経済・産業トレンド

在ロシア日系企業の景況感指数は上昇もマイナス圏、早期の事態好転への期待薄、ジェトロ調査

ジェトロが2026年6月に実施した在ロシア日系企業への景況感アンケートによると、直近の景況DIは前回調査から15ポイント上昇しマイナス40となりました。2カ月後の見通しDIも27ポイント上昇しマイナス28と改善傾向にあるものの、依然としてマイナス圏で推移しており、短期的な事態好転への期待は薄い状況です。今後1~2年の事業展開見通しでは「維持」が76.2%と過去最多を記録し、多くの企業が様子見の姿勢を続けています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

在ロシア事業を展開する、または検討している日系企業全般に影響があります。特に、ロシア市場の需要変動、中国製品との競合、サプライチェーンの混乱(例: ホルムズ海峡)といったリスク要因を事業戦略に組み込む必要性が高まります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理 法務 総務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ジェトロ
発表日 2026-07-17
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月17日

添付資料(202 KB)

ジェトロが6月4日から18日にかけて、ロシアのモスクワ・ジャパンクラブに加盟する117社・団体を対象に景況感アンケートを実施したところ(注1)、自社の直近の景況DI(注2)は前回2025年11月の調査時と比べて15ポイント上昇し、マイナス40となった(添付資料図参照)。景況感を「良い」とした企業は、その理由として「ロシア市場における需要拡大」や「本社・在欧統括会社などの対ロシアビジネス続行の意向」を挙げた。そのほか、ロシア国内に製造拠点を有する日系企業からは「中国向けの輸出が拡大している」とのコメントも聞かれた。

ただし、DIそのものは依然としてマイナスの状況が続いている。アンケートでは「悪い」「さほど良くない」の回答が大半を占めた。理由として、複数の企業が、ロシア経済の減速などを背景とした顧客の購買力低下を指摘。前回調査に続いて、中国の台頭も挙がった。ある企業は、中国製品の質の高まりから、並行輸入業者の中で西側ブランド品を見限る動きもあるとコメント。また今回の調査では、ホルムズ海峡の混乱への言及がみられた。

2カ月後の自社の景況見通しDIも、前回調査と比べて27ポイント上昇してマイナス28となったものの、低迷が続いている。日系企業の間で、短期にロシアのビジネス環境が好転するとの見込みは薄く、「2カ月で何かが大きく変わるとは考えにくい」「事態打開策が見えない以上、現状の停滞感が続くだろう」と悲観的な声が目立った。

今後1~2年の事業展開見通しについては、「維持」と回答した企業の割合が76.2%に上り過去最多となった。経済制裁などにより先行きが不透明な中、企業は活動量を落とした上で様子見の状況を続けている。今回の調査では、ロシア事業の再開予定に言及する企業もあった。

(注1)回答企業・団体数63、有効回答率53.8%。
(注2)景気動向指数とは、ディフュージョン・インデックス(Diffusion Index)の略。景況DIは、「良い」と回答した企業の比率から「悪い」とした比率を引いた数値。

(欧州課)

(ロシア、日本)

ビジネス短信 bbc33c8d32bd445f

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在ロシア日系企業の景況感指数は上昇もマイナス圏、早期の事態好転への期待薄、ジェトロ調査

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/bbc33c8d32bd445f.html

時系列

主な数値

調査対象企業・団体数 117社・団体
回答企業・団体数 63社・団体
有効回答率 53.8%
直近の景況DI(今回) -40ポイント
直近の景況DI(前回からの上昇幅) 15ポイント
2カ月後の景況見通しDI(今回) -28ポイント
2カ月後の景況見通しDI(前回からの上昇幅) 27ポイント
今後1~2年の事業展開見通し「維持」の割合 76.2%

この事例から確認すべきポイント

今回のジェトロ調査は、在ロシア日系企業の景況感が依然として厳しい状況にあることを示しています。景況DIは前回調査から改善したものの、依然としてマイナス圏にあり、短期的なビジネス環境の好転を期待する声は少ないことが浮き彫りになりました。需要拡大や本社の方針継続を好材料とする企業がある一方で、ロシア経済の減速による顧客購買力低下、中国製品の台頭、さらにはホルムズ海峡の混乱といった地政学的リスクが懸念材料として挙げられています。今後1~2年の事業展開見通しで「維持」が過去最多の76.2%に達したことは、多くの企業が経済制裁や先行き不透明感の中で、事業活動を縮小しつつも撤退せず、様子見の姿勢を続けている現状を反映していると分析できます。企業は、ロシア市場の動向、競合環境、サプライチェーンリスクを継続的に監視し、柔軟な事業戦略を構築する必要があるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-17

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