経済・産業トレンド

チェコ政府、英国ロールスロイスSMRと国内SMR建設拡大準備に関する覚書に署名

チェコ産業貿易省、チェコ電力(CEZ)、英国ロールスロイスSMRは、チェコ国内における小型モジュール炉(SMR)建設拡大準備に関する覚書に署名しました。この覚書は、既存のテメリンに加え、トシミツェとジェトマロビツェを含む3カ所に最大6基のSMR建設を見込み、最大3ギガワットの発電を目指します。チェコ政府は、この共同事業が国内企業にとってSMR分野での世界的プレーヤーとなる機会を広げると期待しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

本発表は、チェコ共和国および英国のエネルギー関連企業(特に原子力・発電)、製造業(SMR部品)、ならびにエネルギー政策や産業育成に関わる政府機関に大きな影響を与えます。SMR導入の国際的なトレンドとサプライチェーン構築の動向を示すものです。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理 法務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 チェコ産業貿易省
業界 エネルギー・原子力
発表日 2026-07-24
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月24日

カレル・ハブリーチェック産業貿易相は7月21日、訪問先の英国で、チェコ産業貿易省、チェコ電力(CEZ)、および英国ロールスロイスの小型モジュール炉(SMR)関連子会社のロールスロイスSMRが、チェコ国内におけるSMR建設拡大準備に関する覚書に署名したと発表した。

チェコ政府が約70%の株式を所有するCEZは、2024年10月にロールスロイスSMRの株式の約20%を取得し、同時に同社とSMRの開発・建設に関する戦略的パートナーシップ協定を締結していた(2024年11月7日記事参照)。

今回署名した覚書に先立ち、CEZは、チェコ国内における最初のSMR建設地として、既存の原子力発電所を擁するテメリン(チェコ南西部)を選定し、2026年4月に、ロールスロイスSMRと建設許可書類などの準備作業実施を内容とする契約書に署名していた。英国・北ウェールズのウィルファに続き(2025年11月19日記事参照)、ロールスロイスSMRが手掛ける2基目のSMRとなるテメリンのSMRは2030年代後半完成の予定だ。

今回の覚書は、テメリン以外の候補地におけるSMR建設準備の足掛かりとなる。CEZは特に現在石炭火力発電所が立つトシミツェ(チェコ北西部)とジェトマロビツェ(同北東部)の2カ所の事前調査を進めている。ロールスロイスSMRのクリス・コレートン最高経営責任者(CEO)によると、同覚書はチェコ国内3カ所に最大6基の建設を見込んだ内容となっており、実現すると最大3ギガワットの発電が可能となる。

チェコ側は、CEZとロールスロイスSMRの共同事業拡大を、国内企業がSMR分野において世界的プレーヤーとなる機会を広げるものとみている。ハブリーチェック産業貿易相は、「チェコ産業に世界的規模の技術的好機をもたらす」と指摘。またCEZのトマーシュ・プレスカチ取締役は、「SMRはチェコ産業にとってグローバルな可能性を意味する。チェコの伝統的な原子力関連企業は長い歴史と独自のノウハウを有し、SMRプロジェクトに参画することでそのノウハウをさらに深めていくことが可能となる」とコメントした。

チェコ企業としては、2026年5月に、原子力発電の大手エンジニアリング・部品メーカー・シュコダJSがSMR中枢部品のサプライヤー2社のうちの1社として、ロールスロイスSMRに選定されている。CEZのプレスカチ取締役は、「ロールスロイスSMRは、サプライチェーン構築の開始段階にある。既に、国際市場における自社のポジション強化を望むチェコ企業が、大きな関心を寄せている」として、シュコダJSに続く国内企業のSMR事業参画への期待を表明した。

(中川圭子)

(チェコ、英国)

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チェコ政府、英国ロールスロイスSMRと国内SMR建設拡大準備に関する覚書に署名

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/c058432b92de305a.html

時系列

主な数値

CEZのロールスロイスSMR株式取得比率 約20%
SMR建設予定地数 3カ所
SMR最大建設基数 6基
SMR最大発電量 3ギガワット
CEZのチェコ政府所有株式比率 約70%

この事例から確認すべきポイント

本発表は、チェコ共和国がエネルギー安全保障の強化と脱炭素化を推進する上で、小型モジュール炉(SMR)技術を戦略的に位置付けていることを示唆しています。英国ロールスロイスSMRとの覚書締結は、SMRの具体的な導入計画が複数サイトで進行中であることを明確にし、特に既存の石炭火力発電所跡地を候補とすることで、エネルギー転換への強い意志がうかがえます。また、チェコ電力(CEZ)によるロールスロイスSMRへの出資や、国内企業であるシュコダJSのサプライヤー選定は、単なる技術導入に留まらず、SMR関連産業の国内育成と国際市場での競争力強化を目指す包括的な戦略の一環と解釈できます。このような国際的なパートナーシップは、SMR技術の標準化とサプライチェーン構築において重要な役割を果たす可能性があり、他国におけるSMR導入事例のモデルとなることも期待されます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-24

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