経済・産業トレンド

エジプトでリン酸製造複合施設の建設開始、鉱物加工産業の高付加価値化目指す

エジプト政府は南西部のニューバレー県アブー・タルトゥール高原で、6億5,800万ドル規模のリン酸製造複合施設の建設を開始した。中国企業が実施し、第1フェーズの生産量は年間25万トンを見込む。鉱物加工産業の高付加価値化を目指す取り組みであり、関連産業の5カ年計画も策定されている。

この発表の要点

企業・自治体への影響

鉱業・化学肥料分野やプラント関連企業において、エジプトの鉱物加工産業の拡大やサプライチェーンの変化を把握するための参考情報となる。直接的な緊急対応は不要だが、関連部門での動向注視が必要となる。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 国家情報サービス(SIS)
業界 鉱業・製造
発表日 2026-08-27
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月27日

エジプトの政府報道機関、国家情報サービス(SIS)は8月20日、同国南西部のニューバレー県アブー・タルトゥール高原で、6億5,800万ドル規模のリン酸製造複合施設の建設を開始したと発表した。

同複合施設ではエジプトで生産されたリン鉱石を加工し、肥料の生産に用いられる高濃度の商業用リン酸を製造する。製造されたリン酸は、紅海沿岸のサファガ港から輸出される見込みだ。建設プロジェクトを実施するのは中国企業の中国建築集団(CSCEC)とイーストチャイナ・エンジニアリング・サイエンス・アンド・テクノロジー(ECEC)で、完成までの期間は30カ月の予定。第1フェーズでは、年間25万トンの生産を見込んでいる。本プロジェクトに関しては、CSCECが2019年7月、アブー・タルトゥール高原でのリン酸製造プロジェクトを運営するエジプトのエル・ワディ・リン酸プロジェクト(WAPHCO)とのコンソーシアムにより落札したことを発表している。

SISは発表の中で、同プロジェクトはエジプトが鉱物加工産業を拡大し、天然資源からより付加価値の高い製品を製造する取り組みの一環だとしている。また、同施設の起工式に参加したカリム・バダウィ石油・鉱物資源相は、エジプト政府がニューバレー県と協力し、同県の鉱物資源を基盤とする鉱業および関連産業に関する5カ年計画を策定していると述べた。

米国地質調査所(USGS)によれば、エジプトにおける2025年のリン鉱石生産量は550万トンと推定されており、世界第7位の産出国となっている。国連貿易データ(UN Comtrade Database)をみると、エジプトにおける2024年のリン鉱石(HS2510)の輸出額は約3億7,093万ドルで、世界第4位だ。他方、リン酸(HS280920)の輸出額は約840万ドルにとどまっている。

(久保田夏帆)

(エジプト、中国)

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エジプトでリン酸製造複合施設の建設開始、鉱物加工産業の高付加価値化目指す

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/c456a775981c1103.html

時系列

主な数値

施設規模 6億5,800万ドル
完成までの期間 30カ月
第1フェーズ年間生産量 25万トン
エジプトのリン鉱石推定生産量 550万トン
エジプトのリン鉱石輸出額 3億7,093万ドル
エジプトのリン酸輸出額 840万ドル

この事例から確認すべきポイント

本発表は、エジプトが資源採掘国から高付加価値な加工品輸出国家への転換を図る産業政策の動向を示している。中国企業との協業による大規模インフラ投資や5カ年計画の策定が進んでおり、中東・アフリカ地域の鉱業や化学肥料関連のサプライチェーン、貿易動向に影響を与える可能性がある。鉱物資源関連やプラント輸出、化学肥料分野に関わる企業においては、現地の産業政策や調達・輸出ルートの変化を継続的に注視することが求められる。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-27

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