経済・産業トレンド

トランプ米大統領、ホルムズ海峡通航貨物への20%負担金提案、イランは対抗姿勢

トランプ米大統領は、ホルムズ海峡の開放を主張しつつ、イラン船舶またはイランの顧客に限定した海上封鎖の再開を表明しました。さらに、海峡を通航する全ての貨物に対し、安全確保を理由に貨物価格の20%の負担金を課す考えを示しています。米中央軍は2026年7月14日午後4時(米東部時間)からイラン港湾出入り船舶への海上封鎖を再開すると発表。これに対し、イラン軍は米国の介入を認めず、干渉には断固対応すると警告しました。イスラエルは軍事衝突に巻き込まれる想定はないとしつつ、あらゆる事態に備える姿勢を示しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

海運・物流業界、エネルギー関連企業、および国際貿易を行う企業は、ホルムズ海峡の通航コスト増加や航行リスク上昇に直面する可能性があります。サプライチェーンに影響が出る恐れがあり、特に中東からの原油・ガス輸入に依存する国や企業は代替ルートや在庫戦略の見直しを検討する必要があるでしょう。関係する部門は、国際情勢リスク管理、物流、調達、法務、広報など多岐にわたります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 海運・物流・国際貿易
発表日 2026-07-14
分類 経済・産業トレンド
地域 東京都

発表された内容

2026年07月14日

米国のドナルド・トランプ大統領は7月13日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、ホルムズ海峡は開放されており、開放され続けると主張した。その一方で、「イラン船舶またはイランの顧客」に限定した海上封鎖を再開すると表明し、その他の国による海峡利用については「公正かつ自由な利用」が保障されると説明した。さらにトランプ大統領は、米国がホルムズ海峡の安全確保を担うことを理由に、「公平性の観点から」として海峡を通航する全ての貨物に対して貨物価格の20%の負担金を課す考えを示した。

イラン向け海上封鎖の再開に関するトランプ大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)

トランプ大統領の指示に基づき、米中央軍(CENTCOM)は7月13日、7月14日午後4時(米東部時間)からイランの港湾に出入りする船舶に対する海上封鎖を再開すると発表した。対象はイランの港湾および沿岸地域との間を航行する船舶で、封鎖に抵触しない船舶についてはホルムズ海峡を含む周辺海域での航行支援を継続するとしている。米中央軍によると、前回の封鎖期間(4月13日~6月18日)には140隻超の船舶を旋回させ、9隻の非協力船舶を無力化したほか、人道支援物資を輸送する50隻超の商船の通航を認めたという。米中央軍は、オマーン湾およびホルムズ海峡周辺を航行する船舶に対し、航行警報の確認と米海軍への連絡を呼びかけている。

一方、7月13日付のイラン学生通信(ISNA)によると、イラン軍中央司令部のエブラヒム・ゾルファガリ報道官は7月13日、「いかなる状況においても米国によるホルムズ海峡の管理への介入は認めない」と表明した。また、米軍がイラン軍の承認なく指定航路外で商船やタンカーの航行に干渉した場合、イラン軍は断固として対応すると警告した。さらに、地域諸国に対し、米軍への協力や後方支援はイランの主権と国家安全保障を侵す「行為」とみなすと強調した。

イスラエルの「エルサレム・ポスト」紙(7月9日)によると、イスラエル軍(IDF)当局者は、イスラエルが米国・イラン間の軍事衝突に巻き込まれると現時点では想定していないとしつつ、「あらゆる事態に備えている」という。また、イスラエル首相府によると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は7月9日にトランプ大統領と電話会談を行い、両国間の継続的な連携を確認した。トランプ大統領は湾岸地域における米国の動向について説明した。ネタニヤフ首相はトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領による反イスラエル発言は深刻なものと指摘し、イスラエル国境沿いの安全保障地帯の必要性について提起したとしている。

イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応、イスラエルとハマスの衝突に関する動き、各国の反応、第2次トランプ政権の動向を参照。

(中溝丘)

(米国、イラン、イスラエル、トルコ、中東)

ビジネス短信 161b27f7b2ed7832

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ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

トランプ米大統領、ホルムズ海峡通航貨物への20%負担金提案、イランは対抗姿勢

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/161b27f7b2ed7832.html

時系列

主な数値

ホルムズ海峡通航貨物への負担金率 20%
前回の海上封鎖期間 4月13日~6月18日期間
前回の海上封鎖で旋回させた船舶数 140隻超
前回の海上封鎖で無力化した非協力船舶数 9隻
前回の海上封鎖で通航を認めた人道支援物資輸送商船数 50隻超

この事例から確認すべきポイント

この発表は、国際的な主要航路であるホルムズ海峡の安全保障と通航に関する米国の新たな政策提案、およびそれに対するイランの強い反発を示しています。トランプ大統領のSNSを通じた発表形式は、外交政策決定プロセスにおけるSNSの役割の増大を示唆します。米国が提案する20%の負担金は、海運業界や国際貿易に直接的な経済的影響を与える可能性があり、原油価格や物流コストへの波及効果が懸念されます。米中央軍による海上封鎖の再開は、イランとの緊張関係をさらに高め、地域情勢の不安定化を招く恐れがあります。各国政府や企業は、ホルムズ海峡を通航する船舶の安全確保、航行ルートの代替案、保険対応、およびサプライチェーンへの影響を慎重に評価する必要があるでしょう。イスラエルを含む周辺国の動向も注視すべき点であり、偶発的な衝突のリスク管理が重要となります。企業広報としては、このような国際情勢の急変に対し、迅速かつ客観的な情報収集と、自社事業への影響評価、そして関係者への適切な情報提供が求められます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-14

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