CATL、英オクトパスエナジーと欧州でEVトラック向け電池交換網を構築へ
この発表の要点
- CATLとオクトパスエナジーが欧州で大型EVトラック向けバッテリー交換ネットワークを構築。
- 2027年に英国でサービス開始、2035年までに30カ所以上に拡大予定。
- VtoG技術を活用し、EVを仮想発電所として電力網に貢献する可能性を検討。
企業・自治体への影響
欧州で大型EVトラックを運用する物流企業や、EV関連インフラ事業者は、新たなバッテリー交換サービスやVtoG技術の動向に注目する必要がある。エネルギー供給事業者や電力系統運用者にとっても、EVをVPPとして活用する可能性は、将来の電力需給バランスに影響を与える。関連する業界は、輸送効率向上と脱炭素化の機会を検討すべき。
対応すべきこと
- 欧州でEVトラックを運用する企業は、本バッテリー交換ネットワークの展開地域とサービス内容を注視する。
- EVフリート導入を検討している企業は、充電インフラだけでなくバッテリー交換技術の選択肢も考慮に入れる。
- VtoG技術やVPPに関心のある企業は、今後の実証や制度設計の動向を継続的に情報収集する。
- 関係部門(経営者、経理、総務、情シス)へ本発表の概要を共有し、自社への影響を検討する。
対象部門: 経営者 総務 情シス 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 寧徳時代新能源科技(CATL)、オクトパスエナジー |
|---|---|
| 業界 | エネルギー |
| 発表日 | 2026-06-22 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月25日
中国電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は6月22日、英国のエネルギー供給会社オクトパスエナジーと合弁会社を設立すると発表した。両社は欧州向けの大型EVトラック(電気自動車)のバッテリー交換ネットワークの構築を共同で進める方針。
CATLによると、2027年に英国で本プロジェクトの第1弾となるバッテリー交換ステーションを整備し、高速道路の主要幹線や港湾エリアを優先的にカバーする計画。2035年までに30カ所以上に拡大、スコットランドとウェールズにも展開し、英国の主要幹線道路を網羅するネットワークを形成する計画だ。また、大型物流センターにも交換ステーションを設置し、都市部の配送需要への対応を進める。なお、バッテリー交換ステーションには同社開発の大型トラック向けバッテリー交換技術「騏驥(チージー)」が活用される(2023年6月22日記事参照)。
同日のオクトパスエナジーの発表によると、ネットワークが本格稼働すれば、30万台超のEVトラックの運用を支えることが可能となり、欧州の輸入石油依存の低減や、自国・域内で生み出されるグリーン電力への転換を促進すると見込まれている。
オクトパスエナジーのグレッグ・ジャクソン創業者兼最高経営責任者(CEO)は、「EVトラックは既にディーゼルトラックより運用コストの面で優位にあるが、長時間の充電による運行効率の低下が課題だった。バッテリー交換技術によって、数時間充電待ちをする必要がなくなり、数分で走行を再開できるようになる」と述べた。また、自社のソフトウエアおよびエネルギー分野の知見と、CATLのバッテリー技術を組み合わせることで、欧州におけるクリーン物流の大規模展開を目指す考えを示した。
さらに両社は、EVトラック事業に加え、CATLのグローバルな自動車パートナーからなるネットワークを活用し、VtoG(注1)技術の展開も検討している。これにより、将来的には数百万台規模のEVを仮想発電所(VPP、注2)として活用し、電力需要のピーク時に車載バッテリーの電力を電力網へ供給することで、電力コストの低減を目指す。
(注1)VtoGとは、Vehicle to Gridの略。電気自動車(EV)の蓄電池を送配電系統に接続して充放電する技術を指す。
(注2)VPPとは、Virtual Power Plantの略。太陽光発電・風力発電・蓄電池・EVなどの分散した電源や需要設備を情報通信技術(ICT)でまとめて制御し、あたかも1つの発電所のように機能させる仕組みを指す。
(梁梓園)
(中国、英国、欧州)
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CATL、英オクトパスエナジーと欧州でEVトラック向け電池交換網を構築へ
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/f06ef6f62ba03d08.html
時系列
- 2026-06-22 CATLとオクトパスエナジーが合弁会社設立を発表
- 2027 英国でバッテリー交換ステーションの第1弾を整備開始
- 2035 英国でバッテリー交換ステーションを30カ所以上に拡大
主な数値
| 支援可能EVトラック数 | 30万超台 |
|---|---|
| 2035年までのバッテリー交換ステーション数 | 30以上カ所 |
| 合弁会社設立発表日 | 2026-06-22日付 |
| JETRO記事公開日 | 2026-06-25日付 |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、欧州における大型EVトラックの普及を加速させる重要な動きであり、特に長距離輸送におけるEVの運用課題であった充電時間をバッテリー交換技術で解決する可能性を示している。これにより、EVトラックの運用コスト優位性がさらに高まり、ディーゼルトラックからの転換を促進すると期待される。また、VtoG技術の検討は、EVを単なる輸送手段としてだけでなく、電力系統の安定化に貢献する仮想発電所(VPP)として活用する将来的なビジョンを提示。企業は、EVフリート導入の検討において、充電インフラだけでなくバッテリー交換サービスやVtoGのような新たなエネルギーマネジメント技術の動向を注視する必要がある。これは、脱炭素化とエネルギー効率化の両面から、物流業界やエネルギー業界に大きな影響を与える可能性がある。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-25
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