経済・産業トレンド

米税関、調整対象の輸入申告に対するIEEPA関税の還付申請を6月29日から受け付け開始へ

米国税関・国境警備局(CBP)は、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて徴収した関税の還付申請について、2026年6月29日から新たに「調整対象」としてフラグが付された輸入申告の受付を開始すると発表しました。これは連邦最高裁判所の無効判断と国際貿易裁判所の還付指示を受けたもので、CBPは還付システム「CAPE」を構築し、段階的に還付手続きを進めています。今回の対象は、調整申告(タイプ09)が未提出で、かつ未清算または清算日から80日以内の申告に限定されます。CBPは今後、清算が最終確定している輸入に対しても還付手続きの対象とする方針です。

この発表の要点

企業・自治体への影響

米国へ輸入を行う企業、特に輸入時点で取引価格等が未確定で「調整対象」として申告を行っている企業は、IEEPA関税の還付を受けられる可能性があります。企業の経理部門、法務部門、および貿易実務部門は、自社の輸入申告状況を確認し、還付申請の要件を満たすか評価する必要があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 米国税関・国境警備局(CBP)
発表日 2026-06-25
分類 経済・産業トレンド
地域 米国

発表された内容

2026年06月25日

米国税関・国境警備局(CBP)は6月23日、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて徴収した関税について、6月29日から新たに事後清算の「調整(reconciliation)対象」としてフラグが付された輸入申告に対する還付申請の受け付けを開始すると、貨物システムメッセージサービス(CSMS)を通じて発表した。

連邦最高裁判所は2026年2月、IEEPAに基づいて課税された関税を無効と判断した。その後、国際貿易裁判所(CIT)は、CBPに対してIEEPAに基づいて徴収した関税を原則全ての輸入者に還付するよう指示した。これを受けCBPは、IEEPA関税を還付する新たなシステム「統合通関管理・処理システム(CAPE)」を構築し、4月20日から「フェーズ1」の運用を開始した。同フェーズでは、「関税が未清算の輸入申告」または「清算後80日までの輸入申告」を対象とした。その後CBPは6月9日、国際貿易裁判所(CIT)に対する証言で、調整対象としてフラグが付された輸入申告を対象とした還付申請の受付を、6月29日から始めると明らかにした(2026年6月12日記事参照)。

米国では、輸入時点で最終的な取引価格や品目分類、関税免除の適用条件などが確定していない場合、税関と輸入者の合意の下で、暫定情報に基づく申告(エントリー)が認められている(注)。この際、後日修正することを示すため、当該申告には調整対象のフラグが付される。詳細確定後、輸入者は調整申告(タイプ09)を行い、関税を確定し清算する。

今回発表されたガイダンスによれば、6月29日以降に新たに還付手続きの対象となるのは、調整対象としてフラグが立てられている輸入申告のうち、調整申告(タイプ09)が未提出のものに限られる。また、フェーズ1と同様に、未清算、または清算日から80日以内の申告に限定される。なおCBPは、調整申告の提出期限が迫っている場合、還付手続きよりも調整申告の提出を優先する必要があると述べている。

CBPは今後、清算が最終確定している輸入に対しても、還付手続きの対象とする方針を明らかにしている。今後、新たにIEEPA関税の還付手続きの対象が増える場合は、今回と同様にCSMSを通じて発表される。

(注)調整対象として認められている輸入申告は、タイプ01(フォーマルエントリー)、タイプ02(関税割当など)、タイプ06(外国貿易地域:FTZ)の3つ。詳しくはCBPのウェブサイト参照。

(赤平大寿)

(米国)

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/ff2922154c0a70f4.html

時系列

主な数値

還付申請受付開始日 2026-06-29日付
還付対象申告の期間条件 80日

この事例から確認すべきポイント

本発表は、米国への輸入を行う企業にとって、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税の還付機会が拡大することを示すものです。連邦最高裁判所の無効判断と国際貿易裁判所の指示を受け、米国税関・国境警備局(CBP)が段階的に還付手続きを進めている状況が確認できます。特に、輸入時点で情報が未確定な場合に利用される「調整対象」の輸入申告が、今回の還付対象に追加された点は重要です。ただし、還付対象は調整申告(タイプ09)が未提出で、かつ未清算または清算後80日以内の申告に限定されるため、対象となる輸入者は自社の申告状況を詳細に確認する必要があります。CBPが今後、清算が最終確定している輸入に対しても還付手続きの対象とする方針を示していることから、今後の追加発表にも注意が必要です。企業は、還付申請の機会を逃さないよう、関連情報を継続的に収集し、適切な手続きを速やかに実施することが求められます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-25

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