第2四半期の米GDP成長率は前期比年率1.5%に減速、予想下回るも個人消費と設備投資は堅調な伸び
この発表の要点
- 米国の2026年第2四半期実質GDP成長率は前期比年率1.5%に減速し、市場予想を下回った。
- 個人消費支出と設備投資は堅調に推移し、特にAI・データセンター関連投資が伸びを牽引した。
- AI・データセンター関連財の輸入増加がGDP成長率減速の一因となった。
企業・自治体への影響
米国市場で事業を展開する企業、特にテクノロジー(AI、データセンター、半導体、通信機器、ソフトウェア)、小売、物流業界の企業は、堅調な国内需要と投資トレンドを注視すべきです。国際貿易を行う企業は、AI関連財の輸入増加がサプライチェーンや競争環境に与える影響を分析する必要があります。
対応すべきこと
- 米国経済の動向、特に個人消費と設備投資のトレンドを継続的に監視する。
- AI・データセンター関連市場の成長機会を評価し、自社の事業戦略に反映させる。
- 輸入動向、特に技術関連財の増加が自社のサプライチェーンや競争環境に与える影響を分析する。
- 関連する経済指標や政府発表を定期的に確認し、事業計画に織り込む。
対象部門: 経営者 経理 広報 情シス
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-31 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月31日
添付資料(155 KB)
米国商務省が7月30日に発表した2026年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(速報値)は前期比年率1.5%となり、第1四半期(2.1%、改定値)から減速した(添付資料表、図参照)。市場予想(2.1%)も下回った。個人消費支出(PCE)は堅調に推移したものの、人工知能(AI)・データセンター関連財の輸入が増えたことが響いた。
需要項目別にみると、外需では、輸入が前期比年率11.5%増と第1四半期に続いて大きく伸びた。AI・データセンター関連財である半導体や通信機器などの輸入が顕著に増加した。輸入が輸出(4.5%増)の伸びを上回り、純輸出の寄与度はマイナス1.0ポイントとなった。
これに対して、内需は堅調な推移をみせた。GDPから純輸出、政府消費(前期比年率0.8%減、寄与度マイナス0.1ポイント、注1)、在庫投資(寄与度マイナス0.7ポイント)を除いた民間国内最終需要(注2)は3.9%増と、2023年第1四半期(4.6%増)以来の伸びを記録した。
個人消費支出は前期比年率3.2%増、寄与度2.1ポイントで、前期から伸びが加速した。2~4月にかけて減少がみられた実質可処分所得が、5、6月はプラスに転じており、消費の拡大に寄与した可能性がある。財部門では、自動車(消費内寄与度0.4ポイント)などが牽引した耐久消費財(同0.9ポイント)が6.8%増、食品や衣類など幅広い品目が安定的に推移した非耐久財(同0.9ポイント)が4.4%増と双方が堅調に推移した。その結果、財全体では5.2%増、寄与度1.1ポイントとなった。サービス部門では食品関連サービス(消費内寄与度0.3ポイント)や輸送サービス(同0.2ポイント)を筆頭に幅広い業種で伸びがみられ、全体では2.2%増、寄与度1.0ポイントとなった。
設備投資は前期比年率8.4%増、寄与度1.2ポイントと、引き続き高い水準を記録した。特にデータセンター(設備投資内寄与度0.6ポイント)に加え、情報関連機器(同1.6ポイント)、ソフトウエア(同2.8%)の設備投資内寄与度が計5.0ポイントと、AI・データセンター関連投資が伸びを牽引した。さらに、産業用機器といった情報関連を除く機器も伸びがプラスに転じており、産業間の投資の偏りは前期よりも減少したといえる。
住宅投資は前期比年率1.5%増と、2024年第4四半期以来の増加となった。一方で、在庫投資は寄与度がマイナス0.7ポイントと、成長率の押し下げに寄与した。
(注1)2025年第4四半期に発生した政府閉鎖により、2026年第1四半期の政府消費は反動増となった(2026年5月7日記事参照)。当期の政府消費の伸び率は、この反動増を含む水準と比較した値であることに注意を要する。
(注2)家計と企業による国内での最終需要を示す指標。政府支出、在庫投資、純輸出などを除いており、政策による一時的な影響が大きい局面では、民間需要の実勢をより正確に反映するとされる。
(滝本慎一郎)
(米国)
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第2四半期の米GDP成長率は前期比年率1.5%に減速、予想下回るも個人消費と設備投資は堅調な伸び
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/151e825a2f1c70d8.html
時系列
- 2026-07-30 米国商務省が2026年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(速報値)を発表
- 2026-07-31 本記事が公開
主な数値
| 2026年第2四半期実質GDP成長率(速報値) | 1.5% |
|---|---|
| 2026年第1四半期実質GDP成長率(改定値) | 2.1% |
| 市場予想 | 2.1% |
| 輸入伸び率 | 11.5%増 |
| 輸出伸び率 | 4.5%増 |
| 純輸出の寄与度 | -1.0ポイント |
| 政府消費伸び率 | 0.8%減 |
| 政府消費寄与度 | -0.1ポイント |
| 在庫投資寄与度 | -0.7ポイント |
| 民間国内最終需要伸び率 | 3.9%増 |
| 個人消費支出伸び率 | 3.2%増 |
| 個人消費支出寄与度 | 2.1ポイント |
| 耐久消費財伸び率 | 6.8%増 |
| 耐久消費財(消費内寄与度) | 0.9ポイント |
| 自動車(消費内寄与度) | 0.4ポイント |
| 非耐久財伸び率 | 4.4%増 |
| 非耐久財(消費内寄与度) | 0.9ポイント |
| 財全体伸び率 | 5.2%増 |
| 財全体寄与度 | 1.1ポイント |
| サービス部門伸び率 | 2.2%増 |
| サービス部門寄与度 | 1.0ポイント |
| 食品関連サービス(消費内寄与度) | 0.3ポイント |
| 輸送サービス(消費内寄与度) | 0.2ポイント |
| 設備投資伸び率 | 8.4%増 |
| 設備投資寄与度 | 1.2ポイント |
| データセンター(設備投資内寄与度) | 0.6ポイント |
| 情報関連機器(設備投資内寄与度) | 1.6ポイント |
| ソフトウエア(設備投資内寄与度) | 2.8ポイント |
| AI・データセンター関連投資の設備投資内寄与度合計 | 5.0ポイント |
| 住宅投資伸び率 | 1.5%増 |
この事例から確認すべきポイント
米国経済の2026年第2四半期は、GDP成長率が市場予想を下回る減速を見せたものの、内需は堅調に推移しました。特に個人消費と設備投資が力強く、AI・データセンター関連投資がその主要な牽引役となっています。一方で、AI・データセンター関連財の輸入増加が純輸出のマイナス寄与を通じてGDP成長率を押し下げた点は注目すべきです。企業は、米国市場における技術投資の活発化と消費動向を注視し、サプライチェーンや事業戦略に与える影響を評価する必要があります。また、輸入動向が国内経済指標に与える影響を理解し、グローバルな視点での事業展開を検討する上で重要な情報となります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-31
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