アルジェリア、短期間でFATFグレーリストから除外
この発表の要点
- アルジェリアが金融活動作業部会(FATF)の監視強化対象国(グレーリスト)から除外された。
- 除外は、マネーロンダリング・テロ資金供与対策の行動計画上のコミットメント履行と体制強化による。
- グレーリストからの除外は、国際的信認の向上と海外直接投資の呼び込みにつながるとされる。
企業・自治体への影響
国際的な金融取引を行う企業は、事業展開先の国・地域のFATFステータス変動が、その国の経済的信認や金融取引の安定性に与える影響を認識する必要があります。特に、アルジェリアへの投資や取引を検討している企業は、同国のビジネス環境改善の可能性を考慮すべきです。
対応すべきこと
- 国際取引を行う企業は、取引先の国・地域のFATFグレーリスト状況を定期的に確認する。
- アルジェリアとの取引がある、または検討している企業は、同国の金融規制環境の変化を注視する。
- マネーロンダリング・テロ資金供与対策に関する自社のコンプライアンス体制を再確認する。
- 関連部門(法務、経理、海外事業部門など)へ本情報を共有し、影響を検討する。
対象部門: 経営者 法務 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 発表日 | 2026-06-29 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月29日
マネーロンダリング(資金洗浄)、テロ資金調達、拡散金融(注)を監視する国際組織である金融活動作業部会(FATF)は6月19日、アルジェリアを監視強化対象国・地域(グレーリスト)から除外したと発表した。
監視強化対象に置かれた国・地域は、指摘された戦略上の欠陥を合意された期限内に是正する必要がある。グレーリスト入りは海外直接投資の減少など、当該国の経済、金融取引に直接的な影響を及ぼすとされる。反対に、FATFによる強化監視が終了すると、当該国は国際的な信認が高まり、海外直接投資の呼び込みや経済取引の安定化につながるとされる。
アルジェリア政府は、2024年10月にFATFのグレーリスト対象となった際、リスクベース監督の強化、実質的支配者情報の整備、疑わしい取引の届出制度の改善、テロ資金供与に関する金融制裁枠組みの構築、非営利団体へのリスクベース監督の導入の5項目について、行動計画に沿った措置を講じることを約束していた。FATFは、今回アルジェリアがグレーリストから除外されたのは、これらの戦略上の欠陥に関する行動計画上のコミットメントを履行し、資金洗浄、テロ資金供与対策体制の実効性を強化したためとしている。
アブデルマジド・テブン大統領は、「今回の決定は、アルジェリアが資金洗浄や資本移動に関連する犯罪の時代から、最終的かつ不可逆的に脱却したことを示す国際的な評価である」と述べた。同国の金融規制の専門家は、国営通信社「アルジェリア・プレス・サービス」において、テブン大統領が就任した2019年以降、政府が経済・金融分野の透明性向上や投資環境の改善を目的とした改革を継続しており(2021年2月10日付地域・分析レポート、2024年6月21日記事参照)、今回の迅速な対応も、国際的信認の回復とビジネス環境の整備を重視する政策方針の一環であると指摘している。ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)は6月23日付報道で、短期間でグレーリストから除外された国は極めて少ない中、アルジェリアは2年以内で除外に至ったことは、同国が経済的信認の向上を優先課題とする姿勢を鮮明にし、新たな局面を迎えていることを示すと指摘した。
なお、今回アルジェリアと同時にナミビアもグレーリストからの除外が発表されているが、アフリカ大陸では依然としてアンゴラ、カメルーン、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ケニア、南スーダンの6カ国が同リストにとどまっている。
(注)拡散金融とは、大量破壊兵器の開発、保有、輸出などに関わる人物や団体に対して、資金や金融サービスを提供すること。
(ピエリック・グルニエ)
(アルジェリア、ナミビア、アンゴラ、カメルーン、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ケニア、南スーダン共和国)
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アルジェリア、短期間でFATFグレーリストから除外
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/106038660a1a1235.html
時系列
- 2024-10 アルジェリアがFATFのグレーリスト対象となる。
- 2026-06-19 金融活動作業部会(FATF)がアルジェリアを監視強化対象国・地域(グレーリスト)から除外したと発表。
- 2026-06-23 ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)が、アルジェリアが2年以内でグレーリストから除外されたことを報道。
- 2026-06-29 ジェトロが本記事を公開。
主な数値
| グレーリストからの除外期間 | 2年以内 |
|---|---|
| アフリカ大陸でグレーリストにとどまる国数 | 6カ国 |
この事例から確認すべきポイント
金融活動作業部会(FATF)のグレーリストからの除外は、対象国の国際的な経済的信認と金融取引の安定性に直接的な影響を与える重要な出来事です。アルジェリアが短期間で除外された事例は、同国政府がマネーロンダリングやテロ資金供与対策の国際基準にコミットし、行動計画を迅速かつ実効的に履行した結果と評価できます。これは、国際社会において、これらの対策が海外直接投資の誘致や経済取引の円滑化に不可欠であることを明確に示しています。企業は、事業展開を検討する国・地域のFATFステータスを常に確認し、関連する金融規制やコンプライアンス体制の動向を注視する必要があります。特に、国際的な金融取引を行う企業にとっては、対象国の規制環境がビジネスリスクに直結するため、継続的な情報収集と内部統制の強化が求められます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-29
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