紅海で商船への攻撃が発生、原油価格は上昇
この発表の要点
- 国際海事機関(IMO)が紅海での商船攻撃を非難し、海上輸送の混乱と緊張の高まりを指摘。
- イエメンのフーシ派による船舶攻撃が世界の海運に影響を与え、中東情勢が緊迫化。
- 紅海情勢の緊迫化を受け、ブレント原油価格が7月23日に1バレル当たり100.69ドルまで上昇。
企業・自治体への影響
紅海での商船攻撃は、海運業における運航リスクとコストを増大させ、エネルギー関連企業には原油価格の変動による調達コストや販売価格への影響をもたらします。また、国際貿易に依存する製造業や小売業など、広範な業種でサプライチェーンの混乱や物流コストの上昇が懸念されます。経営層は地政学リスクを経営戦略に組み込む必要があり、経理部門はコスト変動、総務・広報部門は情報収集と対外発信に備える必要があります。
対応すべきこと
- 紅海情勢に関する国際機関や各国政府の発表を継続的に監視する。
- 自社のサプライチェーンにおける紅海ルートへの依存度を確認し、代替輸送手段や調達先の検討を開始する。
- 原油価格の変動が自社の事業コストや製品価格に与える影響を評価し、対策を検討する。
- 関係部門(物流、調達、経理、経営企画など)と情報を共有し、リスク対応計画を更新する。
対象部門: 経営者 総務 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | 海運 / エネルギー |
| 発表日 | 2026-07-24 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月24日
国際海事機関(IMO)は7月23日に声明を発表し、同日紅海で発生した商船への攻撃を非難した。紅海は国際貿易において極めて重要な海上輸送路であるとし、同海域での商船への攻撃は緊張を高め、海上運送の混乱が深刻化すると指摘した。英国海事機関(UKMTO)は、7月5日、23日にそれぞれ紅海における商船攻撃を報告している。
紅海を巡っては、イエメンのフーシ派が2023年11月以来、バブ・エル・マンデブ海峡を通航する船舶への攻撃を実施し、世界の海運に影響を及ぼしてきた(2024年5月17日記事参照)。国連安保理の7月1日付報告によれば、米国・イスラエルとイラン間の衝突を受け、フーシ派は紅海を通るイスラエル関連船舶への攻撃可能性を示唆していた。7月13日、フーシ派とサウジアラビアの間で攻撃の応酬が発生すると、フーシ派は7月20日にサウジアラビア向け海上輸送の禁止措置を発動すると宣言した(7月13日、20日付ロイター通信)。これに対し、7月21日、湾岸協力会議(GCC)が非難声明を発表した。また、7月22日付ロイター通信は、米国のドナルド・トランプ大統領がフーシ派に対し、必要に応じて軍事的対応を取ると発言したと報じた。
中東情勢が緊迫化し、ホルムズ海峡の通航が事実上制限される中、サウジアラビアは紅海側の港を一部代替ルートとして利用している(2026年7月16日付地域・分析レポート参照)。米国とイランの間で攻撃の応酬が続く中、米国エネルギー情報局(EIA)によれば7月20日のブレント原油価格は1バレル当たり86.99ドルで、米国とイランが覚書に署名した6月17日以前の水準まで上昇した。ロンドン証券取引所のデータによればその後も上昇が続き、7月23日の終値は1バレル当たり100.69ドルに達した。紅海での船舶攻撃が継続されれば、油価へのさらなる影響が懸念される。
中東情勢の関連情報は、イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応を参照。
(塩川裕子)
(中東、サウジアラビア、イエメン)
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紅海で商船への攻撃が発生、原油価格は上昇
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/7d3c2a5057fd02b5.html
時系列
- 2023-11 イエメンのフーシ派がバブ・エル・マンデブ海峡を通航する船舶への攻撃を開始
- 2026-07-05 英国海事機関(UKMTO)が紅海における商船攻撃を報告
- 2026-07-13 フーシ派とサウジアラビアの間で攻撃の応酬が発生
- 2026-07-20 フーシ派がサウジアラビア向け海上輸送の禁止措置を発動すると宣言
- 2026-07-20 ブレント原油価格が1バレル当たり86.99ドルに上昇
- 2026-07-23 国際海事機関(IMO)が声明を発表し、同日紅海で発生した商船への攻撃を非難
- 2026-07-23 ブレント原油価格の終値が1バレル当たり100.69ドルに達する
主な数値
| ブレント原油価格(7月20日) | 86.99ドル/バレル |
|---|---|
| ブレント原油価格(7月23日終値) | 100.69ドル/バレル |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、地政学的リスクが国際貿易およびエネルギー市場に直接的な影響を及ぼす可能性を示しています。紅海は主要な海上輸送路であり、この地域での紛争はサプライチェーンの混乱、運賃の高騰、そして原油価格の変動に直結します。企業は、国際情勢の緊迫化が自社の物流コストや原材料調達に与える影響を継続的に監視し、代替ルートや調達先の多様化など、リスク軽減策を検討する必要があります。また、国際機関や各国政府の声明、報道を注視し、迅速な情報収集と対応計画の策定が重要です。特に海運業やエネルギー関連企業は、事業継続計画(BCP)において地政学リスクをより具体的に組み込む必要性が高まっています。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-24
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