アルゼンチン政府、鉱業投資制度を近代化、手続き簡素化で投資の拡大を推進
この発表の要点
- アルゼンチン政府は政令482/2026号を公布し、鉱業投資制度を近代化・簡素化した。
- 輸入手続きの簡素化、安定性確保証明書の取得簡素化、付加価値税(IVA)迅速還付制度の改善などが主な改正点である。
- 政府は本改正により、鉱業セクターへの投資、雇用、輸出の拡大を促進する方針である。
企業・自治体への影響
アルゼンチンで鉱業関連事業を展開する企業や、同国への投資を検討している企業は、輸入手続きの簡素化や税制優遇により事業環境が改善される可能性がある。特に、鉱山開発、関連資本財・機材の製造・供給、鉱業向けサービス提供業者は、今回の制度変更が事業計画やサプライチェーンに与える影響を評価し、新たな事業機会を検討する必要がある。
対応すべきこと
- アルゼンチンの鉱業投資制度の最新情報を確認し、自社事業への影響を評価する。
- 輸入手続きの変更点を確認し、必要な宣誓供述書の準備体制を整える。
- 付加価値税(IVA)の迅速還付制度の改善点を把握し、還付申請プロセスを見直す。
- 安定性確保証明書の取得要件と有効期間の起算点を確認し、長期投資計画に反映させる。
対象部門: 経営者 法務 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | アルゼンチン政府 |
|---|---|
| 業界 | 鉱業 |
| 発表日 | 2026-06-24 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月24日
アルゼンチン政府は6月23日、政令482/2026号を公布し、鉱業投資関連制度を改正した。1993年に制定された鉱業投資法(法律第24196号)は、2025年7月4日付の政令449/2025号により規制緩和と手続きの近代化が図られたが、それをさらに改正した。今回の政令は、序文で「近年の生産、技術および行政の実態の変化に適合させることが必要であり、鉱業分野の競争力の向上ならびに行政運営の効率化を図る」ものだと説明している。フェデリコ・スツルツェネガー規制緩和・国家改造相は、自身のX(旧ツイッター)を通じて「30年以上手付かずだった制度が近代化された。アルゼンチンは、リチウム、銅、金、銀など世界でも有数の鉱業ポテンシャルを有する。しかし、潜在力が自動的に投資に結びつくわけではないため、明確かつ簡素で予見可能なルールが必要だったのだ」と評した。
今回の政令では、輸入手続きが簡素化された。これまで関連資本財、機材、部品などの輸入には、所管当局が発行した事前許可および証明書の取得が必要だったが、今後、輸入者は当該輸入品が鉱業向けとする宣誓供述書のみを提出すればよい。他にも、制度を30年間変更しないことを保証する安定性確保の証明書を簡素に取得できる。また、同証明書の有効期間は、フィージビリティスタディー(F/S、実現可能性調査)の提出日、または鉱山プロジェクトの承認を可能とした補足情報の提出日が起点となることも明確にされた。他方、企業側の義務として、鉱山プロジェクトにおいて技術的・経済的・法的に重要な変更した場合、F/Sを更新しなければならい。
付加価値税(IVA)の迅速還付制度も改善される。還付を行うための必要書類として請求書および領収書などのみを求めるとしている。地域統合の概念(注)を拡大させる目的で、上限距離を従来の200キロメートルから500キロメートルまで拡大する。この変更により、鉱床と処理プラントの連携を通じて、より広範な地域での事業展開が可能になるとしている。さらに、鉱業向けサービス提供業者向け制度も導入した。
政府は、本改正により、戦略的に重要な産業である鉱業セクターの発展を促進し、投資、雇用、輸出の拡大を図るとしている。鉱業庁によれば、2026年1~4月における鉱業部門全体の輸出額は前年同期比84.3%増の32億5400万ドルとなり、過去最高の輸出額に達した。2035年には、同輸出額が通年で362億5,000万ドルとなる見通しだ。
(注)鉱山開発における地域統合の意で、鉱山採掘現場だけでなく、周辺地域のインフラやサプライチェーンも一体化させて開発・発展すること。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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アルゼンチン政府、鉱業投資制度を近代化、手続き簡素化で投資の拡大を推進
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/4c5832dd1fd7187d.html
時系列
- 1993 鉱業投資法(法律第24196号)が制定された。
- 2025-07-04 政令449/2025号により、鉱業投資法が規制緩和と手続きの近代化が図られた。
- 2026-06-23 アルゼンチン政府が政令482/2026号を公布し、鉱業投資関連制度をさらに改正した。
主な数値
| 鉱業部門輸出額(2026年1-4月) | 32.54億ドル |
|---|---|
| 鉱業部門輸出額見通し(2035年) | 362.5億ドル |
| 地域統合概念の上限距離(改正前) | 200キロメートル |
| 地域統合概念の上限距離(改正後) | 500キロメートル |
この事例から確認すべきポイント
アルゼンチン政府による鉱業投資制度の近代化は、同国の豊富な鉱物資源ポテンシャルを最大限に活用し、国際的な投資を呼び込むための戦略的な取り組みである。輸入手続きの簡素化や安定性確保証明書の取得容易化は、海外からの投資家にとっての参入障壁を低減し、事業の予見可能性を高める効果が期待される。また、付加価値税の迅速還付制度改善や地域統合概念の拡大は、鉱業プロジェクトの運営コスト削減と効率化を支援し、競争力向上に寄与するだろう。政府高官のコメントからも、30年以上手付かずだった制度の刷新が、投資拡大に不可欠であるとの認識が示されている。企業は、このような海外の政策変更が自社の事業戦略や投資計画に与える影響を迅速に評価し、必要に応じて対応を検討する体制を整えるべきである。特に、鉱業関連企業やサプライチェーンに関わる企業は、現地の法制度変更を継続的にモニタリングし、事業機会の創出やリスク管理に活かすことが重要となる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-24
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