経済・産業トレンド

米エレクトラ、オハイオ州でハイブリッド電動航空機工場建設に8.5億ドル投資

米国の次世代航空機開発・製造を手掛けるエレクトラは、オハイオ州スプリングフィールドに8.5億ドルを投じ、初の本格的な生産施設を設立する計画を発表しました。2027年着工予定のこの施設では、9人乗りハイブリッド電動航空機「EL9」が生産され、約2,000人の新規雇用が創出される見込みです。この投資はEL9の開発段階から量産段階への移行を目的とし、年間最大800機の生産を目指します。

この発表の要点

企業・自治体への影響

航空宇宙産業、特に次世代航空モビリティ分野の企業は、新たな市場機会と技術動向を注視する必要がある。オハイオ州の地域経済には、大規模な投資と雇用創出により、サプライチェーンや関連産業への波及効果が期待される。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 エレクトラ
業界 航空宇宙
発表日 2026-07-21
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月27日

米国の次世代航空機の開発・製造を手掛けるエレクトラ(本社:バージニア州マナッサ)は7月21日、オハイオ州スプリングフィールドで8億5,000万ドルを投じ、同社にとって初の本格的な生産施設を設立する計画を発表した。

同施設では、EL9ウルトラショート機(9人乗りハイブリッド電動航空機)が生産され、約2,000人の新規雇用が創出される見込みだ。同社は、今回の投資を「EL9の開発段階から量産段階へ移行するため」のものと位置付けている。

新施設は、スプリングフィールド・ベックリー市営空港に隣接する「エアパーク・オハイオ」に2027年から建設開始の予定で、第1段階では年間400機、将来的には年間最大800機の生産を目指す。

EL9は、ハイブリッド電気推進システムとブローリフト技術を採用し、空港を経由せずに出発地から目的地へ直接移動する「ダイレクト・アビエーション」という輸送形態を可能にする。駐車場、はしけ、スポーツフィールドなどのスペースを利用して、わずか150フィート(約46メートル)の距離で離着陸が可能だ。同社は商用の次世代航空モビリティー、軍事ロジスティクス、人道支援用途といった新たな市場での需要を見込んでいる。

オハイオ州における航空機製造大手のエアバスやボーイングのサプライヤー拠点は、640に及ぶ。また、米国航空宇宙局(NASA)のグレン研究センターや全米最大級のライト・パターソン空軍基地があり、航空宇宙・防衛産業が集積している地域として知られる(注)。

今回の投資に関してマイク・デワイン知事(共和党)は、「エレクトラがスプリングフィールドに約2,000人の新規雇用を創出するという決定は、クラーク郡にとって大きな変革をもたらし、オハイオ州が米国を航空の次の時代へと導く独自の能力を示すことになる」と述べた。

また、エレクトラのマーク・アレン最高経営責任者(CEO)は、「スプリングフィールドとクラーク郡では、この新たな時代に必要なまれにしかない条件、すなわち整備された用地、熟練した労働力、充実した航空宇宙・防衛産業のエコシステム、そして私たちと共にこの未来を築き上げるという強い意志とビジョンを持った州および地方のリーダーたちを発見できた」と語った。

(注)特にオハイオ州西部(デイトン~スプリングフィールド地域)では、米国の次世代航空モビリティ・クラスターとして急速に形成が進んでおり、最近では「空飛ぶタクシー」で知られる電動航空スタートアップのジョビー・アビエーション(本社:カリフォルニア州サンタクルーズ)が同地域で2025年10月に生産を開始、2026年1月には第2工場の取得と生産の拡大を発表している。

(星野香織)

(米国)

ビジネス短信 086b0a0634fc03a8

関連情報

dummy

もっと見る

ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

米エレクトラ、オハイオ州でハイブリッド電動航空機工場建設に8.5億ドル投資

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/086b0a0634fc03a8.html

時系列

主な数値

投資額 8.5億ドル
新規雇用創出数 2000人
生産機数(第1段階) 400機/年
生産機数(将来的) 800機/年
EL9乗員数 9人
EL9離着陸距離 46メートル
オハイオ州の航空機製造サプライヤー拠点数 640拠点

この事例から確認すべきポイント

この発表は、次世代航空モビリティ市場の本格的な立ち上がりと、それに対する企業の積極的な投資戦略を示すものです。エレクトラがハイブリッド電動航空機EL9の量産体制を構築することで、従来の航空輸送に代わる「ダイレクト・アビエーション」という新たな輸送形態の実現を目指しています。特に、わずか46メートルでの離着陸を可能にする技術は、空港インフラに依存しない運用を可能にし、商用、軍事、人道支援といった多様な分野での応用が期待されます。
また、オハイオ州が航空宇宙・防衛産業の集積地であり、次世代航空モビリティのクラスターとして急速に形成されている背景は、企業が大規模投資を行う上での重要な判断材料となります。熟練した労働力、既存のエコシステム、そして州および地方政府の強力な支援は、新規事業の成功に不可欠な要素です。この事例は、技術革新と地域経済の活性化が連携するモデルとして、他の地域や産業における同様の取り組みの参考となるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-27

関連事例

自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?

無料でプレスリリースを掲載する