フィンランド、国籍取得条件の厳格化で、市民権試験を2027年から導入
この発表の要点
- フィンランドは2027年初頭から市民権試験を導入し、国籍取得条件を厳格化する。
- 国籍取得の居住期間は8年に延長され、品行・経済的資力要件も厳格化される。
- 永住許可の取得要件も2026年1月から厳格化され、居住期間の延長や語学能力、所得、就労歴に関する新たな条件が導入された。
企業・自治体への影響
フィンランドで事業を展開する企業や、フィンランドへの移住・就労を検討する個人に直接的な影響がある。特に、外国人材の雇用を計画・実施している企業は、従業員の永住許可や国籍取得にかかる期間や要件が変更されるため、人事戦略や採用計画の見直しが必要となる可能性がある。関連する部門は、人事、総務、法務部門。
対応すべきこと
- フィンランドでの外国人材雇用に関わる部門(人事、総務、法務)へ本発表内容を共有する。
- フィンランドへの移住・就労を希望する従業員や候補者に対し、最新の国籍取得・永住許可要件を周知する。
- 公式出典(フィンランド内務省等)にて、市民権試験の詳細や各要件の具体的な適用範囲を確認する。
- 2027年1月1日の市民権法改正施行日および2027年3月1日の市民権試験正式導入日を管理し、対応計画を策定する。
対象部門: 経営者 総務 法務 人事
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-03 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月03日
フィンランド内務省は6月16日、2027年初頭から市民権試験を導入すると発表した(注1)。
フィンランド国籍の取得条件を厳格化する「市民権法」の広範な改正は3つのフェーズで行われ、2024年10月に国籍取得のため居住期間を8年に延長(フェーズ1)、2025年12月に品行要件の厳格化および十分な経済的資力に関する規定の改正(フェーズ2)が行われており、市民権試験は最終段階(フェーズ3)にあたる。今回の改正により、市民権申請者は同国市民としての知識を証明するため、フィンランド社会に関する主要な法令や歴史・文化などを網羅する市民権試験に合格するか、あるいはフィンランド語またはスウェーデン語による大学入試に合格、もしくは大学の学位を取得する必要がある。
永住許可の取得要件も厳格化
2026年1月には永住許可に関する外国人法の改正が施行され、フィンランド永住許可の取得要件が厳格化された。主な変更は次のとおり。
(1)永住許可に必要な連続居住期間が4年から6年に延長。
〇フィンランドに6年間居住し、同国での就労歴が2年以上あり、かつフィンランド語またはスウェーデン語の語学能力が欧州言語共通参照枠(CEFR)B1レベル相当に達していること。
〇次のいずれかの要件を満たす場合は、居住期間が4年で取得できる。
年間所得が4万ユーロ以上。
フィンランドで認められた海外の修士号、博士号またはリセンシエート(修士と博士の間の学位)を有し、かつ同国で2年間の就労歴がある。
フィンランド語またはスウェーデン語の語学能力が特に優れており(CEFR C1レベル相当)、かつフィンランドで3年間の就労歴がある。
〇所定の就労期間中、失業保険または生活保護の受給期間が合計3カ月を超えていないこと。
(2)EU加盟国、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン、スイス以外の国民が長期滞在者向けEU居住許可証(P-EU)を申請する場合、P-EU取得のためのその他の要件に加え(注2)、フィンランド語またはスウェーデン語のB2レベル相当の語学能力要件も満たす必要がある。
(3)フィンランドで修士号、リセンシエート、博士号、もしくは学士号を取得している場合、フィンランド語またはスウェーデン語の語学能力がA2レベル相当であること、もしくは高等教育機関で同言語の履修単位を15単位取得済みであること。
(4)国内外で執行猶予のない実刑判決を言い渡された場合、居住期間の算定は中断され、刑期満了後に最初から再計算される。
(注1)改正法は2027年1月1日から施行するが、試験は1月1日から2月28日までが移行期間、正式な導入は3月1日以降の申請が対象。
(注2)詳細は“P-EU permit (long-term resident’s EU residence permit for third-country nationals)”を参照。
(バリオ純枝、半井麻美)
(フィンランド、EU)
ビジネス短信 288351b0cbb2147e
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フィンランド、国籍取得条件の厳格化で、市民権試験を2027年から導入
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/288351b0cbb2147e.html
時系列
- 2024-10 国籍取得のため居住期間を8年に延長(市民権法改正フェーズ1)
- 2025-12 品行要件の厳格化および十分な経済的資力に関する規定の改正(市民権法改正フェーズ2)
- 2026-01-01 永住許可に関する外国人法の改正が施行
- 2026-06-16 フィンランド内務省が2027年初頭からの市民権試験導入を発表
- 2027-01-01 市民権法改正が施行、市民権試験の移行期間開始
- 2027-03-01 市民権試験が正式導入、以降の申請が対象
主な数値
| 国籍取得の居住期間延長 | 8年 |
|---|---|
| 永住許可の連続居住期間延長 | 6年 |
| 永住許可(4年取得)の年間所得要件 | 40000ユーロ |
| 永住許可の失業保険・生活保護受給期間上限 | 3カ月 |
| 永住許可(6年居住)の語学能力要件 | B1レベル相当 |
| 永住許可(4年居住、C1レベル)の語学能力要件 | C1レベル相当 |
| P-EU申請の語学能力要件 | B2レベル相当 |
| 高等教育機関卒業者の語学能力要件 | A2レベル相当 |
| 高等教育機関卒業者の語学単位要件 | 15単位 |
この事例から確認すべきポイント
フィンランドの国籍取得および永住許可要件の厳格化は、同国への移住を検討する個人や、現地で外国籍人材を雇用する企業にとって重要な変更点となる。特に、居住期間の延長、語学能力の必須化、経済的資力や品行要件の厳格化は、申請準備期間や必要となるリソースに大きな影響を与える。市民権試験の導入は、フィンランド社会への統合をより重視する姿勢の表れであり、申請者は法令、歴史、文化に関する深い理解が求められる。企業は、外国人従業員の永住権取得支援や、将来的な国籍取得を見据えたキャリアプランニングにおいて、これらの新要件を考慮に入れる必要がある。また、失業保険や生活保護の受給期間に関する規定は、雇用安定性も永住許可の判断基準となることを示唆している。現時点で取得できた本文からは、各要件の詳細な適用範囲や例外規定、具体的な試験内容については確認できませんでした。詳細は公式出典をご確認ください。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-03
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