経済・産業トレンド 制度導入・施行

イタリア、一部の包装材に生分解性かつ堆肥化可能素材使用を義務付け、バイオプラスチック産業を後押し

イタリア政府は、特定の使い捨てプラスチック包装材について生分解性かつ堆肥化可能な素材の使用を義務付ける政令を閣議決定し、2026年8月8日に施行した。EUの包装・包装廃棄物規則への対応として、国内のバイオプラスチック産業やサプライチェーンを支援する狙いがある。違反に対する罰則は2030年1月から導入される予定である。

この発表の要点

企業・自治体への影響

イタリア向けに食品、飲料、青果物、ホテル向けアメニティなどの包装材や製品を輸出・供給している関連業種(製造業・商社・小売等)において、素材の適合性確認やサプライチェーンの見直しが必要となる。法務・総務・経営企画部門等での規制動向の把握が求められる。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 広報

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 イタリア政府
業界 製造
発表日 2026-09-04
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年09月04日

イタリア政府は8月4日、特定の使い捨てプラスチック包装材について、生分解性かつ堆肥化可能(コンポスタブル)素材の使用を義務付ける政令を閣議決定し、7日の官報掲載を経て、翌8日に施行した。対象となるのは、1.5キログラム未満の生鮮青果物の包装、ホテル・レストランおよびケータリングで使用される施設内飲食向けに使われる食品・飲料包装、さらに同業種における調味料の個包装(ソース、コーヒークリーム、砂糖など)。また、宿泊施設で提供されるアメニティーの個包装も含まれる。違反に対する罰則は2030年1月から導入され、罰金額は2,500~2万5,000ユーロ。義務違反の対象となった包装材の価値が違反者の売上高の10%を超える場合、上限額を最大4倍まで引き上げられる。

今回の措置は、8月12日から一部適用が始まったEUの包装・包装廃棄物規則(PPWR)への対応として導入された。PPWRでは、原則として包装材が「リサイクル可能」であることを求めている。一方で、有機廃棄物の回収および処理体制が十分に整備されている国については、「リサイクル可能」の代替要件として「堆肥化可能」を要件とすることを認めている。イタリア政府は、PPWRの本格運用を見据え、国内のバイオプラスチック産業や、その包装材を利用するサプライチェーンの事業継続を支援するため、今回の措置を講じたとしている。

イタリアは、EU加盟国の中で一般廃棄物の分別収集を主導している国の1つ。イタリア堆肥化協会によると、2024年には、一般廃棄物全体の67.7%(有機廃棄物、容器包装廃棄物、電気電子機器廃棄物などを含む)が分別収集されリサイクルされた。このうち、有機廃棄物は分別収集された廃棄物の37.8%を占めた。また、年間約770万トンの有機廃棄物が埋め立て処分されることなくリサイクルされている。堆肥化インフラ整備も進んでおり、2024年時点で344施設が年間930万トンの有機廃棄物を処理した。

イタリア・バイオプラスチック協会(Assobioplastiche)は今回の政令を歓迎。ルカ・ビアンコーニ会長は、「今回の措置はEUのPPWR規則と整合した対応で、法的確実性を高めた。イタリアが長年欧州におけるベンチマークとなってきたコンポスタブル・バイオプラスチック分野にとってプラスとなる。(プラスチック包装材を利用する)国内のサプライチェーン全体の競争力強化につながる」と評価した。

(平川容子)

(イタリア、EU)

ビジネス短信 37c3e48392ef0138

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イタリア、一部の包装材に生分解性かつ堆肥化可能素材使用を義務付け、バイオプラスチック産業を後押し

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/37c3e48392ef0138.html

時系列

主な数値

対象包装材の重量条件 1.5キログラム未満
罰金額の範囲 2500~25000ユーロ
罰金上限の引き上げ倍率 4倍
一般廃棄物の分別収集・リサイクル率(2024年) 67.7%
分別収集された廃棄物における有機廃棄物の割合(2024年) 37.8%
リサイクルされた有機廃棄物の年間数量 770万トン
有機廃棄物を処理する施設数(2024年時点) 344施設
有機廃棄物の年間処理能力(2024年時点) 930万トン

この事例から確認すべきポイント

本件は、イタリア政府がEUの包装・包装廃棄物規則(PPWR)に対応する形で、特定の使い捨てプラスチック包装材に生分解性かつ堆肥化可能な素材の使用を義務付けたものである。国内のバイオプラスチック産業や関連サプライチェーンの事業継続を支援する目的があり、欧州市場へ包装材や食品・飲料等を輸出入する企業にとっては、現地の規制動向を注視する必要がある。罰則の適用は2030年1月からとされているが、サプライチェーン全体での素材切り替えや対応状況の確認が求められる。現時点で取得できた本文からは詳細な手続きや個別企業の免除規定などの詳細を確認できないため、詳細は公式出典や現地の最新情報で確認することが重要である。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-09-04

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