経済・産業トレンド 方針発表・権限付与

トランプ米大統領、回収可能な重要鉱物に対する輸出規制の導入方針を発表

トランプ米大統領は2026年7月30日、国内の回収可能な重要鉱物・材料(CMMs)について、国防生産法に基づき輸出規制を導入する権限を商務長官に付与する大統領覚書を発表しました。国家安全保障上の懸念から、CMMsの供給確保のため、使用済み製品や産業廃棄物からの回収・リサイクルを推進する方針です。具体的な輸出規制の対象品目、規制内容、適用時期は今後、商務省が策定する予定であり、これは重要鉱物の国内供給網強化の一環と位置付けられています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

米国と取引のある製造業、リサイクル業、およびこれらに関連するサプライチェーンを持つ企業は、今後の輸出規制の内容によって事業戦略の見直しを迫られる可能性があります。特に、ブラックマスや希土類磁石、金属加工くずなどを扱う企業は影響を受ける可能性が高いです。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 広報 総務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 米国政府
発表日 2026-08-04
分類 経済・産業トレンド
地域 米国

発表された内容

2026年08月04日

米国のドナルド・トランプ大統領は7月30日、国内の回収可能な重要鉱物・材料(CMMs)について、国防生産法(DPA)101条に基づき、輸出規制を導入する権限を商務長官に付与する大統領覚書を発表した。また、ホワイトハウスは同日にファクトシートを発表した。

大統領覚書では、CMMsについて、国家安全保障の確保に必要な産業資源だと認定した。その上で、米国が特定のCMMsについて外国からの輸入に大きく依存しており、深刻かつ長期にわたるサプライチェーンの混乱につながる懸念があるとの認識を示した。こうした供給リスクへの対応として、使用済み製品や産業廃棄物などに含まれるCMMsを回収・リサイクルし、供給確保につなげる方針を示した。

輸出規制の対象となり得る「回収可能な重要鉱物・材料」には、ブラックマス(注)、使用済みの希土類(レアアース)永久磁石、製造工程を完了した重要鉱物・材料を含む製品、金属加工時に発生するスワーフ(切削くず)、および重要鉱物・材料を含有する廃棄物・スクラップなどが含まれる。一方、銅スクラップについては、2025年7月の大統領布告(2025年7月31日記事参照)の対象であるためとして、今回のCMMsの定義から除外された。

大統領覚書に基づき、商務長官には、DPA101条に基づく権限の下、CMMsに関する規則、ルール、ガイダンス、手続きの策定など、必要な措置を講じる権限が付与された。具体的な輸出規制の対象品目、規制内容、適用時期については、今後、商務省が策定する。

なお、今回の措置は、トランプ政権が進める重要鉱物の国内供給網強化の一環と位置付けられる。トランプ政権は、重要鉱物の生産能力の拡大(2025年3月24日記事参照)や戦略備蓄の拡充(2026年2月5日記事参照)の取り組みを進めている。また、同盟国・パートナー国とのサプライチェーン構築に向けた、「資源の戦略地政学的関与に関するフォーラム(FORGE)」などの枠組みも推進している(2026年7月14日記事参照)。

(注)リチウムイオン電池のリサイクル工程で製造され、リチウム、コバルト、ニッケルなどが含まれる。

(葛西泰介)

(米国)

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/2518869e47afdf21.html

時系列

この事例から確認すべきポイント

この発表は、米国が国家安全保障上の観点から、重要鉱物・材料(CMMs)の国内供給網強化を強く推進していることを示しています。特に、使用済み製品や産業廃棄物からのCMMs回収・リサイクルを促進し、外国への過度な依存を解消しようとする意図が明確です。企業は、今後策定される具体的な輸出規制の内容に注視する必要があり、ブラックマス、希土類永久磁石、金属加工くず、重要鉱物含有廃棄物・スクラップなどを扱う企業は、サプライチェーンへの影響を評価し、対応を検討する準備が求められます。また、銅スクラップが除外された点も、今後の規制策定における品目選定の基準を推測する上で重要です。米国政府の動向は、関連する国際的なサプライチェーンやリサイクル産業に広範な影響を与える可能性があり、継続的な情報収集が不可欠です。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-04

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