経済・産業トレンド

インド再エネ大手、超高純度グリーンアンモニア製造事業に着手

インドの再生可能エネルギー大手プロジール・グリーン・エナジーは、2026年7月にグジャラート州で半導体・太陽電池材料向けの超高純度グリーンアンモニア製造設備の建設を開始しました。本事業は3段階で実施され、第1フェーズでは日産7トンの超高純度アンモニアと高純度グリーン水素を製造し、2027年度第2四半期に商業運転開始を予定しています。同社は既にインド国内企業と供給契約を締結し、日系企業との連携にも期待を表明しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

本発表は、再生可能エネルギー、化学、半導体材料、航空燃料関連産業に属する企業に影響を与えます。特に、日本の半導体材料メーカー、ガス会社、商社、プラント・設備メーカーは、インド市場での新たなビジネス機会やサプライチェーン構築の可能性を検討する必要があるでしょう。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 JETRO
業界 再生可能エネルギー / 化学 / 半導体材料
発表日 2026-08-10
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月10日

インド西部グジャラート州アーメダバード市に本拠を置き、インド4位(注1)の太陽光発電のEPC(設計・調達・建設)事業者で、IPP(独立系発電事業者)も手掛けるプロジール・グリーン・エナジー(Prozeal Green Energy)は、2026年7月に同州南部のスーラト市郊外ダヘジ石油・化学・石油化学投資地域(PCPIR、注2)にて半導体・太陽電池材料向け超高純度グリーンアンモニア(UHP Green Ammonia)製造設備の建設を開始した。

同社はこれまでに2ギガワット(GW)超の再生可能エネルギー発電設備と、50メガワット時の蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)を導入しており、現在インド国内22州で事業を展開するとともに、ネパールと欧州にも進出している。

本事業は3段階で実施され、第1フェーズでは1日当たり7トンの超高純度アンモニアと、副産物である1日当たり1万ノルマル立方メートル(Nm3)の高純度グリーン水素を製造する。水電解設備には5メガワットのアルカリ型電解装置を採用し、2027年度第2四半期(7~9月)の本格的な商業運転開始を予定する。第2フェーズではグリーンアンモニア(日産100~300トン)と半導体・電子材料向け高純度特殊ガス(スペシャルティーガス)の製造を行い、第3フェーズでは持続可能な航空燃料(SAF)、グリーンメタノールの製造へ事業を拡大する。

同社によると、既にインド国内のアンモニア使用企業1社と供給契約を締結しており、顧客基盤の多様化を目的として海外のオフテイカー候補先(注3)と協議中である。アンモニア合成プラントは世界大手メーカーへ発注済みで、プロジェクト・マネジメント・コンサルタント(PMC)は6カ月前から参画しており、電解装置サプライヤーの選定も完了した。現地での建設工事は2026年7月に開始された。

同社グリーン水素部門CEOのアジャイ・ダス氏はジェトロのインタビュー(2026年7月30日)で、「当社は単なる太陽光発電EPC企業ではなく、再生可能エネルギーと蓄電池事業から、水素・高純度アンモニア事業へと事業領域を拡大している。高純度グリーンアンモニア事業はインド国内初の取り組みだ。第1フェーズでは、日本の半導体材料メーカーやガス会社・商社と戦略的投資家やオフテイクパートナーとして、第2・第3フェーズでは設備供給企業としての協業を期待している。加えて、インド国内外で再生可能エネルギー事業の拡大を検討している企業とは、EPCを含む事業開発パートナーとしての協業も歓迎する」と述べ、日系企業との連携に期待を表明した。

プロジール・グリーン・エナジーのグリーン水素部門のダスCEO(ジェトロ撮影)

(注1)2024年度売上高ベース。CRISIL(インド大手信用格付け会社・調査会社)レポートによる。
(注2)石油化学・化学産業を中心としたインド最大級の産業クラスターとして知られる。
(注3)長期購入契約に基づき製品を引き取る需要家または販売先企業。

(林田勇太)

(インド)

ビジネス短信 fa2746686512f09a

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インド再エネ大手、超高純度グリーンアンモニア製造事業に着手

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/fa2746686512f09a.html

時系列

主な数値

太陽光発電EPC事業者ランキング 4位
再生可能エネルギー発電設備導入量 2GW超
蓄電池エネルギー貯蔵システム導入量 50MWh
第1フェーズ 超高純度アンモニア製造量 7トン/日
第1フェーズ 高純度グリーン水素製造量 10000Nm3/日
第1フェーズ 水電解設備容量 5MW
第2フェーズ グリーンアンモニア製造量 100~300トン/日
事業展開国・地域数 24箇所

この事例から確認すべきポイント

本発表は、インドの再生可能エネルギー企業が、グリーン水素・アンモニア製造という新たな事業領域へ拡大する動向を示しています。特に、半導体・太陽電池材料向けの超高純度グリーンアンモニア製造はインド国内初の取り組みとされており、今後の産業構造の変化に注目が集まります。事業は3段階で計画され、最終的には持続可能な航空燃料(SAF)やグリーンメタノール製造まで視野に入れていることから、同社の長期的な戦略と、インド政府のグリーンエネルギー政策との整合性がうかがえます。また、日系企業との協業に期待を表明している点は、日本の半導体材料メーカー、ガス会社、商社、設備供給企業にとって新たなビジネス機会となり得ます。この事例は、新興国におけるグリーン産業の成長と、それを取り巻く国際的なサプライチェーン構築の動きを理解する上で重要です。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-10

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