国際海事機関、オマーンや関係国と連携し、ホルムズ海峡の通航に関する臨時回廊を設定と発表
この発表の要点
- 国際海事機関(IMO)は、米国とイランの覚書署名を受け、ペルシャ湾内の1万1,000人以上の船員・船舶を対象とした避難計画に着手した。
- オマーン政府は、ホルムズ海峡通航時に沿岸国への通知を条件に、通航料なしで臨時回廊を一時的に利用可能とする通告を示した。
- オマーンとイランは、ホルムズ海峡の航行管理やサービス提供に関する共同声明に合意し、合同作業部会を通じて対話を継続する。
企業・自治体への影響
国際海運業、特に中東地域を航行する船舶を運航する企業は、航行ルート、安全管理体制、および緊急時対応計画の見直しが求められます。また、通航料の有無や通知義務など、新たな運航ルールが設定されるため、運航コストや手続きに影響が出る可能性があります。
対応すべきこと
- 国際海事機関(IMO)および関係国の公式発表を継続的に確認し、最新の航行情報や規制変更を把握する。
- 自社の運航船舶がホルムズ海峡を通航する場合、オマーンなど沿岸国への通知義務や臨時回廊の利用条件を確認し、必要な手続きを遵守する。
- 関係部門(運航管理、安全管理、法務など)と情報を共有し、緊急時対応計画やリスクアセスメントを更新する。
- 中東情勢の動向を注視し、サプライチェーンへの潜在的な影響を評価する。
対象部門: 経営者 法務 広報 経理 総務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 国際海事機関(IMO) |
|---|---|
| 業界 | 海運 |
| 発表日 | 2026-06-23 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月24日
国際海事機関(IMO)の6月23日付の発表によると、米国とイランが覚書に署名(2026年6月19日記事参照)したことを受け、ペルシャ湾内にとどまる1万1,000人以上の船員や船舶を対象とした避難計画の実施に着手するとした。同計画は、IMOとイラン、オマーンや周辺国、米国および海運業界が連携して実施するという。
オマーン政府は同計画について、船舶がホルムズ海峡の通航時にオマーンなど沿岸国に通知することで、通航料を課すことなく、指定の臨時回廊を一時的に通航できるようにするとの通告(Navigation Warning Promulgation Request)をIMOのウェブサイト上で示した。また、航行の安全は最優先事項だが、現在の状況下では衝突のリスクが高まっているため、IMOや関係国と連携し、船舶通航の段階的かつ管理された避難が必要とした。
また、オマーン外務省は6月23日、イランのモハンマド・バーゲル・ガリバフ国会議長およびアッバース・アラーグチー外相の訪問を受け、米国とイランの覚書に関して支持を表明するとともに、ホルムズ海峡に関するイランとの共同声明に合意したと発表した。同声明では、国際基準に基づく、ホルムズ海峡における将来の航行の管理やサービス提供および、それらに伴う費用について、両国の外務省間の合同作業部会を通じて対話を継続する点で合意したとした。加えて、海上安全、航行の自由、地域の安定を促進するための継続的な協力の重要性を強調した。
なお、英国海事機関(UKMTO)は6月23日付の通告において、現在ペルシャ湾地域で運航中の船舶を支援するため、IMOが調整するプロセスを支持しているとした。
ホルムズ海峡通航数も5月より増加
IMOによると、6月22日のホルムズ海峡通航隻数は24.8隻だった。また、IMFと英国のオックスフォード大学が共同で開発した船舶自動認識装置(AIS)情報を基に船舶データを提供する「ポートウオッチ」によると、6月15日から21日までの1週間におけるホルムズ海峡における通航隻数(1日当たり)の平均は13.1隻で、2025年の1日当たり平均の93.7隻、前年同期の103.9隻から激減している。一方、4月の1日当たりの平均7.6隻、5月の4.8隻からは増加した。なお、同通航隻数データにおいては、船舶がAISを切って通航した場合や通信障害などで計上されない場合もある。
中東情勢と世界各国の動きは「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」も参照。
(井澤壌士)
(中東、世界、イラン、オマーン)
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国際海事機関、オマーンや関係国と連携し、ホルムズ海峡の通航に関する臨時回廊を設定と発表
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/4cef2f1c01a1ed25.html
時系列
- 2026-06-19 米国とイランが覚書に署名
- 2026-06-23 国際海事機関(IMO)がペルシャ湾内の船員・船舶を対象とした避難計画の実施に着手すると発表
- 2026-06-23 オマーン政府がIMOウェブサイト上でホルムズ海峡の臨時回廊に関する通告(Navigation Warning Promulgation Request)を示す
- 2026-06-23 オマーン外務省がイランとの共同声明に合意したと発表
- 2026-06-23 英国海事機関(UKMTO)がIMOが調整するプロセスを支持する通告を発出
主な数値
| 避難計画の対象船員・船舶数 | 11000人・隻 |
|---|---|
| ホルムズ海峡通航隻数(6月22日) | 24.8隻 |
| ホルムズ海峡通航隻数(6月15日~21日平均) | 13.1隻/日 |
| ホルムズ海峡通航隻数(2025年1日当たり平均) | 93.7隻/日 |
| ホルムズ海峡通航隻数(前年同期1日当たり平均) | 103.9隻/日 |
| ホルムズ海峡通航隻数(4月1日当たり平均) | 7.6隻/日 |
| ホルムズ海峡通航隻数(5月1日当たり平均) | 4.8隻/日 |
この事例から確認すべきポイント
この事例は、地政学的状況が国際海運に直接的な影響を与えることを明確に示しています。国際海事機関(IMO)が関係国と連携して避難計画や臨時回廊を設定する動きは、紛争地域における航行安全確保のための国際協力の重要性を浮き彫りにします。ホルムズ海峡の通航隻数の変動は、地域の安定性が海上物流に与える影響の大きさを物語っており、海運企業は常に最新の情報を基に運航計画を見直す必要があります。特に、沿岸国への通知義務や通航料の有無といった新たなルールは、運航コストや手続きに直結するため、詳細な確認が不可欠です。国際機関や各国政府間の合意形成プロセスは、今後の航行環境を予測する上で重要な指標となります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-24
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