。
- アフリカ市場における再生可能エネルギー導入目標や政策動向を調査し、自社の事業機会を検討する。
- 長期的な保守・運用、現地人材育成を含む包括的な事業提案の事例として、本件を関係部門で共有する。
- 国際プロジェクトにおけるパートナーシップ構築(例:フランス企業の専門知識活用)の可能性を検討する。
対象部門: 経営者 法務 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | 製造 |
| 発表日 | 2026-07-10 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
| 地域 | 東京都 |
発表された内容
2026年07月10日
ベルギー機械エンジニアリング大手のジョンコックリル(注1)は6月30日、モーリタニア電力公社(SOMELEC)が運営するモーリタニア国内10カ所の火力発電所をハイブリッド化する契約を受注した。太陽光発電とエネルギー貯蔵システムを組み合わせた新たな太陽光発電所10基を今後2年内に建設する予定だ。
具体的には、総出力8メガワットピーク(MWp、注2)の約1万5,000枚の太陽光パネル、総容量13メガワット時(MWh)の蓄電池ラック53基、そして設備全体の制御を担うプラント・マネジメント・システムから構成される。各サイトでは、新設される太陽光発電設備が光ファイバーを通じて既存の火力発電所に接続される。同社は今後10年間にわたり、これらの小規模エネルギーネットワーク(マイクログリッド)の保守・運用サービスも提供する。さらに、SOMELECのチームに対し、ハイブリッド型太陽光発電システムの運用・管理に関する研修を実施するためのトレーニング施設の設置も予定されている。
モーリタニアのモハメド・ウルド・ガズワニ大統領による2026年4月15~17日のフランス公式訪問の際に、モーリタニア・フランス経済フォーラムが4月17日に開催された。そのフォーラムにおいてSOMELECとジョンコックリルは、モーリタニアのエネルギー転換および脱炭素化を支援する契約を正式に締結した。それに先立ち、フランス政府とモーリタニアとの間で、2025年11月にフランス公共投資銀行(BPI France)を通じて、同プロジェクトへのフランス政府による譲許的融資に関する協定の調印が行われた。フランス政府の低利融資によるこの戦略的プロジェクトは、ジョンコックリルのフランス支店ジョンコックリル・アモンをはじめとするフランス企業の専門知識が投入され、同社は設計、プロジェクトマネジメント、および設備の安定運用・保守を担うという。
モーリタニアは、温室効果ガス(GHG)、排出削減目標の第3次国別決定貢献(CDN3.0)において、2035年までに温室効果ガスの純排出量を75.8%削減することを目標としている。同プロジェクトは、同排出削減目標を後押しするもので、同国の化石燃料への依存度の低減とともに、孤立地域におけるエネルギー管理の最適化の実現が期待されている。
(注1)John Cockerill(ジョンコックリル) は、ベルギーのセラン(Seraing)に本社を置く総合エンジニアリング企業グループ。1817年に創業され、エネルギー、水素、防衛、産業設備、環境、モビリティ、インフラ分野向けに大規模な技術ソリューションを提供。近年は北アフリカでの事業を強化している(2026年6月24日記事参照)。
(注2)メガワットピーク(MWp): 太陽光パネルの最大出力をメガワット単位で表したもの。
(渡辺智子)
(ベルギー、モーリタニア、フランス)
ビジネス短信 41a1d061bdd2aa64
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ベルギー企業、モーリタニアで火力発電所10カ所をハイブリッド化する契約を受注
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/41a1d061bdd2aa64.html
時系列
- 2025-11-XX フランス政府とモーリタニアとの間で、フランス公共投資銀行(BPI France)を通じた譲許的融資に関する協定が調印された。
- 2026-04-15 モーリタニアのモハメド・ウルド・ガズワニ大統領によるフランス公式訪問が開始された。
- 2026-04-17 モーリタニア・フランス経済フォーラムが開催され、モーリタニア電力公社(SOMELEC)とジョンコックリルが契約を正式締結した。
- 2026-06-30 ベルギーのジョンコックリルがモーリタニア電力公社(SOMELEC)から火力発電所10カ所のハイブリッド化契約を受注した。
- 2026-07-10 本記事が発表された。
主な数値
| 対象火力発電所数 | 10カ所 |
|---|---|
| 太陽光パネル枚数 | 約15000枚 |
| 太陽光パネル総出力 | 8MWp |
| 蓄電池ラック数 | 53基 |
| 蓄電池総容量 | 13MWh |
| 温室効果ガス削減目標 | 75.8% |
| 太陽光発電所建設期間 | 2年内 |
| 保守・運用サービス提供期間 | 10年間 |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、国際的なエネルギー転換プロジェクトが、複数の国(ベルギーの技術、フランスの融資、モーリタニアの導入)の協力によって推進される典型的なモデルを示しています。企業は、このような大規模インフラ案件において、技術力だけでなく、国際的な資金調達メカニズムの理解や、現地の脱炭素目標への貢献といった戦略的視点が不可欠であることを認識すべきです。また、建設後の長期的な保守・運用、さらには現地人材への技術移転(トレーニング施設の設置)までを包括的に提供するアプローチは、持続可能な事業展開と現地社会への貢献の両面で重要です。これは、新興国市場における事業機会を模索する企業にとって、包括的な提案の価値を示す好例となります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-10
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