経済・産業トレンド

ドイツでBEV価格は2020~2025年に実質18%低下、研究機関が報告書発表

フラウンホーファー・システム・イノベーション研究所(ISI)と国際クリーン輸送協議会(ICCT)は、ドイツ市場におけるバッテリー式電気自動車(BEV)の価格動向に関する調査報告書を発表しました。2020年から2025年にかけ、BEVの実質販売価格は18%低下した一方、内燃機関車は2%上昇しました。BEVの平均小売価格は名目上上昇しましたが、これは中型車以上のモデル投入増によるものです。バッテリー価格は実質で35~37%低下しており、BEVの性能改善や研究開発に充当されていると分析されています。BEVモデル数は約4倍に増加しました。

この発表の要点

企業・自治体への影響

自動車メーカーは、ドイツ市場におけるBEVの価格競争力向上と、中型・上位中型セグメントへの市場シフトを戦略立案に考慮する必要があります。バッテリーコストの低下を小売価格にどう反映させるか、またミニ・小型車セグメントのBEVモデル拡充が今後の課題となるでしょう。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 自動車
発表日 2026-07-30
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月30日

フラウンホーファー・システム・イノベーション研究所(ISI)は7月20日、ドイツ市場では2020~2025年にバッテリー式電気自動車(BEV)の販売価格が実質18%低下、内燃機関車は2%上昇したとする調査報告書を発表した(プレスリリース)。フラウンホーファーISIが国際クリーン輸送協議会(ICCT)と実施した本調査では、ドイツ自動車連盟(ADAC)のデータを利用し、車種やモデル、駆動システム、その他仕様など10万件以上の組み合わせを評価し、同期間のドイツにおけるBEVモデルの供給、価格、車両特性の展開状況を分析した。

BEVの平均小売価格は2020~2025年までに名目で約3万7,000ユーロから約5万3,000ユーロに上昇したが、これは中型車や上位中型車に分類されるモデルが多く市場に投入され、その数が現在は全BEVの73%に達していることに起因している。個別モデルについて車両重量やモーター性能、航続距離などの車両特性の経年変化やインフレ率を勘案すると同等性能のBEV価格は同期間に実質18%下がり、逆にエンジン車は約2%上がった。

BEVの価格を左右するバッテリーは、世界全体でみると価格は名目で21~24%下がった。キロワット時当たり165~185ユーロから130~140ユーロへと低下し、インフレを考慮すると実質で35~37%のコストダウンとなった。フラウンホーファーISIは、このコスト低下分がBEVの小売価格に与える影響は現状では限定的であり、BEVの性能改善や研究開発に充てられていると分析。BEVの販売価格引き下げの余地はまだ残されているとコメントした。

なお、ドイツで販売されるBEVのモデル数は2020年には38だったが、2025年には159と約4倍に増加した。特に中型車(上位中型車、下位中型車、中型車の3クラス)が16モデルから117モデルに急増し、中型および上位中型クラスではエンジン車とほぼ同数のBEVモデルが用意されていることになる。ミニ、小型車および高級車に分類されるモデル数の2020~2025年の伸びはそれぞれBEV全体を下回り、ミニと小型車セグメントでは2025年時点ではBEVが19モデルであるのに対し、エンジン車は35モデルといまだに大きな差がある。

(鷲澤純)

(ドイツ)

ビジネス短信 2b9811de11b72431

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ドイツでBEV価格は2020~2025年に実質18%低下、研究機関が報告書発表

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/2b9811de11b72431.html

時系列

主な数値

BEV実質販売価格低下率(2020-2025年) 18%
内燃機関車実質販売価格上昇率(2020-2025年) 2%
BEV平均小売価格(2020年、名目) 37000ユーロ
BEV平均小売価格(2025年、名目) 53000ユーロ
バッテリー価格低下率(名目) 21-24%
バッテリー価格低下率(実質) 35-37%
ドイツにおけるBEVモデル数(2020年) 38モデル
ドイツにおけるBEVモデル数(2025年) 159モデル

この事例から確認すべきポイント

本報告書は、ドイツ市場におけるBEVの価格動向が、単なるコスト削減だけでなく、市場投入されるモデルのセグメント構成の変化に大きく影響されていることを示唆しています。名目価格の上昇は、消費者の購買意欲が中型・上位中型車へシフトしていること、およびメーカーがこれらのセグメントに注力している現状を反映しています。バッテリーコストの顕著な低下が、現状では小売価格に直接的に反映されず、性能向上や研究開発に投じられているという分析は、BEVの技術革新が継続していることを示します。今後、バッテリーコストのさらなる低下が小売価格に転嫁されれば、BEVの普及がさらに加速する可能性があり、自動車メーカーは市場戦略においてこの点を考慮する必要があるでしょう。また、ミニ・小型車セグメントにおけるBEVモデルの不足は、今後の市場開拓の余地を示唆しています。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-30

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