上半期の輸出入はともに増加、貿易赤字は約167億ドル
この発表の要点
- 2026年上半期のベトナム貿易収支は166億5,591万ドルの赤字となった。
- 輸出入ともに増加したが、輸入の伸び率(33.4%増)が輸出(21.0%増)を上回った。
- コンピュータ電子製品・同部品が輸出入の主要品目であり、中国からの部材調達に依存する構造が継続している。
企業・自治体への影響
本発表は、ベトナムとの貿易を行う製造業、特に電子機器関連企業や、物流・商社部門に影響を与えます。貿易赤字の拡大や主要品目の動向は、サプライチェーン戦略や調達・販売計画に影響を及ぼす可能性があり、国際的な関税政策や海上運賃の変動も事業リスクとして考慮すべきです。
対応すべきこと
- ベトナムの貿易統計詳細を公式出典(ベトナム税関局、ジェトロ)で確認する。
- 自社のサプライチェーンにおけるベトナムとの貿易関係(輸出入品目、相手国)を再評価する。
- 国際的な関税政策の動向や海上運賃の変動リスクをモニタリングし、事業計画に反映させる。
- 原油・石油製品価格の動向が調達コストに与える影響を評価する。
対象部門: 経営者 経理 広報 法務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 発表日 | 2026-08-03 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月03日
添付資料(247 KB)
ベトナム税関局が7月10日に発表した速報値によると、2026年上半期(1~6月)の貿易収支は166億5,591万ドルの赤字となった。輸出額は前年同期比21.0%増の2,665億1,350万ドルだったが、輸入額が33.4%増の2,831億6,941万ドルとなり、輸出の伸び率を上回った。対中赤字は、39.0%増の772億7,625万ドル、対米黒字は21.3%増の752億2,817万ドルとなった。対日収支については、11億5,819万ドルの黒字で5.0%減となった。
輸出先を国・地域別にみると、米国、中国、韓国が上位を占め、3カ国向けの合計は輸出総額の52.6%を占めた(添付資料表1参照)。
輸入元では、中国、韓国、台湾が上位を占め、輸入総額のうち63.6%を占めた(添付資料表2参照)。
輸出を主要品目別にみると、1位はコンピュータ電子製品・同部品、2位は機械設備・同部品、3位は電話機・同部品だった(添付資料表3参照)。コンピュータ電子製品・同部品の輸出額は、前年同期比49.1%増の711億5,670万ドルとなった。このうち、最大の輸出市場である米国向けは279億9,894万ドルで、同国向け輸出総額の32.4%を占めた。
輸入の主要品目別にみると、1位がコンピュータ電子製品・同部品、2位は機械設備・同部品、3位は織布・生地だった(添付資料表4参照)。コンピュータ電子製品・同部品の輸入額は前年同期比62.0%増加した。原油は、輸入数量が前年同期比14.6%減少した一方で、輸入額は17.7%増加した。石油製品も、輸入数量は11.3%増だった一方で、輸入額は73.5%増となった。いずれも輸入数量に比べて輸入額の伸びが大きく、原油価格上昇の影響がうかがえる。
米国向けの輸出を主要品目別にみると、1位はコンピュータ電子製品・同部品(前年同期比51.4%増)、2位は機械設備・同部品(22.5%増)、3位は縫製品(1.9%増)だった(添付資料表5参照)。現地メディアは、ホーチミン市から米国西海岸向けのコンテナ海上運賃が急騰している、と報じた。7月24日に従来の米国の関税政策の終了を控え、(2026年2月24日記事参照)、新たな関税政策を見据えた駆け込み需要が輸出を押し上げた可能性を指摘している。
中国からの輸入を主要品目別にみると、1位はコンピュータ電子製品・同部品(前年同期比68.8%増)、2位は機械設備・同部品(24.1%増)、3位は織布・生地(4.2%増)だった(添付資料表6参照)。ベトナムでは電子機器の組み立て工程を担う生産拠点が多く、輸出向け製品の製造に必要な部材を中国から調達する構造が続いている。
(丹野広大)
(ベトナム)
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上半期の輸出入はともに増加、貿易赤字は約167億ドル
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/b3cf6f3d32ac0d78.html
時系列
- 2026-02-24 関連する米国の関税政策に関する過去記事が参照される
- 2026-07-10 ベトナム税関局が2026年上半期(1~6月)の貿易収支速報値を発表
- 2026-07-24 従来の米国の関税政策の終了を控える
主な数値
| 貿易赤字額 | 166億5,591万ドル |
|---|---|
| 輸出額 | 2,665億1,350万ドル |
| 輸入額 | 2,831億6,941万ドル |
| 輸出増加率 | 21.0% |
| 輸入増加率 | 33.4% |
| 対中赤字額 | 772億7,625万ドル |
| 対米黒字額 | 752億2,817万ドル |
| 対日黒字額 | 11億5,819万ドル |
| 輸出上位3カ国合計割合 | 52.6% |
| 輸入上位3カ国合計割合 | 63.6% |
| コンピュータ電子製品・同部品輸出額 | 711億5,670万ドル |
| 米国向けコンピュータ電子製品・同部品輸出額 | 279億9,894万ドル |
| コンピュータ電子製品・同部品輸入額増加率 | 62.0% |
| 原油輸入数量減少率 | 14.6% |
| 原油輸入額増加率 | 17.7% |
| 石油製品輸入数量増加率 | 11.3% |
| 石油製品輸入額増加率 | 73.5% |
この事例から確認すべきポイント
ベトナムの2026年上半期の貿易統計は、輸出入ともに大幅な伸びを示しつつも、輸入の伸びが輸出を上回り貿易赤字が拡大している現状を明らかにしました。特にコンピュータ電子製品・同部品が輸出入ともに主要品目であり、ベトナムが電子機器の組み立て拠点として機能し、中国からの部材調達に大きく依存している構造が継続していることが示唆されます。また、米国向け輸出の増加には、関税政策変更前の駆け込み需要や海上運賃の急騰が影響している可能性が指摘されており、国際的な貿易政策や物流コストの変動が企業のサプライチェーンに与える影響を注視する必要があります。原油・石油製品の輸入額増加は、国際的なエネルギー価格の動向がベトナム経済に与える影響も示しています。企業はこれらのマクロ経済指標を把握し、貿易相手国や品目ごとの動向、国際情勢の変化が自社の事業に与えるリスクと機会を継続的に評価することが求められます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-03
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