カナダ、日英イタリアによる次世代戦闘機の共同開発計画「GCAP」に初のオブザーバー参加
この発表の要点
- カナダが日英伊の次世代戦闘機共同開発計画「GCAP」に初のオブザーバーとして参加した。
- カナダは将来的なGCAP参加の可能性や国内防衛産業の参画機会を評価し、イノベーション創出と防衛産業基盤強化を目指す。
- 現時点ではカナダからの資金拠出は想定されておらず、既存のF-35A調達計画の見直しとは直接影響しないとされている。
企業・自治体への影響
防衛産業、航空宇宙産業に属する企業は、国際的な共同開発プロジェクトへの参画機会や技術協力の可能性を検討する必要があるでしょう。特に、第6世代戦闘機に期待されるAI、無人機協働、多領域技術に関わる企業は、新たなビジネスチャンスを探るべきです。
対応すべきこと
- 国際的な防衛協力の動向、特にGCAPの進捗状況を継続的に情報収集する。
- 自社の技術や製品が次世代戦闘機開発に貢献できる可能性を評価し、関連企業との連携を検討する。
- カナダの「防衛産業戦略」や「構築・連携・調達」方針を理解し、カナダ市場への参入機会を探る。
- 関係部門(経営企画、研究開発、国際事業部など)へ本情報を共有し、戦略的な検討を促す。
対象部門: 経営者 広報 経理 法務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ(日本貿易振興機構) |
|---|---|
| 業界 | 防衛産業・航空宇宙 |
| 発表日 | 2026-07-23 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月23日
カナダ国防省は7月21日、日本、英国、イタリアによる「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」に、同国がオブザーバーとして参加すると発表した。GCAPにオブザーバー参加する国・地域はカナダが初めてとなる。将来的なGCAP参加の可能性や防衛産業の参画機会の評価につなげる考えだ。
GCAPは2022年12月に発表された、日本、英国、イタリアによる次期戦闘機の共同開発計画だ(2022年12月26日記事参照)。各国が保有する戦闘機(注1)の後継機として第6世代戦闘機(注2)の開発を進め、2035年までの実用化を目指している。GCAPには、日本の三菱重工業、英国のBAEシステムズ、イタリアのレオナルドが参加している。現時点では、カナダが資金を拠出することは想定されていない(「ロイター」7月21日)。
オブザーバー参加により、カナダはGCAPに関する情報提供を受けるとともに、国内防衛産業が第6世代戦闘機に参画する機会を探る。これにより、イノベーションの創出や国内防衛産業基盤の強化を図り、高度な航空戦闘技術や製造分野における専門性の向上が期待される。カナダは2026年2月に発表した「防衛産業戦略」で、「構築・連携・調達(Build-Partner-Buy)」(注3)の方針の下、同志国間の協力拡大を図り、国内防衛産業の育成と経済効果の創出を進める方針を示している。今回のオブザーバー参加も、こうした戦略に沿った取り組みと位置付けている。
4カ国による共同声明では、カナダのオブザーバー参加を歓迎するとともに、信頼関係で結ばれた志を同じくするパートナー間の協力を一層強化する上で重要な一歩になるとした。また日本の小泉進次郎防衛相は会見で、「カナダのオブザーバー参加は、日本とカナダの防衛協力を一層強化する上で大きな弾みとなる」と述べた(注4)。
カナダ政府は2023年1月、F-35A戦闘機を米国から調達することを発表したが、2025年3月に調達計画の見直しに着手した。米国による関税措置などを背景に見直しが開始されたと報じられている(「グローブ・アンド・メール」7月21日付)。デービッド・マクギンティ国防相は7月20日、英国で開催されているファンボロー国際航空ショーにおける記者会見で、今回のGCAPへのオブザーバー参加は調達見直しに影響を与えないと説明した。
(注1)日本の航空自衛隊はF-2戦闘機の後継機とするほか、イタリアと英国はユーロファイター・タイフーンの後継機として検討している。
(注2)第6世代戦闘機には、高度なステルス性や通信能力に加え、人工知能(AI)、無人機との協働運用、多領域を横断して機能する技術などの導入が期待されている。
(注3)国内において強靭(きょうじん)かつ革新的な防衛産業基盤を「構築」するとともに、自国単独では対応できない防衛装備品は信頼できる国・地域と「連携」して生産し、それが困難な場合には、カナダが主権的統制を確保できる形で同盟国から「調達」する方針を指す。
(注4)カナダ政府は2026年6月、「チーム・カナダ貿易ミッション」を日本に派遣し、マクギンティ氏らが防衛産業に関わるカナダ企業とともに訪日していた(2026年7月1日記事参照)。
(木村勇翔)
(カナダ、日本、イタリア、英国、米国)
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カナダ、日英イタリアによる次世代戦闘機の共同開発計画「GCAP」に初のオブザーバー参加
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/80ee3d66197efe45.html
時系列
- 2022-12-00 日本、英国、イタリアによる次期戦闘機の共同開発計画「GCAP」が発表された。
- 2023-01-00 カナダ政府がF-35A戦闘機を米国から調達することを発表した。
- 2025-03-00 カナダ政府がF-35A戦闘機の調達計画の見直しに着手した。
- 2026-02-00 カナダが「防衛産業戦略」を発表した。
- 2026-06-00 カナダ政府が「チーム・カナダ貿易ミッション」を日本に派遣した。
- 2026-07-20 デービッド・マクギンティ国防相がファンボロー国際航空ショーで、GCAPへのオブザーバー参加はF-35A調達見直しに影響を与えないと説明した。
- 2026-07-21 カナダ国防省がGCAPへのオブザーバー参加を発表した。
主な数値
| GCAP実用化目標年 | 2035年 |
|---|
この事例から確認すべきポイント
本発表は、カナダが日英伊による次世代戦闘機共同開発計画「GCAP」にオブザーバー参加するという国際的な防衛協力の進展を示すものです。カナダは、国内防衛産業の育成と経済効果創出を目的とした「防衛産業戦略」に基づき、将来的なGCAPへの本格参加や自国産業の参画機会を評価する意向です。現時点では資金拠出は想定されておらず、既存のF-35A調達計画の見直しとは直接関連しないと説明されています。この動きは、国際的な防衛装備品開発における多国間協力の重要性が高まっている現状を反映しており、参加国にとっては技術共有や産業基盤強化の機会となる一方、非参加国にとっては将来的な防衛産業の競争環境に影響を与える可能性があります。企業は、国際的な防衛協力の動向を注視し、自社の技術や製品が将来的にどのような形で貢献できるかを検討する機会と捉えるべきでしょう。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-23
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