経済・産業トレンド 法案提出

スウェーデン政府、未申告労働など不正行為に対する規制強化の法案を提出

スウェーデン政府は、グリーンテック関連事業および家事サービス・住宅改修の人件費を対象とする税額控除(ROT・RUT)における不正行為や未申告労働対策として、税務当局の監視体制強化に関する法案を議会に提出しました。本法案は、下請け業者利用時の明記義務、税務当局の情報提供命令権限、不正受給時の追加課税、立ち入り調査権限の拡大、従業員名簿規則の厳格化などを提案しており、2027年1月1日の施行が予定されています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

スウェーデン国内でグリーンテック関連事業、家事サービス、住宅改修、建設、清掃、運輸などの業界で事業を行う企業は、税務申告および従業員管理体制の見直しが求められます。特に、下請け業者や人材派遣会社を利用する企業は、情報開示義務の強化や税務当局の調査権限拡大に対応する必要が生じます。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 人事 経理

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 スウェーデン政府
発表日 2026-06-22
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年06月22日

スウェーデン政府は6月9日、グリーンテック関連事業および家事サービス・住宅改修に係る人件費を対象とする税額控除(ROT・RUT、注)に関連し、業務の不正行為や未申告労働に対し、税務当局の監視体制強化に関する法案を議会に提出した。

政府は、送電網の配管・配線工事や、太陽電池・電気自動車用充電スタンドなどのグリーンテック関連設備の設置企業で、不正行為や未申告労働が発生し、これにより多額の税収の損失や企業間の不公正な競争を招いていると指摘した。また、建設、清掃、運輸などの業界では下請け業者や人材派遣会社がしばしば利用され、税務当局による監査が困難な場合があるとした。

国家監査局は2025年6月、税務当局の未申告労働対策について調査し、当局に未申告労働への効果的な対処法を提言していた。これを踏まえて、政府は本法案で、ROT・RUTやグリーンテック関連設備の設置の労働に関する税制優遇措置、および従業員名簿に関する規則について、次の変更を提案した。

企業が税務当局に対して税額控除分の支払い申請を行う際、下請け業者や人材派遣会社の利用有無を明記すること。また、当該情報を誠実かつ良心に基づいて提供すること。

税務当局が支払いや支払い申請の審査を行う際、一定の条件下で、委託業者や人材派遣会社などの第三者に対して情報提供などを求める命令を可能とすること。

該当の労働に対する税額控除に関して、企業が不正に受給した金額を税務当局に還付しなければならない場合、追加課税を可能とすること。

企業が税務当局に対して還付する金額の利息は、当該金額が還付される日までを基準として算定すること。

税務当局に、現在よりも幅広い目的での立ち入り調査を認めること。また、従業員名簿に関する規則を厳格化し、名簿に派遣従業員の雇用主の情報も登録すること。さらに、当該名簿の情報を税務当局へ電子的に転送可能とすること。これらの規則は、ROT・RUTやグリーンテック分野の関連労働に限らず、従業員名簿の提出義務の対象となる全ての企業に適用される。

本法案は、2027年1月1日から施行の予定だ。

(注)労働申告の増加と雇用の促進を目的として、サービス利用時に支払う人件費に対して、消費者向けに適用される税制優遇措置。ROT控除は、住宅の修繕、改築、増築を対象とし、これらに係る人件費を年間上限額5万スウェーデン・クローナ(約85万円、SEK、1SEK=約17円)のうち30%を軽減。RUT控除は、清掃、メンテナンス、クリーニングを対象とし、人件費を年間上限額2万5,000SEKのうち50%軽減する(65歳以上の場合、上限額は5万SEK)。

(バリオ純枝、篠崎美佐)

(スウェーデン)

ビジネス短信 a5cf68d5f01b1366

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スウェーデン政府、未申告労働など不正行為に対する規制強化の法案を提出

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/a5cf68d5f01b1366.html

時系列

主な数値

ROT控除年間上限額 50000スウェーデン・クローナ
ROT控除軽減率 30%
RUT控除年間上限額(通常) 25000SEK
RUT控除年間上限額(65歳以上) 50000SEK
RUT控除軽減率 50%
為替レート(1SEKあたり) 17円

この事例から確認すべきポイント

本法案は、税制優遇措置における不正行為や未申告労働が、税収損失や不公正な競争を招いているとの認識に基づき、税務当局の監視・監査能力を大幅に強化するものです。特に、建設、清掃、運輸などの業界で下請け業者や人材派遣会社が介在する複雑な取引構造において、情報開示義務の強化や第三者への情報提供命令権限の付与は、当局による実態把握を容易にする狙いがあります。また、不正受給に対する追加課税や立ち入り調査権限の拡大、従業員名簿規則の厳格化は、企業に対するコンプライアンス遵守の圧力を高めるものです。これらの措置は、税制優遇制度の健全な運用を確保し、公平な競争環境を維持するための政府の強い意志を示すものと解釈できます。企業は、これらの変更点を踏まえ、税務申告および従業員管理体制の再確認が求められます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-22

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