経済・産業トレンド

米新学期商戦の売り上げ見通しは過去最高の1,468億ドルも、消費者の節約志向強まる

全米小売業協会(NRF)は、2026年の米新学期商戦の総支出額が過去最高の1,468億ドルに達する見通しを発表しました。しかし、消費者は新学期用品の値上がりを実感し、価格比較の徹底やディスカウントストアの利用、後払い決済の活用など、節約志向を強めています。購買行動は早期化しつつも、最良の価格を待つ分散購買が定着しており、小売各社はプロモーション戦略の見直しが求められる状況です。

この発表の要点

企業・自治体への影響

本発表は、米国の小売業、特に学用品や関連商品を扱う企業にとって、マーケティングおよび営業戦略に大きな影響を与えます。消費者の節約志向と購買行動の変化に対応するため、プロモーション戦略の見直しや、価格競争力の強化、購買スケジュールの長期化に対応した顧客エンゲージメント戦略の構築が急務となります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 全米小売業協会(NRF)
業界 小売
発表日 2026-07-24
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月24日

全米小売業協会(NRF)が7月21日に開催した、新学期商戦の消費動向に関する年次ウェビナーによると、2026年の同商戦における総支出額は1,468億ドルになる見通しだと発表した。内訳は、幼稚園から高校(K-12)向けが433億ドル、大学向けが1,035億ドルと、いずれも過去最高額を更新すると予測している。他方、消費者にとって新学期の必需品の購入は優先事項だが、価格の手頃さを重視し、予算管理に対して慎重な姿勢を崩していないことが指摘された。

NRFが7月に実施した調査(注)によると、消費者の61%が新学期用品の値上がりを実感している。予算内に支出を収める対策として、「価格比較の徹底(46%)」や、「ディスカウントストアの利用(41%)」が上位を占めた。また、学用品費の確保に向けて「他項目の予算削減(37%)」にとどまらず、「後払い決済(BNPL)の利用(20%)」や「残業の増加(17%)」など、節約志向を強め、あらゆる手段で家計をやりくりする姿勢が浮き彫りとなっている。

こうした状況下、新学期商戦では消費者の分散購買と大型セールの活用が定着し、購買スケジュールの長期化を招いている。同調査によると、買い物の開始時期自体は「7月上旬まで」に62%が着手するなど早期化の傾向にあるものの、45%が7月上旬時点で「進捗率50%以下」にとどまる。背景には、小売り各社のセールやプロモーションを見極める慎重姿勢がある。「進捗率50%以下」と回答した人のうち、 46%が「最良の価格(ディール)」の到来を待ち、23%が「予算(の使用時期)の分散」を意識している。

また、回答者全体の47%は学校が始まるまでに購入する製品を「目先の必需品」のみに絞り、不足分は年間を通じて順次補充する計画だと回答した。一方で、米国の新学期商戦は、これまでは新学期が始まる8月ごろから購買を始めるのが通例だったが、近年はその傾向に変化がみられる。特に2026年はアマゾンの「プライムデー」が6月に開催されたこともあり、同月を中心に実施された主要小売り各社のセールを、新学期の準備に先行して活用する消費者の動きがみられた。

ウェビナーに登壇したNRFの消費・産業部門副主任のアリソン・ゼラー氏は、これらの調査結果を踏まえ、「今後も、各種ホリデー商戦の早期化が予測される。消費者の購買行動が保守化する中、プロモーションの重視や、より手頃な価格を求めて複数の店舗を比較する傾向は続いていくだろう」と指摘した。

(注)実施期間は7月1~8日、対象者は米国の消費者7,677人。

(樫葉さくら)

(米国)

ビジネス短信 a14a2e435090c6ac

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米新学期商戦の売り上げ見通しは過去最高の1,468億ドルも、消費者の節約志向強まる

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/a14a2e435090c6ac.html

時系列

主な数値

2026年新学期商戦の総支出額見通し 1468億ドル
K-12向け支出見通し 433億ドル
大学向け支出見通し 1035億ドル
新学期用品の値上がりを実感している消費者 61%
予算内に収める対策として「価格比較の徹底」を選択した消費者 46%
予算内に収める対策として「ディスカウントストアの利用」を選択した消費者 41%
学用品費確保のため「他項目の予算削減」を選択した消費者 37%
学用品費確保のため「後払い決済(BNPL)の利用」を選択した消費者 20%
学用品費確保のため「残業の増加」を選択した消費者 17%
買い物の開始時期「7月上旬まで」に着手した消費者 62%
7月上旬時点で「進捗率50%以下」の消費者 45%
「進捗率50%以下」の理由で「最良の価格(ディール)」の到来を待つ消費者 46%
「進捗率50%以下」の理由で「予算(の使用時期)の分散」を意識している消費者 23%
学校が始まるまでに「目先の必需品」のみ購入する消費者 47%
NRF調査の対象者数 7677人

この事例から確認すべきポイント

本発表は、米国の新学期商戦における消費者の購買行動が大きく変化していることを示唆しています。総支出額は過去最高を更新する見込みであるものの、消費者の節約志向は強く、価格比較やディスカウントストアの利用、さらには後払い決済や残業増加といった手段で予算をやりくりする傾向が顕著です。また、購買開始時期の早期化と同時に、最良の価格を待つ分散購買が定着しており、購買スケジュールが長期化しています。小売企業は、単なるセールだけでなく、消費者の予算管理意識や購買タイミングの変化に対応した、より戦略的なプロモーションや商品提供が求められるでしょう。特に、ホリデー商戦を含む今後の商戦においても、同様の傾向が予測されるため、長期的な視点での顧客理解とマーケティング戦略の見直しが不可欠です。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-24

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