サウジアラビア・カナダ投資フォーラムを開催、AIやエネルギーなど15件の覚書締結
この発表の要点
- サウジアラビアとカナダが投資フォーラムを開催し、AI、エネルギー、鉱物資源など多岐にわたる分野で15件の覚書を締結した。
- 両国は外国投資促進保護協定(FIPA)の交渉妥結を2027年初頭までに目指し、二重課税防止条約の交渉開始にも合意した。
- カナダのAI技術とサウジアラビアのコンピューティングパワー・エネルギーインフラの融合を図るAI分野での具体的な提携が発表された。
企業・自治体への影響
AI、エネルギー、鉱業、インフラ、金融、教育、医療分野に関わる日本企業は、サウジアラビアとカナダ間の新たな投資機会やサプライチェーンの変化に注目する必要がある。特に、両国市場への進出を検討している企業や、関連技術・サービスを提供する企業は、今後の動向が事業戦略に影響を与える可能性がある。
対応すべきこと
- サウジアラビアおよびカナダ市場におけるAI、エネルギー、鉱業関連の投資動向を継続的に情報収集する。
- 外国投資促進保護協定(FIPA)や二重課税防止条約の交渉進捗を注視し、将来的な投資環境の変化に備える。
- 自社の事業が関連する分野(AI、エネルギー、インフラ等)において、両国企業間の提携事例を分析し、新たなビジネス機会や競合環境の変化を評価する。
対象部門: 経営者 総務 法務 情シス 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-13 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月13日
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相の招待により、カナダのマーク・カーニー首相が2026年7月8日から10日にかけてサウジアラビア西部ジッダを公式訪問した。これに伴い、両国の政府高官や民間企業リーダーらが集まる「サウジアラビア・カナダ投資フォーラム」が7月9日に開催され、15件の覚書(MOU)が締結された。
両首脳は会談の中で、外国投資促進保護協定(FIPA)の交渉を2027年初頭までに妥結させる方針を確認したほか、二重課税防止条約の交渉開始についても合意した。また、2国間関係を新たな段階へと格上げするため、両外相が主導する「カナダ・サウジアラビア調整評議会」およびそのロードマップとなる「共同作業文書」の立ち上げも発表した。加えて、カナダ側は、サウジアラビアが目指す2030年のG20サミット招致・開催を支持するとともに、2030年リヤド万博への参加意向をあらためて表明した。
本フォーラムで締結された主なMOU・協力分野の概要は次のとおり。
先進技術〔人工知能(AI)〕:2034年までに6.6ギガワットのAIデータセンター容量確保を目指すサウジアラビアの方針に沿い、AI投資やスキル開発に関するMOUを締結した。カナダの最先端AI研究とサウジアラビアのコンピューティングパワーおよびエネルギーインフラの融合を図る。カナダのAI企業コヒア(Cohere、注1)とサウジアラビアのヒューメイン(HUMAIN、注2)によるAIインフラ構築に向けた戦略的提携や、ブラックベリー(BlackBerry、注3)とアラムコ・デジタル(Aramco Digital、注4)による安全な通信技術分野での連携に向けた協議開始を発表した。
エネルギー・鉱物資源:従来のエネルギー分野に加え、再生可能エネルギー、水素、炭素管理技術、サイバーセキュリティー分野での協力を網羅するエネルギー協力のMOUを締結した。鉱業分野でも2026年1月に結ばれたMOUに基づき、同国の鉱物資源探査や融資に関する協力をさらに推進する。
その他:インフラ、金融、教育、医療分野など、広範なセクターにおける包括的な経済投資協力に関するMOUを締結。
共同声明では、2026年7月7日にホルムズ海峡で発生したイランによる民間船舶への攻撃を「国際海運の安全、世界へのエネルギー供給、および国連安保理決議を含む国際法に対する重大な違反」として強く非難。さらに、パレスチナ問題について市民の保護と人道支援の必要性を強調した。カナダ側がパレスチナ国家を承認したことに対し、サウジアラビア側が歓迎の意を表明するなど、地域の安定と平和的解決に向けた立場が共有された。
(注1)ビジネスや企業・組織向けに特化した生成AIや大規模言語モデル(LLM)を開発・提供するカナダのAIスタートアップ企業。
(注2)サウジアラビアにおける次世代の最先端AIインフラの構築やAIモデルの開発・展開を主導する、同国政府系ファンド「公共投資基金(PIF)」傘下のAIテクノロジー企業。
(注3)カナダを代表するテクノロジー企業。現在は、高度なサイバーセキュリティー、安全性の高い通信、および自動車や工場向けの組み込みOSなどのIoT(モノのインターネット)関連技術を提供。
(注4)サウジアラビア国営石油会社サウジ・アラムコが設立した子会社で、デジタルおよびAI技術を取り扱う。
(林憲忠)
(サウジアラビア、カナダ)
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サウジアラビア・カナダ投資フォーラムを開催、AIやエネルギーなど15件の覚書締結
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/d1d8a7f86d13f364.html
時系列
- 2026-01 鉱業分野でのMOU締結(既存)
- 2026-07-07 ホルムズ海峡でイランによる民間船舶への攻撃発生
- 2026-07-08 カナダのマーク・カーニー首相がサウジアラビア西部ジッダを公式訪問開始
- 2026-07-09 「サウジアラビア・カナダ投資フォーラム」開催、15件の覚書(MOU)締結
- 2026-07-10 カナダのマーク・カーニー首相がサウジアラビア西部ジッダを公式訪問終了
- 2026-07-13 本発表日
- 2027-01 外国投資促進保護協定(FIPA)の交渉妥結目標
- 2030 サウジアラビアがG20サミット招致・開催を目指す年、リヤド万博開催年
- 2034 サウジアラビアが6.6ギガワットのAIデータセンター容量確保を目指す目標年
主な数値
| 覚書締結数 | 15件 |
|---|---|
| AIデータセンター容量目標 | 6.6ギガワット |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、サウジアラビアとカナダが経済関係を戦略的に強化している現状を示すものです。特にAI、エネルギー、鉱物資源といった分野での協力は、両国の強みを活かした相乗効果を狙っており、グローバルなサプライチェーンや技術開発に影響を与える可能性があります。外国投資促進保護協定(FIPA)や二重課税防止条約の交渉進展は、両国間の投資環境をさらに整備し、企業活動を促進するでしょう。日本企業にとっては、これらの動向を注視し、両国市場における新たなビジネス機会や競合環境の変化を把握することが重要です。特にAIや再生可能エネルギー関連技術を持つ企業は、両国間の提携や投資動向から、自社の事業戦略を見直すきっかけとなる可能性があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-13
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