2050年までに世界のエネルギー需要が約23%増加の予測、OPEC報告書
この発表の要点
- OPECは2050年までに世界のエネルギー需要が約23%増加し、石油需要が日量1億2,400万バレルに達すると予測。
- OPECは2026年から2050年にかけて石油分野に年間7,000億ドル以上の投資が必要と強調。
- 国際エネルギー機関(IEA)は2026年の世界の石油需要が前年比で日量110万バレル減少すると予測し、中東情勢悪化が供給に影響を与えている。
企業・自治体への影響
エネルギー関連企業は、長期的な需要増加と短期的な地政学リスクによる市場変動の両面を考慮した事業戦略が求められます。製造業や物流業など燃料コストに影響を受ける企業は、調達戦略やコスト管理の見直しが必要となる可能性があります。
対応すべきこと
- OPECおよびIEAの最新のエネルギー市場予測を定期的に確認する。
- 燃料調達部門は、中東情勢を含む地政学的リスクが燃料価格や供給に与える影響を評価し、リスクヘッジ戦略を検討する。
- 長期的なエネルギー転換を見据え、事業ポートフォリオや投資計画への影響を経営層で議論する。
対象部門: 経営者 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | エネルギー |
| 発表日 | 2026-06-19 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
| 地域 | 世界 |
発表された内容
2026年06月19日
OPECは6月18日、世界の石油・エネルギー分野に関する報告書「世界石油見通し2026」に関するプレスリリースを発表した。同報告書によると、2050年までに世界のエネルギー需要が約23%増加し、世界の石油需要が日量1億2,400万バレルに達するとの予測だ。
また、同報告書では、世界中の数十億の人々に対する近代的なエネルギーサービスへのアクセス拡大の必要性、およびエネルギー分野における投資の確保などの重要性を強調した。
OPEC事務局長のハイサム・アル・ガイス氏は、「人類のエネルギー需要の規模を考えると、あらゆるエネルギー源と技術に対して持続的な投資が必要だ。石油だけでも、長期的な需要を満たすためには、2026年から2050年にかけて17兆7,000億ドル、つまり年間7,000億ドル以上の投資が必要となる」と主張している。
2026年は石油需要が減少の見込み
OPECが長期的には石油需要を見込む一方、国際エネルギー機関(IEA)は、2026年6月17日付の石油月報において、2026年の世界の石油需要は前年比で日量110万バレル減少との見込みを示した。特に中東情勢悪化による燃料価格高騰や製品供給の混乱により、2026年第2四半期の供給量は前年同期比で日量500万バレル急減し、前月(5月)報告書から比べても70万バレル下方修正されたという。2027年には貿易の正常化、原油価格下落、経済の改善が石油需要回復に寄与し、需要の伸びは日量200万バレルを見込むとした。
また、米国エネルギー情報局(EIA)は、世界的な石油需要の減少が、ホルムズ海峡の混乱による原油価格上昇を抑制するとの見通しを示した(2026年6月17日記事参照)。
なお、中東情勢悪化は、世界のエネルギー動向に大きな影響を与えた(2026年6月19日付地域・分析レポート「ホルムズ海峡封鎖後の中東におけるエネルギー動向」参照)。米国とイランは軍事行動終結などの合意に関する覚書に署名した(2026年6月15日記事参照)ものの、状況は不透明だ。
中東情勢は流動的であり、中東と世界各国の最新動向は、特集「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」を参照。
(井澤壌士)
(中東、世界)
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2050年までに世界のエネルギー需要が約23%増加の予測、OPEC報告書
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/cbf4eadc1e15724a.html
時系列
- 2026-06-15 米国とイランが軍事行動終結などの合意に関する覚書に署名
- 2026-06-17 国際エネルギー機関(IEA)が石油月報を発表し、2026年の世界の石油需要が前年比で日量110万バレル減少との見込みを示す
- 2026-06-17 米国エネルギー情報局(EIA)が世界的な石油需要の減少が原油価格上昇を抑制するとの見通しを示す
- 2026-06-18 OPECが「世界石油見通し2026」に関するプレスリリースを発表
- 2026-06-19 日本貿易振興機構(ジェトロ)が本記事を公開
主な数値
| 2050年までの世界のエネルギー需要増加率 | 23% |
|---|---|
| 2050年までの世界の石油需要予測 | 12400万バレル/日 |
| 2026年から2050年までの石油分野への必要投資総額 | 17.7兆ドル |
| 2026年から2050年までの石油分野への年間必要投資額 | 7000億ドル |
| IEAによる2026年の世界の石油需要減少見込み | 110万バレル/日 |
| IEAによる2026年第2四半期の供給量急減 | 500万バレル/日 |
| IEAによる前月報告書からの下方修正 | 70万バレル |
| IEAによる2027年の石油需要伸び見込み | 200万バレル/日 |
この事例から確認すべきポイント
OPECが長期的なエネルギー需要の増加と大規模な投資の必要性を強調する一方で、IEAは短期的な石油需要の減少を予測しており、エネルギー市場の複雑な動向が示されています。特に中東情勢の不安定さが燃料価格や供給に直接影響を与え、短期的な市場変動の主要因となっている点は、企業が事業戦略を策定する上で重要です。エネルギー関連企業はもちろんのこと、燃料コストに大きく影響を受ける製造業や物流業なども、これらの予測を注視し、長期的なエネルギー転換への対応と、地政学的リスクによる短期的な供給・価格変動へのリスクヘッジを検討する必要があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-19
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