第31回労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会 議事録
この発表の要点
- 令和6年のじん肺健康管理実施状況において、新規有所見労働者数が前年から倍近く急増したと報告された。
- 新規有所見労働者数の急増は、事業場からの報告様式記載誤りや労働局での登録ミスなど、データ取扱いの誤りが原因である可能性が高く、現在精査中である。
- 労働者側委員から、じん肺健康診断の100%受診と未受診事業場への監督指導の徹底、および再発防止策の報告が求められた。
企業・自治体への影響
本発表は、じん肺健康管理に関する国の統計データの信頼性に疑義が生じていることを示しており、関連する行政機関(労働局など)はデータ収集・管理体制の見直しが求められます。また、ゴム製品製造業や一般機械器具製造業など、粉じん作業を伴う事業場は、じん肺健康診断の確実な実施と、労働局への正確な報告が改めて重要となります。これにより、企業の総務・人事部門は、健康診断の実施状況や報告内容の確認を強化する必要が生じます。
対応すべきこと
- 公式出典(厚生労働省)にて、精査後の正式なデータが発表された際に内容を確認する。
- じん肺健康診断の対象となる労働者がいる事業場は、健康診断の100%実施を徹底する。
- 労働局への報告様式の記載内容を再確認し、正確なデータ提出を心がける。
- 関係部門(総務、人事、安全衛生担当)へ本発表の内容を共有し、自社の対応状況を確認する。
対象部門: 経営者 総務 人事
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 厚生労働省 |
|---|---|
| 分類 | 行政処分・コンプライアンス |
発表された内容
令和8年3月25日(水) 10:00~
場所
厚生労働省 専用第22~24会議室
出席者
公益代表(敬称略)
飯田 裕貴子、潤間 励子、島田 裕子、髙田 礼子、中野 真規子、山本 忍
労働者代表(敬称略)
金井 一久、鈴木 誠一、冨髙 裕子、堀尾 純士、松尾 慎一郎、前田 悠士
使用者代表(敬称略)
笠原 康雄、川中 一哲、松本 純子、森田 大三
事務局
安井 省侍郎(安全衛生部長) 佐々木 孝治(労働衛生課長)
森川 博司(主任中央じん肺診査医) 中村 登紀子(健康疫学専門官)
議題
(1)じん肺健康管理実施状況について(報告)
(2)ずい道等建設労働者健康情報管理システムについて(報告)
(3)その他
議事
議事内容
○髙田部会長 それでは、時間になりましたので、第31回「労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会」を開催させていただきます。
本日は、坂下委員、矢内委員から御欠席の御連絡をいただいております。
潤間委員、前田委員、島田委員、森田委員はウェブでの御参加となります。
議事に入る前に、タブレットやマイク等の操作方法の説明と資料の確認を事務局からお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 今回は、タブレットにて資料をご用意しております。タブレットにつきましては、画面を御覧いただき、議事次第、資料等が並んでいるページであることをご確認ください。操作は指でできますので、見たい資料をタッチしてお開きください。前の画面に戻る場合は、左上に表示されている矢印や「戻る」の箇所をタッチしてください。資料のページを進みたい場合は、下へスクロールをお願いします。不具合等はございませんでしょうか。御不明な点があれば、係員が対応いたしますのでお知らせください。
また、御発言の際は、皆様の席にありますコンフィットマイクを御使用ください。発言時にスイッチをオンにし、終わったらオフにお願いします。
次に、タブレットで資料の確認をさせていただきます。
議事次第。
資料1「じん肺健康管理実施状況」。
資料2「ずい道等建設労働者健康情報管理システムにおけるデータ登録状況等」。
資料3「じん肺に関する研修実施状況」。
参考資料として、参考1「令和6年業種別じん肺健康管理実施状況」。
参考2「ずい道等建設労働者健康情報管理システムについて」。
参考3「じん肺部会委員名簿」。
参考4「労働政策審議会令」。
参考5「労働政策審議会運営規程」。
参考6「安全衛生分科会運営規程」。
参考7「じん肺部会運営規程」。
オンラインで御参加の委員には事前にお送りしております。資料の不足等がございましたら、事務局までお知らせください。
また、お手元に、『じん肺診査ハンドブック』改訂第5版をお配りしております。委員の皆様方におかれましては、御意見等を賜り、本当にありがとうございました。
ここで傍聴の方へのお願いですが、カメラ撮影等はここまでとさせていただきますので御協力をお願いします。
以上です。
○髙田部会長 ありがとうございました。
それでは、議事を進めさせていただきます。
議題(1)は、「じん肺健康管理実施状況について」になります。
事務局から説明をお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 資料1を御覧ください。じん肺健康管理実施状況についてです。令和6年度の結果がまとまりましたので、御報告いたします。
最初の1.が、じん肺健康診断結果になります。こちらは、適用事業場数、粉じん作業従事労働者数、じん肺健康診断実施事業場数、じん肺健康診断受診労働者数、新規有所見労働者数の数字をこちらでお示ししています。平成19年から令和6年まで時系列に沿って載せております。
ここで御覧いただきたいのが、一番右側の新規有所見労働者数が令和5年から令和6年に倍近く急増しております。原因を調べたところ、参考1を御覧いただきたいのですが、こちらは業種別に健康管理実施状況を載せたものになります。左から1、2、3、4、5と載せておりますが、5番のところが新規有所見労働者数で、一番上の「ゴム製品製造業」というところを御覧ください。ここが令和6年は41人となっております。ふだんは1桁でここ5年ぐらい推移していたのですが、それが急増しております。
それから、下のほうに行っていただいて、「一般機械器具製造業」というところが55名となっております。ここもちょっと増えていますので、これを都道府県ごとに取り寄せました。各都道府県で数字が大きくなっている労働局に対して問合せをしたところ、事業場から報告いただいている報告の様式に記載するところが間違っていたり、あるいは労働局が提出を受けて登録のミスをしていたり、そういったものがあって、データの取扱いの誤りが考えられました。そのため、各労働局に対してちゃんと調査をするようにお願いしているところです。
ですので、今、資料1、参考資料1に「精査中」と書かせていただいております。正式なデータがまとまり次第、またご報告させていただきたいと思います。
資料1にお戻りください。
続きまして、2.がじん肺管理区分の内訳になっております。こちらは、管理区分決定件数、管理区分1、管理区分2、管理区分3、管理区分4、管理区分2から4までの有所見者の合計、そして、合併症り患件数をこちらのほうでお示ししています。こちらは、労働局から管理区分決定がついた件数を報告していただいております。
一番下の令和6年を御覧いただきますと、管理区分決定がついた人が全部で1,058人、そのうち管理区分1が223、管理区分2が667、管理区分3のイが89、管理区分3のロが71、管理区分4が8名ということになっております。その結果、有所見者の合計が835となっております。合併症のり患者の数が2名となっております。こちらを見ていただきますと、全体的な傾向としては減少傾向にあるのかなと考えております。
続きまして、3.随時申請に係るじん肺管理区分決定状況を御覧ください。こちらは、随時申請によって申請された方にじん肺の管理区分を決定したものになります。こちらも同じように各管理区分によって報告をしていまして、令和6年を御覧いただきますと、管理区分決定件数の総数が542、管理区分1が203、管理区分2が225、管理区分3のイが29、管理区分3のロが42、管理区分4が43名、有所見者の合計が339、合併症のり罹患件数が30となっております。こちらも減少傾向にあるのかなと考えております。
続きまして、4.の合併症り患者数を御覧ください。こちらは、6種類の合併症について、それぞれ何名り患されていたかというのをまとめたものになります。令和6年ですと、原発性肺がんの方が2名となっております。
続きまして、5.の随時申請に係る合併症り患者数を御覧ください。こちらは、令和6年は続発性気管支炎が22名、原発性肺がんが9名となっております。
資料1については以上です。
○髙田部会長 御説明ありがとうございました。
今、資料1について御説明いただきましたけれども、有所見労働者数について現在精査中という状況でございます。
ただいまの説明につきまして、質問や意見等はございますでしょうか。会場参加の委員からいかがでしょうか。
冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 ご説明ありがとうございました。
新規有所見者数が急増した要因について調査を行うとともに、その対策について、本部会に報告をいただきたいと思います。
なお、労働側として、毎回発言をしておりますが、じん肺健康診断の対象となる労働者の100%受診に向けて、より一層の取組をいただきたいと思います。また、未受診者が存在する事業場に対する監督指導の徹底もぜひお願いしたいと思います。
以上です。
○髙田部会長 ありがとうございました。
事務局、いかがでしょうか。何かコメントはございますか。
○森川主任中央じん肺診査医 ありがとうございます。
ちゃんと精査してご報告して、もし本当に増えているようであれば対策をしっかりしたいと考えております。また、未受診者がいないように、そこも事業所に対して周知徹底をしていきたいと考えております。ありがとうございます。
○髙田部会長 冨髙委員、よろしいでしょうか。
○冨髙委員 再発防止策を含めて、周知いただければと思います。
○髙田部会長 もし間違い等がありましたら、再発防止策もしっかりしていただきたいということでしょうから、よろしくお願いいたします。
そのほかいかがでしょうか。
松尾委員、お願いいたします。
○松尾委員 今のことに関連して、単純に集計の間違いだったということで理解してよろしいのですか。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 その可能性が高いと考えております。ただ、本当に増えているかもしれないので、そこはちゃんと精査をさせていただきます。
○髙田部会長 お願いいたします。
○佐々木労働衛生課長 補足をいたします。労働衛生課長でございます。
今回、数字が上がっていることから、経年的に見ますと著しい増加でございますので、数字上の問題ではないかということで、幾つか大きな都道府県労働局に確認をいたしました。そこから伺えたのは、この報告は事業者から上がってくるデータになります。もともと原票のほうでどうも著しい増加が見られているという可能性がございましたので、上がってきている時点で様式が分かりにくい部分があったかもしれませんけれども、その原因も考えられるかなと思った次第でございます。ただ、あくまでもこれは仮説の段階でございますので
出典: 厚生労働省
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74615.html
時系列
- 2026-03-25 第31回労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会が開催され、じん肺健康管理実施状況等が報告された。
- 2024 令和6年のじん肺健康管理実施状況が報告され、新規有所見労働者数が前年から倍近く急増したことが示された。
主な数値
| 新規有所見労働者数(令和6年、ゴム製品製造業) | 41人 |
|---|---|
| 新規有所見労働者数(令和6年、一般機械器具製造業) | 55名 |
| じん肺管理区分決定件数(令和6年) | 1058人 |
この事例から確認すべきポイント
本議事録は、じん肺健康管理におけるデータ報告の正確性の重要性を浮き彫りにしています。新規有所見労働者数の急増が報告されたものの、その原因がデータ入力や報告様式の誤りである可能性が指摘されており、行政機関におけるデータ管理の厳格化と、事業場への報告ガイドラインの明確化が喫緊の課題であることが示唆されます。企業側は、じん肺健康診断の対象となる労働者への受診徹底はもちろんのこと、労働局への報告内容の正確性を確保するための内部チェック体制を強化する必要があります。また、労働政策審議会のような公的な場で報告されるデータの信頼性は、今後の労働衛生政策の立案に直結するため、精査結果と再発防止策の速やかな公表が求められます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-14
関連事例
- 令和8年度第1回医道審議会医師分科会医師専門研修部会
- 第6回「労働基準法における「労働者」に関する研究会」を開催します
- 第54回特定石綿被害建設業務労働者等認定審査会 開催案内
- 「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」第42回会合の開催について
- 令和8年度第1回社会復帰促進等事業に関する検討会(開催案内)
自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?
無料でプレスリリースを掲載する