経済・産業トレンド

米若年層でAI利用拡大への期待より懸念が増加、シンクタンク調査

米国のピュー・リサーチ・センターは、AI利用に関する調査結果を発表した。AI利用拡大について「期待より懸念が大きい」の割合が52%に上昇し、特に18~29歳の若年層で39%から55%へと急速に懸念が高まった。また、米成人の71%が今後20年間でAIにより雇用が減少すると回答し、若年層の積極的なAI活用実態も示された。

この発表の要点

企業・自治体への影響

企業や自治体においては、AIに対する社会的な懸念や雇用不安の高まりを意識した労務・人事戦略および広報戦略が必要となる。特に経営企画、人事、広報部門において、従業員のリスキリング支援や社内AI利用ルールの明確化が求められる。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 広報 人事

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 IT・ソフトウェア
発表日 2026-08-21
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月21日

米国のシンクタンク、ピュー・リサーチ・センター(PRC)は8月18日、人工知能(AI)利用に対する米国人の認識に関する調査結果(注1)を発表した。AIの利用拡大について「期待よりも懸念の方が大きい」の割合が52%と、2021年調査時(37%)から上昇した。年代別では、全ての層で2023年調査時に懸念が高まったが、18~29歳の若年層は2024年調査時の39%から今回55%と懸念が急速に高まり、30歳以上の層と同水準になった。

「懸念よりも期待の方が大きい」とする割合は、2021年の18%から低下し、今回9%だった。「期待と懸念が半々」とする割合も2021年の45%から今回37%に低下した。

米成人の71%が今後20年間でAIによって米国の「雇用が減少する」と回答し、2024年調査時(64%)から増加した。AIによって「雇用が増加する」と考える人はわずか5%で、10%は「大きな変化はない」と回答した。

年代別では、65歳以上では「雇用が減少する」の割合が63%にとどまったが、65歳未満の年代では全て7割を超えた(18~29歳:73%、30~49歳:74%、50~64歳:72%)。

若年層はより活発にAIを活用
AP通信とシカゴ大学全米世論調査センター(NORC)が7月に実施した世論調査(注2)によれば、AIは次のような項目で活用されていることがわかった。また、若年層(18~29歳)をみれば、全ての項目で全体を大きく超え、より活発に利用していることがわかった。

情報収集(全体60%、若年層74%)

アイデア探し(40%、62%)

業務利用(37%、52%)

Eメール文面作成(34%、50%)

画像の作成や編集(33%、47%)

娯楽(30%、44%)

ショッピング(26%、40%)

話し相手(16%、25%)

(注1)実施時期は2026年6月22~28日。対象者は全米の成人3,488人。
(注2)実施時期は2026年7月10~14日。対象者は全米の成人1,437人。

(松岡智恵子)

(米国)

ビジネス短信 77befea6438e16dc

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米若年層でAI利用拡大への期待より懸念が増加、シンクタンク調査

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/77befea6438e16dc.html

時系列

主な数値

期待よりも懸念の方が大きい割合(今回) 52%
期待よりも懸念の方が大きい割合(2021年) 37%
18~29歳の若年層の懸念割合(2024年) 39%
18~29歳の若年層の懸念割合(今回) 55%
懸念よりも期待の方が大きい割合(2021年) 18%
懸念よりも期待の方が大きい割合(今回) 9%
期待と懸念が半々の割合(2021年) 45%
期待と懸念が半々の割合(今回) 37%
今後20年間でAIによって米国の雇用が減少すると回答した割合(今回) 71%
今後20年間でAIによって米国の雇用が減少すると回答した割合(2024年) 64%
AIによって雇用が増加すると考える人の割合 5%
AIによって大きな変化はないと回答した割合 10%
65歳以上で雇用が減少すると回答した割合 63%
18~29歳で雇用が減少すると回答した割合 73%
30~49歳で雇用が減少すると回答した割合 74%
50~64歳で雇用が減少すると回答した割合 72%
情報収集でのAI活用(全体) 60%
情報収集でのAI活用(若年層) 74%
アイデア探しでのAI活用(全体) 40%
アイデア探しでのAI活用(若年層) 62%
業務利用でのAI活用(全体) 37%
業務利用でのAI活用(若年層) 52%
Eメール文面作成でのAI活用(全体) 34%
Eメール文面作成でのAI活用(若年層) 50%
画像の作成や編集でのAI活用(全体) 33%
画像の作成や編集でのAI活用(若年層) 47%
娯楽でのAI活用(全体) 30%
娯楽でのAI活用(若年層) 44%
ショッピングでのAI活用(全体) 26%
ショッピングでのAI活用(若年層) 40%
話し相手でのAI活用(全体) 16%
話し相手でのAI活用(若年層) 25%
注1調査対象者数 3488人
注2調査対象者数 1437人

この事例から確認すべきポイント

本調査結果は、AI技術の普及が進む一方で、社会一般および若年層の間で将来の雇用不安や利用に対する懸念が急速に高まっている実態を示している。企業経営や広報・人事部門においては、AI活用による生産性向上という利点だけでなく、従業員や求職者が抱く雇用の減少・リスキリングに対する懸念に配慮したメッセージングが求められる。また、若年層をはじめとする幅広い層が日常的にAIを業務や情報収集に活用している現実を踏まえ、社内におけるAI利用ガイドラインの整備や適切なリテラシー教育の推進が実務上の重要な課題となる。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-21

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