OPEC、2026年の世界石油需要見通しを下方修正、2027年は上方修正
この発表の要点
- 2026年の世界石油需要見通しを前年比日量60万バレル増へ下方修正、2027年は同220万バレル増へ上方修正
- OPECプラスの2026年原油供給量を日量4,210万バレルに下方修正、2027年は日量4,360万バレルで据え置き
- 7月の原油価格は前月比で下落したものの、中東情勢の不確実性や米国の原油在庫減少によりファンダメンタルズは堅調と分析
企業・自治体への影響
エネルギー価格の変動を通じて、製造業、物流業、エネルギー関連企業のコスト計画や調達戦略に影響を及ぼす可能性がある。調達部門および経営企画部門において市場動向の継続的なモニタリングが必要となる。
対応すべきこと
- 公式発表および石油市場月報の数値を確認する
- 調達部門や経理部門においてエネルギー価格変動リスクのシナリオを再確認する
- 中東情勢等の最新の地政学リスク情報を関係部門へ共有する
対象部門: 経営者 総務 法務 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | OPEC |
|---|---|
| 業界 | エネルギー・石油 |
| 発表日 | 2026-08-24 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月24日
OPECは8月12日、石油市場月報(2026年8月)を発表した。世界の石油需要について、2026年は前年比で日量60万バレル増とし、前月見通し(2026年7月16日記事参照)から日量20万バレル引き下げた。一方、2027年については前年比日量220万バレル増とし、前月見通しから日量30万バレル上方修正した。
需要と供給の見通しを踏まえ、OPECプラス(注1)の協調減産参加国に求められる原油供給量を、2026年は日量4,210万バレルとし、前月予測から日量20万バレル下方修正した。2027年は日量4,360万バレルで据え置いた。
また、OPECプラス以外の原油や天然ガス液(NGL)などの生産については、2026年、2027年ともに前年比日量約60万バレル増加すると予測した。2026年はブラジル、米国、カナダ、アルゼンチン、2027年はカタール、カナダ、ブラジル、アルゼンチンが増産を主導すると見込んでいる。
OPECによると、原油価格(7月平均)は次のように変動した。
OPECバスケット価格(ORB、注2):1バレル当たり82.99ドル(前月比6.76ドル下落)
北海ブレント先物価格:同83.97ドル(前月比0.46ドル下落)
WTI先物価格:同79.22ドル(前月比2.57ドル下落)
価格は前月比で下落したものの、OPECは中東情勢を巡る不確実性が原油価格の変動要因となる中、供給混乱への警戒感から投機筋による買いが強まったと分析した。また、米国の原油在庫減少も原油価格を支える要因になっているとした。こうした市場環境を踏まえて石油市場の基礎的条件(ファンダメンタルズ)は引き続き堅調との見方を示した。
OPECによると、主な国の原油貿易動向は次のとおり。
米国:7月の原油輸入量が日量570万バレルと前月比で増加した一方、輸出量は日量350万バレルに減少した。
日本:6月の原油輸入量は、中東からの流入回復を背景に日量210万バレルと過去5年平均水準まで持ち直した。
中国:製油所による原油処理量の抑制が続いたことで、6月の原油輸入量は日量710万バレルまで減少した。
インド:原油輸入量は季節要因などを背景に日量480万バレルへ減少した。
在庫動向については、2026年6月時点のOECD加盟国の商業石油在庫が前月比2,640万バレル減の27億2,900万バレルとなった。在庫水準は前年同月および2015~2019年の平均を下回っているとした。
中東情勢をめぐる最新動向は「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」を参照。
(注1)OPECプラスは、OPEC加盟国に加え、ロシア、カザフスタン、アゼルバイジャン、メキシコ、オマーン、マレーシア、ブルネイ、バーレーン、南スーダン、スーダンなどのOPEC非加盟産油国で構成される。
(注2)OPEC加盟国の代表原油銘柄の価格を基に算出した平均価格指標。
(大家俊夫)
(中東、世界)
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OPEC、2026年の世界石油需要見通しを下方修正、2027年は上方修正
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/d3f3d6ac4501c0b7.html
時系列
- 2026-08-12 OPECが石油市場月報(2026年8月)を発表
主な数値
| 2026年世界石油需要(前年比増) | 60万バレル/日量 |
|---|---|
| 2027年世界石油需要(前年比増) | 220万バレル/日量 |
| OPECプラス協調減産参加国の原油供給量(2026年) | 4210万バレル/日量 |
| OPECプラス協調減産参加国の原油供給量(2027年) | 4360万バレル/日量 |
| OPECプラス以外の原油・NGL等生産増(2026・2027年) | 60万バレル/日量(前年比) |
| OPECバスケット価格(ORB)7月平均 | 82.99ドル/バレル |
| 北海ブレント先物価格7月平均 | 83.97ドル/バレル |
| WTI先物価格7月平均 | 79.22ドル/バレル |
| 米国原油輸入量(7月) | 570万バレル/日量 |
| 米国原油輸出量(7月) | 350万バレル/日量 |
| 日本原油輸入量(6月) | 210万バレル/日量 |
| 中国原油輸入量(6月) | 710万バレル/日量 |
| インド原油輸入量 | 480万バレル/日量 |
| OECD加盟国商業石油在庫(2026年6月時点) | 272900万バレル(27億2,900万バレル) |
この事例から確認すべきポイント
OPECによる中長期の石油需要見通しの修正は、エネルギーコストや製造業・物流業のサプライチェーンに直接的な影響を与える重要情報である。2026年の需要見通しが下方修正された一方で2027年は上方修正されており、中東情勢を巡る不確実性や投機筋の動向、主要国の輸入動向(日本における中東からの流入回復など)とあわせ、製造業やインフラ、調達部門においてはエネルギー価格のボラティリティを前提としたリスク管理やコスト予測の見直しが求められる。広報実務においては、エネルギー価格変動が自社の財務や製品価格に与える影響を正確に把握し、社内外への適切な情報共有を行うことが肝要である。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-24
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