経済・産業トレンド

英政府、タングステン鉱山再開の支援を決定、重要鉱物アクセラレーターガイダンスを発表

英国の公的投資機関ナショナル・ウェルス・ファンドは、ヘマードン鉱山の生産再開に向け最大7,100万ポンドを投資すると発表した。政府は生産されるタングステンの最大50%調達を優先交渉する。また、重要鉱物アクセラレーターのガイダンスが発表され、第1回申請は9月30日まで、助成額は15万〜300万ポンド、対象プロジェクトは2030年3月までの完了が求められる。

この発表の要点

企業・自治体への影響

鉱業、製造業、電気自動車サプライチェーンに関わる企業や関連部門にとって、英国の重要鉱物政策や補助金・支援制度を活用した事業展開の機会や、現地調達・サプライチェーンの見直しに向けた影響が生じる可能性がある。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 経理

対応期限:公募締切まで

基本データ

企業・団体 英国の公的投資機関ナショナル・ウェルス・ファンド(NWF) / 英政府
業界 鉱業・製造業
発表日 2026-09-07
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年09月07日

英国の公的投資機関ナショナル・ウェルス・ファンド(NWF)は8月25日、イングランド南西部デボンのヘマードン鉱山の生産再開に関連する建設・試運転費用などを支援するため、最大7,100万ポンド(約150億円、1ポンド=約211円)を投資すると発表した。政府は、生産される重要鉱物のタングステンの最大50%の調達を優先的に交渉する権利を獲得する。国内供給を確保し、輸入依存を低減させるとしている。ヘマードン鉱山を保有する英国の鉱山会社タングステン・ウェストによると、現在、英国は使用するタングステンの全量を輸入に依存している。

同鉱山は、オーストラリアの鉱山会社ウルフ・ミネラルズが2015年にタングステンの商業生産を70年ぶりに開始したが、資金繰りの悪化を受けて2018年に操業を停止した後、タングステン・ウェストが2019年に買収した。同鉱山には中国を除いて世界最大級のタングステン鉱床が存在し、今後40年にわたり採掘が可能とされる。350人以上の直接雇用が見込まれ、2027年第1四半期中の全面稼働を目指す。

政府は3月にも重要鉱物関連事業への助成を決めている。英国の鉱山開発企業ペンサナがイーストヨークシャー・ハルで建設を計画するレアアース分離施設を助成する。電気自動車サプライチェーンの構築を支援する自動車変革基金(ATF)から総額10億ポンド規模の拠出が見込まれている。

重要鉱物アクセラレーター、第1回の助成金申請は9月30日まで
政府は8月5日、6月22日に発表した重要鉱物の確保に向けた資金提供プログラム(2026年7月7日記事参照)の1つである重要鉱物アクセラレーターのガイダンスを発表した。書類選考で戦略的適合性、開発能力、自己資金の拠出、実現可能性が十分と認められた申請者がインタビュー審査へ進む。2024年英国重要鉱物リスト記載鉱物または成長鉱物に関する、技術成熟度レベル(TRL、注)6~8の商用化間近だが、単位当たり経済性の実証やリスク低減において大きな障壁に直面している企業やプロジェクトに焦点を当てる。支援対象となるプロジェクトは、2030年3月までに完了することが求められる。プロジェクト当たりの助成額は15万~300万ポンドと見込まれる。第1回の申請期間は9月30日までで、第2回については2027年に発表する予定。

(注)研究開発段階にある技術の成熟度を9段階で客観的に評価する指標。

TRL 6:関連環境における技術モデルまたはプロトタイプの実証

TRL 7:運用環境における技術プロトタイプの実証

TRL 8:試験および実証を経て完成・認定された実用技術

(野崎麻由美)

(英国)

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/29913a40ca6e2e8c.html

時系列

主な数値

ヘマードン鉱山への最大投資額 71,000,000ポンド
タングステンの優先的調達交渉権の割合 50%
ヘマードン鉱山の直接雇用見込み数 350人以上
重要鉱物アクセラレーターのプロジェクト当たり助成額 150,000〜3,000,000ポンド

この事例から確認すべきポイント

本発表は、英国における重要鉱物の国内供給確保および輸入依存低減に向けた国家的な支援策を示している。ナショナル・ウェルス・ファンドによる大規模投資や「重要鉱物アクセラレーター」の助成金公募を通じて、サプライチェーンの強靭化を図る姿勢が鮮明である。鉱山開発やサプライチェーン関連企業にとっては、技術成熟度(TRL)や自己資金要件を満たすことで公的支援を活用できる好機となる一方、期限や要件の厳密な管理が求められる。現時点で取得できた本文からは詳細を確認できない部分もあるため、詳細は公式出典を確認する必要がある。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-09-07

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