経済・産業トレンド

5月のCPI上昇率は前年同月比6.7%、燃料価格高騰を受け交通ストも発生

ケニア国家統計局は5月、消費者物価指数が前年同月比6.7%上昇したと発表。中央銀行の目標レンジ内ながら加速傾向を示した。燃料価格高騰を受け、エネルギー・石油規制庁がガソリン・軽油の上限小売価格を大幅に引き上げたことで、交通関連事業者による全国規模のストライキが発生。その後、価格構成の見直しが行われ、ストは一時停止された。スタンビック銀行は5月の製造業PMIが46.6と3カ月連続で50を下回ったと発表し、交通ストが経済活動を制約したと指摘。中央銀行は政策金利を8.75%に据え置いた。

この発表の要点

企業・自治体への影響

ケニアに進出している企業、特に製造業、物流、消費財関連企業は、燃料価格高騰による運営コスト増加や、交通ストライキによるサプライチェーンの混乱に直面する可能性があります。インフレと景況感の悪化は、経済活動全般に影響を及ぼし、事業計画の見直しが必要となる場合があります。

対応すべきこと

対応優先度:  ケニアの経済状況、特にインフレと燃料価格高騰、それに伴う交通ストライキが現地事業に影響を及ぼす可能性があるため。

対象部門: 経営者 経理 総務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(JETRO)
発表日 2026-06-17
分類 経済・産業トレンド
地域 ケニア

発表された内容

2026年06月17日

ケニア国家統計局(KNBS)は5月29日、5月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比6.7%だったと発表した。ケニア中央銀行(CBK)の定めるターゲットレンジ(2.5~7.5%)内の水準を維持したものの、前月の5.6%から上昇し加速傾向となった。上昇率を主な項目別にみると、食品・非アルコール飲料が9.4%、交通が16.5%、住宅・水・電気・ガス・その他燃料が3.4%だった。

エネルギー・石油規制庁(EPRA)は5月14日、中東情勢による国際原油価格の上昇を反映し、翌15日からのガソリン・軽油・灯油の上限小売価格改定を発表した。ガソリンを1リットル当たり16.65ケニア・シリング(約18円、1シリング=約1.1円)、軽油を46.29シリング引き上げ、ナイロビの小売価格はそれぞれ214.25シリング、242.92シリングとなった(灯油は据え置き)。この大幅な引き上げに対し、5月18日にはマタツ(ミニバス)や二輪、配車サービスなどの交通関連事業者らが全国規模のストライキを強行し、一部都市で道路封鎖が発生した。その後、EPRAは公共交通事業者からの申し立てを受け、5月19日から軽油と灯油の価格差縮小に向けた価格構成の見直しを実施。ストは政府との協議を条件に一時停止された。

ケニアのスタンビック銀行は6月4日、5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)を46.6と発表した。前月から2.8ポイント低下し、景気判断の境目となる50を3カ月連続で下回っており、生産・新規受注がともに減少した。同行は、上述のマタツなどを中心としたストも経済活動を制約したとしている。

CBKの金融政策委員会(MPC)は6月9日、政策金利を8.75%に据え置くことを決定した。燃料価格高騰に伴う物価上昇リスクはあるものの、インフレ率が依然としてターゲットレンジ内にあることから、従来の金融引き締め姿勢を維持した。通貨ケニア・シリングは1ドル=129~130シリング前後で推移している。

(石川晶一)

(ケニア)

ビジネス短信 3811776b18f880f2

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5月のCPI上昇率は前年同月比6.7%、燃料価格高騰を受け交通ストも発生

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出典: JETRO ビジネス短信
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/3811776b18f880f2.html

時系列

主な数値

5月の消費者物価指数(CPI)上昇率 6.7%
CPIターゲットレンジ下限 2.5%
CPIターゲットレンジ上限 7.5%
前月のCPI上昇率 5.6%
食品・非アルコール飲料のCPI上昇率 9.4%
交通のCPI上昇率 16.5%
住宅・水・電気・ガス・その他燃料のCPI上昇率 3.4%
ガソリン1リットル当たり引き上げ幅 16.65ケニア・シリング
軽油1リットル当たり引き上げ幅 46.29ケニア・シリング
ナイロビのガソリン小売価格 214.25ケニア・シリング
ナイロビの軽油小売価格 242.92ケニア・シリング
5月の製造業購買担当者景気指数(PMI) 46.6ポイント
PMI低下幅 2.8ポイント
政策金利 8.75%
ケニア・シリング対ドル為替レート下限 129シリング
ケニア・シリング対ドル為替レート上限 130シリング

この事例から確認すべきポイント

本発表は、ケニア経済が燃料価格高騰とそれに伴うインフレ圧力、さらには交通ストライキといった複合的な課題に直面している状況を示唆しています。CPIの上昇加速は家計の購買力に影響を与え、特に交通費の急増は市民生活と経済活動に直接的な打撃を与えました。製造業PMIの低迷は、これらの要因が生産活動や新規受注に悪影響を及ぼしていることを裏付けています。中央銀行が政策金利を据え置いた背景には、インフレが目標レンジ内にあるものの、燃料価格高騰による物価上昇リスクを警戒しつつ、経済活動のさらなる冷え込みを避けたい意図が読み取れます。企業は、サプライチェーンの混乱、コスト増、消費者心理の悪化といったリスクを考慮し、事業継続計画やリスク管理体制を再評価する必要があります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-17

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