ASEAN事務局、外国直接投資統計を更新、域内からの純流入は増加、日本からは減少
この発表の要点
- 2025年のASEAN向けFDI純流入額は前年比10.1%増の2,456億6,400万ドルで、5年連続2,000億ドル超えを記録した。
- ASEAN域内、中国、シンガポールからの投資は拡大したが、日本からの投資は48.9%減、米国からも減少するなど、投資元によって動向が分かれた。
- 日本からの投資は金融・保険業で増加した一方、製造業では72.8%減、不動産業では18.8%減と大幅に減少した。
企業・自治体への影響
ASEAN地域への投資を検討している日本企業、特に製造業や不動産業界の企業は、投資戦略の見直しが必要となる可能性があります。金融・保険業は引き続き成長機会が見込まれるため、国際的なサプライチェーンや市場戦略を策定する経営者や事業開発部門、海外事業部門に影響があります。
対応すべきこと
- 公式出典(添付資料)を確認し、自社の事業に関連する詳細な投資動向や産業別データを把握する。
- ASEAN地域への投資戦略を持つ企業は、今回の統計結果を踏まえ、投資先の国・地域や産業分野の再評価を行う。
- 海外事業部門や経営企画部門は、国際的な投資環境の変化、特に地政学的緊張や関税動向が自社事業に与える影響を分析する。
- 日本からのFDIが減少している背景について、JETROなどの関連機関の追加情報や分析を継続的に確認する。
対象部門: 経営者 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ASEAN事務局 |
|---|---|
| 業界 | 経済・産業 |
| 発表日 | 2026-07-23 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月23日
添付資料(191 KB)
ASEAN事務局が7月1日に更新した外国直接投資(FDI)統計によると、2025年のASEAN向けFDI純流入額(フロー)は前年比10.1%増の2,456億6,400万ドルとなった。2021年以降、5年連続で2,000億ドルを上回った。ASEAN域内からの投資は34.2%増の396億4,900万ドルで、全体の16.1%を占めた(添付資料表1参照)。
国・地域別では、ASEAN域内投資の大半を占めるシンガポールが41.8%増の337億1,200万ドルで最大だった。これに、米国が12.0%減の300億4,500万ドル、中国が0.5%増の262億4,400万ドル、香港が32.0%増の165億3,100万ドルと続いた。オランダは前年の14億1,000万ドルから103億9,300万ドルへ大幅に増加した一方、英国は36.4%減、台湾は35.0%減となるなど、主要投資元の動向は分かれた。
主要投資元別に投資先産業をみると、ASEAN域内からの投資は、製造業が41.2%増の143億8,800万ドルで最大となり、金融・保険業が82.4%増の80億6,900万ドル、情報通信業が2.1倍の74億7,800万ドルで続いた。シンガポールからの投資も、製造業が24.4%増の127億9,700万ドルとなったほか、情報通信業は2.6倍の78億2,700万ドル、金融・保険業は6.4倍の61億7,500万ドルに拡大した(添付資料表2参照)。
中国からの投資では、製造業が50.3%増の106億7,800万ドル、金融・保険業が2.1倍の66億5,900万ドルとなった。米国からの投資では、金融・保険業が71.9%減の127億4,900万ドルとなったものの、同国の投資先産業で最大だった。専門・科学・技術サービス業は、2024年のマイナス93億8,200万ドル(引き揚げ超過)から47億1,000万ドルのプラスに転じた。アイルランドの同産業、オランダの卸売・小売業、自動車・二輪車修理業、英国の情報通信業もマイナスからプラスに転じた
日本からの投資は48.9%減の95億5,800万ドルとなり、ASEAN向けFDI全体の3.9%を占めた。産業別では、金融・保険業が29.3%増の71億6,700万ドルで最大となった。一方、製造業は72.8%減の10億3,200万ドル、不動産業は18.8%減の6億500万ドルとなった。
ASEAN事務局と国連貿易開発会議(UNCTAD)は、2025年10月に公表した「ASEAN投資報告書(AIR)2025年版」で、関税引き上げや地政学的緊張に対する投資家の懸念から、2025年の国際投資環境に慎重な見通しを示していた。一方、今回の統計では、ASEAN向けFDIは10.1%増加し、ASEAN域内や中国、シンガポールなどからの投資が拡大した一方、日本や米国などからの投資は減少するなど、投資元によって動きが分かれる結果となった。
(大滝泰史)
(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、東ティモール)
ビジネス短信 e1fc500edb3008b3
関連情報
dummy
もっと見る
ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
ASEAN事務局、外国直接投資統計を更新、域内からの純流入は増加、日本からは減少
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/e1fc500edb3008b3.html
時系列
- 2021-XX-XX ASEAN向けFDI純流入額が2,000億ドルを上回り、以降5年連続で継続
- 2025-10-XX ASEAN事務局と国連貿易開発会議(UNCTAD)が「ASEAN投資報告書(AIR)2025年版」を公表し、2025年の国際投資環境に慎重な見通しを示す
- 2026-07-01 ASEAN事務局が外国直接投資(FDI)統計を更新
- 2026-07-23 JETROがASEAN事務局のFDI統計更新に関するビジネス短信を配信
主な数値
| 2025年ASEAN向けFDI純流入額 | 2456.64億ドル |
|---|---|
| 2025年ASEAN域内からの投資額 | 396.49億ドル |
| 2025年シンガポールからの投資額 | 337.12億ドル |
| 2025年米国からの投資額 | 300.45億ドル |
| 2025年中国からの投資額 | 262.44億ドル |
| 2025年香港からの投資額 | 165.31億ドル |
| 2025年オランダからの投資額 | 103.93億ドル |
| 2025年日本からの投資額 | 95.58億ドル |
| 2025年日本からの金融・保険業への投資額 | 71.67億ドル |
| 2025年日本からの製造業への投資額 | 10.32億ドル |
| 2025年日本からの不動産業への投資額 | 6.05億ドル |
この事例から確認すべきポイント
ASEAN地域への外国直接投資は全体として増加傾向にあるものの、投資元となる国・地域によって動向が大きく異なることが示されています。特に、ASEAN域内や中国、シンガポールからの投資が拡大する一方で、日本や米国などからの投資は減少しており、国際的な経済情勢や地政学的要因が投資判断に影響を与えている可能性が示唆されます。日本企業にとっては、ASEAN市場における投資戦略の見直しや、特定の産業分野(金融・保険業は増加、製造業は大幅減少)への集中・分散投資の検討が求められます。また、本文中には「添付資料表1参照」「添付資料表2参照」とあるため、詳細なデータや背景については、現時点で取得できた本文からは確認できませんでした。詳細は公式出典をご確認ください。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-23
関連事例
- 第2回厚生労働省ヘルスケアAX・DX推進本部の開催案内
- 香港年金、中国本土での年金受け取りに越境送金サービスを導入
- 令和8年度地方財政審議会(9月1日)議事要旨
- 深セン市、新製品発表や初出店の促進策を公表、初出店に最大300万元支給
- 第2四半期のGDP成長率は前年同期比7.14%、全セクターがプラス成長
自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?
無料でプレスリリースを掲載する