経済・産業トレンド

モルドバ新内閣発足、優先政策にEU加盟と経済成長

モルドバ議会は7月21日、バシレ・トファン氏率いる新内閣を信任し、発足させました。新内閣は、経済成長の加速とEU加盟プロセスの加速を重点政策に掲げ、2026年中のEU加盟交渉着手、2028年末までの交渉完了を目指します。外交政策では、ルーマニアやウクライナとの関係強化に加え、日本を含むアジア諸国との経済関係強化と投資誘致・輸出拡大も重視しています。前首相は8カ月で辞任を表明していました。

この発表の要点

企業・自治体への影響

モルドバの新政権発足とEU加盟に向けた具体的な目標設定は、同国への投資や貿易を検討する企業(特に製造業、IT、農業、エネルギー関連)にとって、法制度や経済環境の変化を注視すべき重要な動向です。日本企業にとっては、モルドバがアジア諸国との経済関係強化を掲げていることから、新たな市場開拓や投資機会が生まれる可能性があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 経理 広報

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
発表日 2026-07-24
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月24日

モルドバ議会(一院制、定数101)は7月21日、マイア・サンドゥ大統領が首相に指名したバシレ・トファン氏率いる新内閣に対する信任投票を行い、与党「行動連帯党(PAS)」の53議員の賛成票によって新内閣が信任され、発足した。7月3日にアレクサンドル・ムンテナウ首相が辞任を表明したことを受けて行われた。

トファン氏はウクライナのキーウを本拠地に、ウクライナとモルドバで活動する民間投資ファンド「ホライズン・キャピタル」のシニアアドバイザーを務めていた実業家・投資家だ。その他の閣僚は新任・再任双方が含まれた。ムンテナウ首相辞任後に首相代行を務めたエウゲン・オスモチェスク副首相兼経済発展・デジタル化相、クリスティーナ・ゲラシモフ副首相(欧州統合担当)、ミハイ・ポプソイ副首相兼外相、ウラジスラフ・コジュハリ法相、ドリン・ユンギエトゥ・エネルギー相などが再任となった。

同日議会が承認したトファン政権の政策綱領「欧州経済、効率的な国家」では、重点分野として(1)経済成長の加速、(2)EU加盟プロセスの加速、(3)効率的でデジタル化された責任ある国家、(4)安全保障、司法、平和、(5)国民生活の向上と社会的結束を掲げた。(2)については、2026年中に全6クラスターに関するEU加盟交渉に着手し、2028年末までに加盟交渉をまとめ、加盟条約締結準備を行うことを目標としている。なお、7月時点では、第1クラスター「ファンダメンタルズ」と第6クラスター「対外関係」が開始されている。

外交政策としては、(1)戦略的パートナーであるルーマニアとの関係強化、(2)ウクライナの独立・主権・領土保全の支援と復興への関与、(3)欧州加盟や安全保障などにおける欧州諸国との協力深化、(4)中国、インド、日本、カナダ、韓国との関係強化および投資誘致と輸出の拡大などを挙げた。

22日には、サンドゥ大統領とイゴール・グロス議会議長の立ち会いの下、新内閣の就任式典が開催された。サンドゥ大統領は、新政府の活動方針は、モルドバを欧州基準に一致させることだと強調し、今後数カ月の間に主要な改革を完了させなくてはならないと述べた。トファン新首相は式典後、政権発足後最初の優先事項として、経済成長、人々からの信頼の強化、税制改革や給与水準の引き上げなどの主要な改革の実施に焦点を当てると発言した。

なお、前首相のムンテナウ氏は、2025年11月の就任から8カ月という短期間での辞任となった。自身の信念に従って職務を遂行することができなくなったと発言しているが、理由の詳細は語っていない。

(柴田紗英)

(モルドバ)

ビジネス短信 7215c5317bbd956f

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モルドバ新内閣発足、優先政策にEU加盟と経済成長

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/7215c5317bbd956f.html

時系列

主な数値

モルドバ議会の定数 101名
新内閣信任の賛成票数 53票
EU加盟交渉のクラスター数 6クラスター
現時点で開始されているEU加盟交渉クラスター数 2クラスター
前首相の在任期間 8カ月

この事例から確認すべきポイント

モルドバで新内閣が発足し、実業家出身の首相が就任したことは、同国の政治的安定化と経済改革への強い意欲を示唆しています。特に、EU加盟プロセスの加速を最優先政策に掲げ、具体的な交渉着手・完了目標年限を設定したことは、モルドバの法制度や経済環境が欧州基準に一層近づく可能性を示しています。これは、モルドバ市場への参入を検討する企業や、既に事業を展開している企業にとって、ビジネス環境の透明性向上や市場統合の進展といった機会をもたらす一方で、新たな規制や競争環境への適応が求められる可能性も示唆します。また、日本を含むアジア諸国との関係強化と投資誘致・輸出拡大を外交政策に盛り込んでいる点は、日本企業にとって新たなビジネスチャンスとなり得ます。企業は、モルドバの政治・経済動向、特にEU加盟交渉の進捗とそれに伴う法制度改革に注視し、中長期的な事業戦略を検討する上で重要な情報源となるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-24

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