行政処分・コンプライアンス 最高裁判決により違法と判断され、当時の保護変更決定処分は取り消された。これを踏まえ、保護費の追加給付が実施中である。

平成25年生活扶助基準改定に関する最高裁判決への対応について

令和7年6月27日の最高裁判決は、平成25年生活扶助基準改定のデフレ調整に係る厚生労働大臣の判断過程及び手続に過誤、欠落があったと指摘し、違法と判断した。厚生労働省は専門委員会報告書等を踏まえた対応の方向性を公表し、令和7年度補正予算に計上された経費で保護費の追加給付を行う方針とした。令和8年2月20日付で告示が公布され、3月1日付で適用された。現在保護受給中の世帯は自治体の準備状況に応じて順次給付を受け、申出は不要とされている。

最終確認日: 2026-10-30

この発表の要点

企業・自治体への影響

生活保護を所管する自治体の福祉部門(生活保護担当)において、追加給付の準備・実施・申出受付の実務に影響する。現在保護を受給していない世帯への対応では、当時の保護実施自治体との連携が必要となる。企業への直接的な影響は、原文からは確認できない。

対応すべきこと

対象部門: 総務 法務

対応期限:適用済み(2026-03-01適用)

基本データ

企業・団体 厚生労働省
業界 行政・公共
分類 行政処分・コンプライアンス

発表された内容

平成25年生活扶助基準改定に関する最高裁判決への対応について

平成25年生活扶助基準改定に関する最高裁判決への対応について

平成25年から実施した生活扶助基準改定に関する令和7年6月27日の最高裁判決において、「デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断の過程及び手続には過誤、欠落があった」と指摘され、違法と判断されたことに加え、追加給付を行う結果となったことについて、生活保護行政を所管する厚生労働省として深く反省し、原告の皆様を含め、広く国民の皆様にお詫び申し上げます。

平成25年生活扶助基準改定に関しては、最高裁判決が示されたことを受けて、最高裁判決を踏まえた対応の在り方について、令和7年8月に設置した社会保障審議会生活保護基準部会「最高裁判決への対応に関する専門委員会」にて検討が進められ、同年11月18日に専門委員会の報告書がとりまとめられました。

並行して、国と地方自治体との意見交換を行うため、同年10月から「最高裁判決への対応に関する国と地方の実務者協議」を行うとともに、同年11月に厚生労働大臣と自治体首長級の「最高裁判決への対応に関する国と地方の協議」を開催し、検討を進めてきたところです。

これらの内容を踏まえ、同年11月21日に、「社会保障審議会生活保護基準部会最高裁判決への対応に関する専門委員会報告書等を踏まえた対応の方向性」を公表し、「生活保護法に基づく保護費の追加給付について、生活保護法第八条第二項の規定・・・や第二条の規定による無差別平等原則・・・を踏まえ、原告・原告以外を区別せず、高さ調整マイナス二・四九パーセントの水準で一律に実施」するとともに、原告については、これまでの争訟の経緯を踏まえた原告との紛争の一回的解決の要請を踏まえ、高さ調整を実施しない水準となるよう、保護費に代えて、これに相当する分を予算措置の特別給付金により支給することとし、こうした方針(以下「政府の対応方針」という。)に基づき、令和7年度補正予算において、保護費の追加給付等を行うための経費について計上(令和7年12月16日に補正予算が国会で成立)したところです。

こうした手続等を経て、令和8年2月20日付けで「平成二十五年八月から令和八年三月までの間の生活保護法による保護の基準の特例(令和8年厚生労働省告示第43号)」が公布され、3月1日付けで適用されたところです。

厚生労働省としては、最高裁判決を踏まえた保護費等の追加給付について、自治体と連携して取り組んでまいります。

※ 厚生労働省においては、「最高裁判決を踏まえた保護費の追加給付相談センター(厚生労働省委託事業)」を開設しています。
相談センターホームページ https://tsuikakyufu-sodancenter.mhlw.go.jp/

最高裁判決を踏まえた保護費の追加給付について

○

○

現在保護受給中の世帯について
自治体の準備状況に応じて本年3月より順次追加給付を行っております。追加給付を受けるに当たって、申出等の手続きは不要です。

現在保護を受給していない世帯について
当時保護を受給されていた自治体に対して追加給付に関する申出を行うことにより、支給することとしています。具体的な手続きについては最高裁判決を踏まえた保護費の追加給付に係る申出手続についてからご確認いただけます。

最高裁判決を踏まえた保護費等の追加給付について[18KB]
追加給付の対象となる方へのご案内[4.0MB]

【参考】

(1)
対象者

最高裁判決を踏まえた保護費の追加給付の対象者は、算定対象期間に保護の基準に基づき、保護の基準別表第1第1章の基準生活費又は第3章の入院患者日用品費若しくは介護施設入所者基本生活費が算定された者(現在保護停止中の者及び保護廃止された者を含む。)。

(2)
追加給付の対象となる範囲(基準生活費、加算等、対象となる期間等)

ア
対象となる基準生活費及び加算等

追加給付の対象となる基準生活費及び加算等は、平成25年改定時及びそれ以降においてデフレ調整による影響が及んでいるものとなり、具体的には以下のとおりです。

・
居宅の基準生活費(第1類の基準額、第2類の基準額及び地区別冬季加算額、期末一時扶助費)

・
救護施設及び更生施設(ともに準ずる施設を含む。以下「救護施設等」という。)の基準生活費(基準額、地区別冬季加算額、期末一時扶助費)

・
妊産婦加算、障害者加算(保護の基準別表第1第2章の2の(1)の加算額に限る。以下同じ。)、介護施設入所者加算、在宅患者加算、放射線障害者加算、母子加算

・
入院患者日用品費(基準額、地区別冬季加算額、期末一時扶助費)、介護施設入所者基本生活費(基準額、地区別冬季加算額、期末一時扶助費)

・
未成年者控除(令和4年4月以降は20歳未満控除に名称を変更。)

イ
対象期間及び追加給付額

(対象期間)
追加給付の対象期間は、平成25年改定時及びそれ以降においてデフレ調整による影響が及んでいる期間となり、また、追加給付額は、対象者の保護の受給状況(算定されていた基準生活費及び加算等の内容や対象期間)によって異なります。
なお、第1類及び第2類の基準額については、社会保障審議会生活保護基準部会(以下「基準部会」という。)における平成29年検証を踏まえた平成30年10月の改定により水準の見直しが行われていることから、平成30年9月までが対象期間となります。地区別冬季加算額については、基準部会における平成27年検証を踏まえた平成27年度の改定により水準の見直しが行われていることから、平成25年8月から平成27年9月までが対象期間となります(ただし、第2類、救護施設等の地区別冬季加算額に限る。)。母子加算のうち在宅者への加算額については、基準部会における平成30年検証を踏まえた平成30年10月の改定により水準の見直しが行われていることから、平成30年9月までが対象期間となります。

(追加給付額)
平成25年当時の生活扶助基準改定のうち、デフレ調整の改定率(▲4.78%)を、専門委員会の議論を踏まえた消費実態に基づく高さ(水準)調整の改定率(▲2.49%)に代えることで生じる差額に相当する額を給付します。
追加給付額の具体的な算出方法としては、算定対象期間の間に適用されていた保護の基準に基づき算定された額に対して当該差額に相当する額を算出するための給付率を乗じることによって算出します。

<給付決定状況>
最高裁判決を踏まえた保護費の追加給付等に係る給付決定状況について[18KB]

<参考>
追加給付額の例・対象期間[424KB]

関係通知等

○
平成二十五年八月から令和八年三月までの間の生活保護法による保護の基準の特例(令和8年厚生労働省告示第43号)[54KB]

○
平成25年生活扶助基準改定に関する最高裁判決を踏まえた保護費の追加給付等について(令和8年2月20日付社援発0220第1号厚生労働省社会・援護局長通知)[865KB]

○
生活保護基準引下処分取消等請求訴訟に係る原告への特別給付金の支給について(令和8年2月20日付社援発0220第2号厚生労働省社会・援護局長通知)[308KB]

【参考】

(1)平成25年生活扶助基準改定について

○ 平成25年の生活扶助基準の改定は、

・
当時、物価下落が継続し基準額が据え置かれていた状況を踏まえ、経済情勢の変化を適切に反映させる観点から、物価の下落分を考慮して水準調整を行うこと【デフレ調整】

・
基準部会の検証結果を踏まえ、年齢別・世帯人員別・級地別の基準額について、一般低所得世帯の消費実態との乖離を是正すること【ゆがみ調整】

という2つの考え方に基づき、生活扶助基準の必要な適正化を図ったものです。

平成25年生活扶助基準改定について[442KB]

(2)最高裁判決の内容について

○
最高裁判決は、判決主文において、対象となった大阪訴訟及び名古屋訴訟の当事者の原告らに対する当時の保護変更決定処分を取り消す一方、原告らの国に対する国家賠償請求を棄却するものでした。
その理由中の判断としては、主に、以下のような内容が判示されており、これらの内容を踏まえ、専門委員会において、平成25年改定当時の経済情勢や生活保護法の理念、判決の法的効果等を踏まえた対応の在り方について検討が行われました。

(判断枠組み)

・
(生活保護法3条及び8条2項の規定にいう)最低限度の生活は、抽象的かつ相対的な概念であって、その具体的な内容は、その時々における経済的・社会的条件、一般的な国民生活の状況等との相関関係において判断決定されるべきものであり、同条1項の委任を受けた厚生労働大臣がこれを保護基準において具体化するに当たっては、国の財政事情を含めた多方面にわたる複雑多様な、しかも高度の専門技術的な考察とそれに基づいた政策的判断を必要とするものである。そうすると、厚生労働大臣は、生活扶助基準を改定するに当たり、それにより基準生活費を減額されることとなる被保護者の期待的利益についての配慮の要否等を含め、上記のような専門技術的かつ政策的な見地からの裁量権を有しているものというべきであり、本件改定は、その判断に上記見地からの裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある場合に、生活保護法3条、8条2項に違反して違法となるものと解される。

・
生活扶助基準の改定の要否の判断の前提となる最低限度の生活の需要に係る評価や被保護者の期待的利益についての配慮は、上記のような専門技術的な考察に基

出典: 厚生労働省
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_77119.html

時系列

主な数値

判決日 2025-06-27日付
専門委員会報告書とりまとめ日 2025-11-18日付
対応の方向性公表日 2025-11-21日付
高さ調整の改定率(一律実施) -2.49%
補正予算成立日 2025-12-16日付
告示公布日 2026-02-20日付
告示の適用日 2026-03-01日付
デフレ調整の改定率(改定時) -4.78%
高さ(水準)調整の改定率 -2.49%
第1類・第2類基準額の対象期間終期 2018-09年月(平成30年9月まで)
地区別冬季加算額の対象期間 2013-08から2015-09年月(平成25年8月から平成27年9月まで)
母子加算(在宅者への加算額)の対象期間終期 2018-09年月(平成30年9月まで)
特例告示の対象期間 2013-08から2026-03年月(平成25年8月から令和8年3月まで)

この事例から確認すべきポイント

本件は、最高裁判決で示された違法判断と、それを受けた厚生労働省の対応の経緯を示す公式発表である。判決では、生活扶助基準改定に関する厚生労働大臣の判断の過程及び手続に過誤、欠落があったと指摘されたとされる。その後、専門委員会報告書、対応の方向性、補正予算、告示公布と適用という段階を経て、追加給付が進められている。実務上は、対象となる基準生活費・加算等と対象期間が種類ごとに異なる点に注意が必要である。原文では、第1類・第2類基準額は平成30年9月まで、地区別冬季加算額は平成25年8月から平成27年9月まで、母子加算(在宅者)は平成30年9月までが対象期間とされている。追加給付額は保護の受給状況により異なる。自治体との連携が前提となるため、実際の給付時期や手続は自治体の準備状況に左右される。本記事の範囲で確認できない詳細は、公式出典をご確認いただきたい。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-10-30 / 最終確認: 2026-10-30

執筆・確認主体

この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。

数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。

編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-10-30

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