6月は石油価格下落も中長期的には石油需要増加の見通し、OPEC7月月報
この発表の要点
- 6月の原油価格は中東情勢の緊張緩和期待から前月比で約20ドル下落した。
- 中長期的には世界の石油需要は2026年、2027年と堅調に増加する見込みで、特に新興国が牽引する。
- 中東情勢の不安定化、特にホルムズ海峡をめぐる混乱が石油市場にとって最大のリスクである。
企業・自治体への影響
石油価格の変動は、輸送業、製造業、石油化学産業など、原油を直接的または間接的に利用するあらゆる企業に影響を与えます。特に、航空燃料や石油化学原料の需要増は関連産業の事業機会となる一方、中東情勢の悪化はサプライチェーンの混乱やコスト上昇リスクを高め、企業の事業計画や収益に影響を及ぼす可能性があります。
対応すべきこと
- 最新のOPEC月報や関連情報を定期的に確認し、市場動向を把握する。
- 原油価格の変動が自社の事業コスト、製品価格、サプライチェーンに与える影響を評価する。
- 中東情勢など地政学的リスクが事業継続に与える影響を検討し、リスクヘッジ策や代替調達先の確保を検討する。
対象部門: 経営者 経理 総務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | 石油・エネルギー |
| 発表日 | 2026-07-16 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月16日
OPECは7月13日、石油市場月報(2026年7月)を発表した。6月の原油平均価格はブレントで1バレル当たり84.43ドル、WTIは1バレル当たり81.79ドルで、いずれも前月平均より約20ドル下落した。この急落の原因についてOPECは、中東情勢の緊張緩和への期待および原油供給不足への懸念の後退であると分析する。
世界の石油需要については堅調に推移するとの見通しを示した。2026年は前年比1日当たり80万バレル増加、2027年は1日当たり190万バレルの増加を見込む。需要増加の中心は引き続き新興国で、特に石油化学原料や航空燃料の需要増を背景に需要が伸びる中国とインドの2カ国が牽引するという。
供給については、OPECプラスの協調減産参加国(2025年11月5日記事参照)以外について、2026年、2027年ともに1日当たり60万バレルの増産を予測する。2026年の主な増産寄与国としてブラジル、米国、カナダ、アルゼンチン、2027年の主な増産寄与国としてはブラジル、アルゼンチンのほかカタール、カナダが挙げられた。OPECプラス加盟7カ国については、4~8月にかけて増産の維持が発表されている(2026年7月8日記事参照)。
中東情勢の影響について、同報告は中東が引き続き世界最大の石油供給地域であり続け、ホルムズ海峡をめぐる混乱が市場にとって最大のリスクだと評価した。7月に入り、船舶を標的にした攻撃の再開とそれに伴う情勢悪化により不確実性は増している(2026年7月15日記事参照)。7月14日付ロイター通信は、同日の終値がWTIは1バレル当たり79.34ドル、北海ブレントが84.73ドルと、原油価格の上昇を報じている。
中東情勢をめぐる最新動向は「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」を参照。
(塩川裕子)
(中東、世界)
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6月は石油価格下落も中長期的には石油需要増加の見通し、OPEC7月月報
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/48ff877961cc9999.html
時系列
- 2026-07-13 OPECが石油市場月報(2026年7月)を発表
- 2026-07-08 OPECプラス加盟7カ国について、4~8月にかけて増産の維持が発表
- 2026-07-14 ロイター通信が原油価格の上昇を報道
- 2026-07-15 船舶を標的にした攻撃の再開とそれに伴う情勢悪化により不確実性が増している
主な数値
| 6月の原油平均価格(ブレント) | 84.43ドル/バレル |
|---|---|
| 6月の原油平均価格(WTI) | 81.79ドル/バレル |
| 前月平均からの価格下落幅 | 約20ドル |
| 2026年 世界の石油需要増加見込み | 80万バレル/日 |
| 2027年 世界の石油需要増加見込み | 190万バレル/日 |
| 2026年 OPECプラス以外供給増産予測 | 60万バレル/日 |
| 2027年 OPECプラス以外供給増産予測 | 60万バレル/日 |
| 7月14日付終値(WTI) | 79.34ドル/バレル |
| 7月14日付終値(北海ブレント) | 84.73ドル/バレル |
この事例から確認すべきポイント
OPECの月報は、短期的な原油価格の変動と中長期的な需給見通し、そして地政学的リスクが石油市場に与える影響を包括的に示しています。6月の価格下落は中東情勢の緊張緩和期待によるものと分析される一方、7月には情勢悪化により価格が上昇するなど、市場の不確実性が高いことを浮き彫りにしています。企業広報としては、このような市場の変動要因を正確に把握し、自社の事業に与える影響を客観的に分析することが重要です。特に、石油化学原料や航空燃料の需要増を牽引する新興国の動向、OPECプラスの生産政策、そして中東情勢の推移は、サプライチェーンやコスト管理に直結するため、継続的な情報収集とリスク評価が不可欠です。不確実性の高い市場環境下では、ステークホルダーへの透明性の高い情報提供と、事業継続計画におけるリスクヘッジ策の検討が求められます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-16
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