上半期のメキシコ対内直接投資は過去最高に、電子機器分野などが牽引
この発表の要点
- 2026年上半期の対内直接投資額は349億6,800万ドルで前年同期比2.1%増となり、上半期として過去最高を更新。
- 既進出企業による利益再投資(88.5%)が投資を牽引し、中国や台湾からの投資が大幅に増加。
- 日本からの投資は前年同期比10.0%減の13億ドルとなり、順位が4位から6位に低下。
企業・自治体への影響
メキシコに進出している、または進出を計画している製造業、電子機器関連、自動車関連、物流・インフラ関連企業の経営企画・海外事業部門に対し、現地の地域別・産業別の投資トレンドやサプライチェーンの変化に関する重要情報を提供する。
対応すべきこと
- 公式発表および詳細データを確認し、自社の事業展開地域や関連セクターへの影響を分析する。
- メキシコにおける主要州(ヌエボレオン州や北部地域など)の設備投資・サプライチェーン動向を社内関連部門へ共有する。
- 中国・台湾企業の進出拡大や北米市場向け需要の変化に伴う競合・調達環境への影響を精査する。
対象部門: 経営者 総務 法務 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | メキシコ経済省外国投資局(DGIE) |
|---|---|
| 業界 | 経済・産業トレンド |
| 発表日 | 2026-09-07 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年09月07日
添付資料(195 KB)
メキシコ経済省外国投資局(DGIE)は8月24日、最新の対内直接投資統計を発表した。それによると、2026年上半期(1~6月)の対内直接投資額(国際収支ベース、フロー)は349億6,800万ドルとなり、前年同期比2.1%増加した。上半期としては過去最高額を更新した。投資額の内訳をみると、利益再投資が88.5%、新規投資が7.8%、親子間勘定が3.7%だった。新規投資は27億2,600万ドルと前年同期比13.4%減少した一方、利益再投資は309億5,700万ドルと7.0%増加しており、既進出企業による事業拡大が引き続き投資を牽引している。
国・地域別では、米国が168億7,100万ドルで全体の48.2%を占め、前年同期比14.7%増となった。次いでスペインが49億5,400万ドル(構成比14.2%)、カナダが17億4,100万ドル(5.0%)、オーストラリアが17億ドル(4.9%)、ドイツが16億4,700万ドル(4.7%)と続いた(添付資料表1参照)。日本は前年同期比10.0%減の13億ドルとなり、順位も前年の4位から6位に低下した。一方、中国は前年同期比で約4倍の5億9,600万ドル、台湾も約10倍の2億3,800万ドルと大きく増加した。台湾からの投資を業種別にみると、電子機器製造業や専門サービスの割合が高く、米国でのサーバー関連部品の需要拡大に呼応した動きとみられる。
産業別にみると、投資額の38.6%を占める製造業が134億8,200万ドルとなり、前年同期比9.3%増加した(添付資料表2参照)。製造業の中では、輸送機器産業が46億9,200万ドルで最大だったが、前年同期比では7.7%減少した。特に自動車・トラック製造は25.7%減となった一方、自動車部品製造は31.2%増となり、同分野の中でも傾向が分かれた。また、情報・通信・計測・電子機器分野は2.9倍の18億100万ドルと大幅に伸びた。そのほか、運輸・郵便・倉庫は3.9倍の26億5,000万ドルと大きな伸びを示していり、天然ガスパイプライン関連の投資が主な要因とみられる。
州別では、メキシコ市が168億6,200万ドルで全体の48.2%を占めたものの、前年同期比では12.7%減少した(添付資料表3参照)。一方、製造業が集積する北部のヌエボレオン州は22.4%増の37億1,200万ドルと好調だった。同州では、イタリア・アルゼンチンの鉄鋼大手テルニウムが新製鋼所の建設を進めているほか、7月には韓国完成車メーカーの起亜が電気自動車(EV)生産に向けた投資を発表している(2026年8月10日記事参照)。そのほか、ハリスコ州は50.7%増、サンルイスポトシ州は6.2倍と大幅な伸びがみられた。他方、日本企業の進出が多いグアナファト州は52.8%減の4億1,100万ドルとなった。
(加藤遥平)
(メキシコ)
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上半期のメキシコ対内直接投資は過去最高に、電子機器分野などが牽引
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/260fc8e0f8584c0e.html
時系列
- 2026-08-24 メキシコ経済省外国投資局(DGIE)が最新の対内直接投資統計を発表
- 2026-07-01 韓国完成車メーカーの起亜がヌエボレオン州で電気自動車(EV)生産に向けた投資を発表
主な数値
| 2026年上半期対内直接投資額 | 349億6,800万ドル |
|---|---|
| 対内直接投資額の前年同期比増減率 | 2.1% |
| 利益再投資の割合 | 88.5% |
| 新規投資の割合 | 7.8% |
| 親子間勘定の割合 | 3.7% |
| 新規投資額 | 27億2,600万ドル |
| 新規投資額の前年同期比増減率 | -13.4% |
| 利益再投資額 | 309億5,700万ドル |
| 利益再投資の前年同期比増加率 | 7.0% |
| 米国からの投資額 | 168億7,100万ドル |
| 米国からの投資の構成比 | 48.2% |
| 米国からの投資の前年同期比増減率 | 14.7% |
| スペインからの投資額 | 49億5,400万ドル |
| スペインからの投資の構成比 | 14.2% |
| カナダからの投資額 | 17億4,100万ドル |
| カナダからの投資の構成比 | 5.0% |
| オーストラリアからの投資額 | 17億ドル |
| オーストラリアからの投資の構成比 | 4.9% |
| ドイツからの投資額 | 16億4,700万ドル |
| ドイツからの投資の構成比 | 4.7% |
| 日本からの投資額 | 13億ドル |
| 日本からの投資の前年同期比増減率 | -10.0% |
| 中国からの投資額 | 5億9,600万ドル |
| 台湾からの投資額 | 2億3,800万ドル |
| 製造業の投資額 | 134億8,200万ドル |
| 製造業の投資の構成比 | 38.6% |
| 製造業の投資の前年同期比増減率 | 9.3% |
| 輸送機器産業の投資額 | 46億9,200万ドル |
| 輸送機器産業の投資の前年同期比増減率 | -7.7% |
| 自動車・トラック製造の投資の前年同期比増減率 | -25.7% |
| 自動車部品製造の投資の前年同期比増減率 | 31.2% |
| 情報・通信・計測・電子機器分野の投資額 | 18億100万ドル |
| 運輸・郵便・倉庫の投資額 | 26億5,000万ドル |
| メキシコ市の投資額 | 168億6,200万ドル |
| メキシコ市の投資の構成比 | 48.2% |
| メキシコ市の投資の前年同期比増減率 | -12.7% |
| ヌエボレオン州の投資額 | 37億1,200万ドル |
| ヌエボレオン州の投資の前年同期比増減率 | 22.4% |
| ハリスコ州の投資の前年同期比増減率 | 50.7% |
| グアナファト州の投資額 | 4億1,100万ドル |
| グアナファト州の投資の前年同期比増減率 | -52.8% |
この事例から確認すべきポイント
2026年上半期のメキシコ対内直接投資は、新規投資の減少分を既進出企業による大幅な利益再投資が補う形で過去最高を更新しました。自動車関連や電子機器、運輸・倉庫などセクターや地域によって動向の明暗が分かれており、特に中国や台湾をはじめとするアジアからの投資拡大や、米国市場向けのサプライチェーン再構築の動きが特徴的です。経営企画や海外事業部門においては、こうした現地サプライチェーンの変化や主要州(ヌエボレオン州など)の動向を注視し、戦略を見直す必要があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-09-07
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