USMCA見直しの第3回米メキシコ間協議が開催、第4回は9月に実施へ
この発表の要点
- USMCA見直しに関する米メキシコ間の第3回協議が開催され、経済安全保障、労働、自動車などの分野が議論された。
- 米国が発表した追加関税(1974年通商法301条)は、USMCA原産地規則を満たすメキシコからの輸出品には免除される。
- メキシコ経済界は、拙速な合意を避け、既存の追加関税(1962年通商拡大法232条)による市場の歪みの是正を求めている。
企業・自治体への影響
国際貿易に関わる製造業、特に自動車、鉄鋼・アルミニウム関連企業は、USMCAの原産地規則や米国の追加関税動向を注視する必要がある。サプライチェーンや輸出戦略に直接的な影響を及ぼす可能性がある。
対応すべきこと
- 自社の製品がUSMCAの原産地規則を満たしているか確認し、関税免除の適用条件を把握する。
- 米国とメキシコ間の貿易協議の進捗、特に自動車や鉄鋼・アルミニウム分野の動向を継続的に情報収集する。
- 米国が発表した追加関税(1974年通商法301条)の対象品目と適用除外条件を確認し、自社への影響を評価する。
- 関係部門(貿易、法務、調達、営業など)と情報を共有し、今後の貿易政策変更に備えた対応策を検討する。
対象部門: 経営者 法務 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | メキシコ経済省, 米国通商代表部 (USTR) |
|---|---|
| 業界 | 国際貿易 |
| 発表日 | 2026-07-23 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月24日
メキシコ経済省は7月23日、7月21~23日にかけてメキシコ市で開催された、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直しにおける米国との第3回2国間協議について、プレスリリースを発表した。また、同日米国通商代表部(USTR)との共同声明も発表した。協議には、メキシコ側はマルセロ・エブラル経済相、米国側はジェミソン・グリアUSTR代表が参加した。まだ具体的な内容は明かされていないものの、経済安全保障、労働、農業、電子決済、鉄鋼・アルミニウム、自動車などの分野について協議したとしている。進展があった課題としては、鉄鋼・アルミニウムおよび派生製品、戦略的セクター、バリューチェーンの強化、アジアからの輸入代替を挙げた。
プレスリリースでは、米国が7月23日に発表した、1974年通商法301条の調査に基づく、日本を含む60カ国・地域に対する10%または12.5%の追加関税(2026年7月24日記事参照)にも触れた。メキシコの場合、USMCAの原産地規則を満たす輸出品に対しては、同追加関税は免除される。そのため「現在、米国市場向けのメキシコ産輸出品の約85%はUSMCA原産品であり、これらは引き続き関税ゼロのままだ」と強調した。また、次回の2国間協議は9月に開催することで合意したと発表した。
メキシコ経済界は、合意を急ぐ必要はないと主張
日本の経団連に相当するメキシコの企業家調整評議会(CCE)のホセ・メディナ・モラ会長は、第3回協議に先立って行われたインタビューで、「USMCAの見直しには時間がかかる。短期間で解決するような問題ではない」と強調した(「イマヘン・ラジオ」7月20日付)。また、「メキシコ経済界は、早急に不十分な合意を締結することは望んでいない」とし、「短期的な合意には至らず、合意は少なくとも米国の中間選挙が終わってからになるだろう」との見方を示した。その中で、1962年通商拡大法232条に基づく自動車に対する追加関税について、「メキシコ企業は日本や韓国にいる競合よりも高い関税を払っているが、彼らはUSMCAの原産地規則を順守する必要がない」と述べ、追加関税によってひずみが生じているとし、これが是正されることを期待するとした。また、鉄鋼・アルミニウムに対する同追加関税についても、「米国はベトナムからの鉄鋼購入を増やし、メキシコからの購入を減らしている。これはアジアからの輸入低減という方針とは相反する結果となっている」と述べ、「これらの関税を他の国々と同様の水準まで引き下げ、包括的な合意や見直しが達成されることを求めていく」と強調した。
(阿部眞弘)
(メキシコ、米国)
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USMCA見直しの第3回米メキシコ間協議が開催、第4回は9月に実施へ
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/786c6d4ec9999716.html
時系列
- 2026-07-20 メキシコの企業家調整評議会(CCE)会長がUSMCA見直しについてインタビューで発言
- 2026-07-21 米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)見直しにおける米国との第3回2国間協議がメキシコ市で開始
- 2026-07-23 米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)見直しにおける米国との第3回2国間協議が終了
- 2026-07-23 メキシコ経済省が第3回2国間協議に関するプレスリリースを発表
- 2026-07-23 米国通商代表部(USTR)がメキシコ経済省との共同声明を発表
- 2026-07-23 米国が1974年通商法301条の調査に基づく追加関税を発表
- 2026-09-01 第4回2国間協議が開催予定(具体的な日付は未定のため月初を設定)
主な数値
| 米国市場向けのメキシコ産輸出品のUSMCA原産品割合 | 85% |
|---|---|
| 米国が追加関税を発表した国・地域数 | 60カ国・地域 |
| 米国が発表した追加関税率(低) | 10% |
| 米国が発表した追加関税率(高) | 12.5% |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、国際的な貿易協定の見直しが企業活動に与える影響の大きさを浮き彫りにする。特に、USMCAのような地域貿易協定における原産地規則の遵守は、関税免除の可否を左右するため、輸出入を行う企業にとって極めて重要である。また、米国が一方的に発動する通商法301条や232条に基づく追加関税は、既存の貿易協定との間で複雑な関係を生み出し、サプライチェーンの再編やコスト増のリスクをもたらす。企業は、こうした貿易政策の動向を継続的に監視し、自社の事業への影響を評価する必要がある。さらに、メキシコ経済界の意見表明に見られるように、業界団体を通じた政府への働きかけも、交渉結果に影響を与える可能性があるため、関連業界の動向も注視すべきである。政治的要因(米国中間選挙など)が交渉の長期化や結果に影響を与える可能性も考慮し、中長期的な視点での戦略立案が求められる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-24
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