ホルムズ海峡情勢悪化で日本の原油調達に顕著な影響、ITC分析
最終確認日: 2026-08-08
この発表の要点
- ホルムズ海峡情勢悪化により、依存度の高い12品目の輸出が前年同月比54%減少した。
- 日本の原油輸入はホルムズ海峡依存経済圏からの調達が91%を占め、総輸入量が64%減少した。
- 物流の正常化には数カ月を要し、在庫減少、輸送遅延、コスト増など輸入国への影響拡大が懸念される。
企業・自治体への影響
エネルギー、化学、製造業など、ホルムズ海峡を経由する原材料や製品の調達に依存する企業は、供給不足、価格高騰、輸送遅延といった深刻な影響を受ける可能性があります。特に日本の企業は、原油調達における高い依存度から、事業継続計画の見直しや代替調達先の確保が急務となります。
対応すべきこと
- 自社のサプライチェーンにおけるホルムズ海峡への依存度を再評価し、リスクを特定する。
- 原油、LNG、化学品などの主要原材料について、代替調達先の確保や在庫水準の見直しを検討する。
- 輸送費・保険料の上昇によるコスト増を想定し、価格転嫁やコスト削減策を検討する。
- 地政学的リスクを考慮した事業継続計画(BCP)を策定・更新し、関係部門へ共有する。
対象部門: 経営者 総務 広報 経理 法務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | エネルギー・環境・製造 |
| 発表日 | 2026-08-07 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月07日
国際貿易センター(ITC、注1)は8月4日、ホルムズ海峡情勢が世界経済に及ぼす影響についての分析を発表した。原油、液化天然ガス(LNG)、尿素など、ホルムズ海峡への依存度の高い12の品目(注2)について、2026年4月の貿易統計を基に取引量の変化や代替供給の状況について分析している。
報告によれば、ホルムズ海峡依存経済圏(注3)からの4月の輸出は前年同月比54%減少し、指定された12品目は全て減少している。主な品目の前年比減少率は次のとおり。
LNG:95%減
尿素:83%減
メタノール:80%減
アンモニア:75%減
ポリプロピレン:24%減
代替供給の状況について、12品目のうち、10品目で代替供給国からの輸出が増加したが、ホルムズ海峡依存経済圏からの供給減少を代替供給国が完全に埋め合わせたのはアンモニア、ポリプロピレンのみだった。代替供給国としては、米国が液化ブタンやLNG、中国がポリエチレンやポリプロピレンの供給増加に大きく貢献した。
原油については、輸入の91%をホルムズ海峡依存経済圏から調達する日本が最も依存度が高い市場であり、結果として総輸入量は64%減少した。ほかに依存度が高い国として、韓国も輸入量が23%減、マレーシアも41%減少した。タイについては輸入量が62%増加したが、これは同国の製油会社が代替供給国から追加の原油を積極的に確保したためだと分析している。
今後の見通しについて、紛争の一時的な沈静化により物流再開の期待は高まっているものの、ホルムズ海峡の通航量は依然として平常時を大きく下回っており、物流の正常化の時期や条件は不透明であるとしている。また、ホルムズ海峡の通航が再開後も、物流正常化には数カ月を要すると分析する。輸入国については、在庫や戦略備蓄の減少、輸送遅延の慢性化、さらに輸送費・保険料上昇の価格転嫁により、影響は今後も拡大する可能性があるという。
(注1)国連とWTOが共同で運営する国際機関で、開発途上国の中小企業の輸出促進や国際市場への参入支援を担う。
(注2)LNG、原油、精製石油製品、液化プロパン、液化ブタン、尿素、アンモニア、硫黄、メタノール、ポリエチレン、ポリプロピレン、アルミニウムの12品目。
(注3)ITCが分析対象として定義した、バーレーン、イラン、イラク、クウェート、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の7カ国。
(塩川裕子)
(日本、中東、世界)
ビジネス短信 8fa9407d538fdef9
関連情報
dummy
もっと見る
ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
ホルムズ海峡情勢悪化で日本の原油調達に顕著な影響、ITC分析
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/8fa9407d538fdef9.html
時系列
- 2026-04 ホルムズ海峡情勢悪化による貿易統計の対象期間
- 2026-08-04 国際貿易センター(ITC)がホルムズ海峡情勢に関する分析を発表
主な数値
| ホルムズ海峡依存経済圏からの輸出減少率(前年同月比) | 54% |
|---|---|
| ホルムズ海峡への依存度が高い品目数 | 12品目 |
| 日本の原油輸入減少率 | 64% |
| 日本の原油輸入におけるホルムズ海峡依存経済圏からの調達割合 | 91% |
| LNGの前年比減少率 | 95% |
| 尿素の前年比減少率 | 83% |
| メタノールの前年比減少率 | 80% |
| アンモニアの前年比減少率 | 75% |
| ポリプロピレンの前年比減少率 | 24% |
| 代替供給国からの輸出が増加した品目数 | 10品目 |
| 代替供給で完全に埋め合わせられた品目数 | 2品目 |
| 韓国の原油輸入減少率 | 23% |
| マレーシアの原油輸入減少率 | 41% |
| タイの原油輸入増加率 | 62% |
この事例から確認すべきポイント
国際貿易センター(ITC)の分析は、ホルムズ海峡情勢の悪化が世界経済、特に日本のエネルギー調達に深刻な影響を与えている現状を浮き彫りにしています。主要な原油・LNG供給ルートであるホルムズ海峡の通航量減少は、依存度の高い品目の輸出を大幅に減少させ、代替供給が限定的であるため、多くの国で供給不足を招いています。日本は原油輸入の91%を同海峡経由に依存しており、総輸入量が64%減少したことは、サプライチェーンの脆弱性を示唆します。企業は、地政学的リスクがサプライチェーンに与える影響を再評価し、調達先の多角化や在庫戦略の見直しを急ぐ必要があります。物流の正常化には数カ月を要する見込みであり、輸送費・保険料の上昇によるコスト増も考慮し、事業継続計画(BCP)の強化が不可欠です。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-07 / 最終確認: 2026-08-08
執筆・確認主体
この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。
数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。
編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-08-08
関連事例
- 第1回韓国・中央アジアサミットで「ソウル宣言」を採択
- 米アラスカ州の州知事選世論調査で民主党候補優位に、選挙予想は「接戦」に変更
- 米大手小売り各社、10月上旬から年末商戦の大型セール開始、消費者の節約志向根強く
- EUのサイバーレジリエンス法に基づく報告義務が9月11日から適用開始
- シンガポールの二輪車新車販売で中国メーカーが猛追、4社がトップ10入り、陸運庁月次統計
自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?
無料でプレスリリースを掲載する