経済・産業トレンド

WIIWが夏季経済予測を発表、中・東欧と西バルカンは成長を維持

ウィーン比較経済研究所(WIIW)は、中・東欧および西バルカンの夏季経済予測を発表しました。中・東欧EU加盟11カ国の2026年実質GDP成長率は2.2%に下方修正されたものの、ユーロ圏全体を上回る成長を維持する見込みです。西バルカン6カ国も成長を予測。中東情勢によるエネルギー価格高騰がインフレを強めたものの、経済は成長を維持しています。しかし、中・東欧は競争力低下や中国との競争激化、ドイツ経済の影響といった構造的課題に直面していると指摘されています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

この経済予測は、中・東欧および西バルカン地域に進出している、または進出を検討している製造業、小売業、サービス業などの企業に影響を与えます。特に、ドイツ経済との連携が強い製造業は、サプライチェーンや市場戦略の見直しが必要となる可能性があります。また、各国の個人消費動向や最低賃金引き上げは、現地での事業展開における人件費や購買力に影響を与えるため、経理・人事・経営企画部門は注視すべきです。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 経理 広報 人事

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ウィーン比較経済研究所(WIIW)
発表日 2026-07-01
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月24日

添付資料(274 KB)

ウィーン比較経済研究所(WIIW)は7月1日、中・東欧および西バルカンの夏季経済予測を発表した。2026年の中・東欧のEU加盟11カ国の実質GDP成長率は、2026年4月に発表された春季経済予測から0.1ポイント引き下げられ、2.2%と予測。2027年の成長率は2.4%となる見通しだ。ユーロ圏全体との比較で、2026年は1.5ポイント、2027年は1.4ポイント上回る見込みだ。西バルカン6か国の成長率は2026年に2.5%、2027年に3.0%と予測されている(添付資料表参照)。

中東情勢悪化によるエネルギー価格の高騰がインフレを強めたにもかかわらず、中・東欧のEU加盟11カ国を含め、中・東欧と西バルカンの経済は成長を維持している。エネルギー価格やインフレ率は、当面ロシアによるウクライナ侵攻前の水準を上回ると予想されるが、侵攻後に生じたようなインフレショックが再発する兆候はみられていない。

ただし、中・東欧諸国は、地政学的課題に加え、競争力の低下、中国との競争激化、外国直接投資の減少といった構造的な問題にも直面している。また、同予測の筆頭著者であるWIIWのリチャード・グリーベソン副所長は、「中・東欧の経済成長は、主に個人消費によって牽引されている。個人消費は近年の大幅な実質賃金の上昇によって好調に推移してきたが、その勢いは鈍化しつつある」と説明。EU資金の流入や防衛産業への投資も成長を支えているが、「ドイツと緊密に結び付く中・東欧の製造業は、ドイツ製造業の危機やドイツ国内が抱える課題の影響を受け、引き続き苦戦している」と課題も指摘した。

西バルカン6カ国については、アルバニアの成長率が、2026年に3.6%、2027年に3.5%と高く、際立っている。これについてWIIWは、個人消費が成長を牽引していると指摘。名目賃金の上昇、海外からの送金流入が個人消費をさらに押し上げるとみられる。また、月額最低賃金が2026年1月に400ユーロから500ユーロへ引き上げられた。

コソボの実質GDP成長率も2026年に3.3%、2027年に3.4%と、西バルカン地域の全体値を上回る見込みだ。公共部門、製造業、貿易、サービス業、建設業がそれぞれ成長に寄与している。建設業については、住宅需要、外国投資、公共インフラ事業を背景に拡大が続いている。

セルビアの2026年の実質GDP成長率は2.0%と、西バルカン諸国の中で最も低い。個人消費は堅調に推移しているものの、輸出と投資は低調だ。政治情勢に大きな変化はみられていないが、2026年後半に議会選挙が実施される見通し。

なお、ウクライナの2026年の実質GDP成長率は1.0%、ロシアは0.6%と見込まれており、両国とも戦争の影響で低成長が続くと予測されている。

(エッカート・デアシュミット)

(中・東欧、西バルカン、セルビア、コソボ、アルバニア、ウクライナ、ロシア)

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WIIWが夏季経済予測を発表、中・東欧と西バルカンは成長を維持

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/ab849bfdfcc2318d.html

主な数値

中・東欧EU加盟11カ国の2026年実質GDP成長率 2.2%
中・東欧EU加盟11カ国の2027年実質GDP成長率 2.4%
中・東欧EU加盟11カ国の2026年ユーロ圏全体に対する上回り幅 1.5ポイント
中・東欧EU加盟11カ国の2027年ユーロ圏全体に対する上回り幅 1.4ポイント
西バルカン6か国の2026年成長率 2.5%
西バルカン6か国の2027年成長率 3.0%
アルバニアの2026年成長率 3.6%
アルバニアの2027年成長率 3.5%
アルバニアの2026年1月以前の月額最低賃金 400ユーロ
アルバニアの2026年1月以降の月額最低賃金 500ユーロ
コソボの2026年実質GDP成長率 3.3%
コソボの2027年実質GDP成長率 3.4%
セルビアの2026年実質GDP成長率 2.0%
ウクライナの2026年実質GDP成長率 1.0%
ロシアの2026年実質GDP成長率 0.6%

この事例から確認すべきポイント

このWIIWの夏季経済予測は、中・東欧および西バルカン地域の経済が、地政学的リスクやインフレ圧力にもかかわらず成長を維持していることを示しています。特に、個人消費が成長の主要な牽引役となっている点が注目されます。企業は、この地域の市場動向を把握する上で、個人消費の勢いの鈍化や、ドイツ経済の動向が製造業に与える影響といった構造的課題を考慮に入れる必要があります。また、外国直接投資の減少や中国との競争激化は、サプライチェーンや市場戦略を再考するきっかけとなるでしょう。各国ごとの成長率や牽引要因の違い(例:アルバニアの最低賃金引き上げ、コソボの建設業拡大、セルビアの輸出・投資低調)は、地域内での事業展開において個別のアプローチが必要であることを示唆しています。ウクライナとロシアの低成長予測は、周辺国への間接的な影響も考慮すべき点です。現時点で取得できた本文からは、詳細なデータや国別の内訳を確認できませんでした。詳細は公式出典をご確認ください。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-24

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