米カリフォルニア州、AI・先端素材・核融合など6社に税制優遇を発表
この発表の要点
- カリフォルニア州がAI、核融合、先端素材など6社に「CalCompetes」税額控除を適用することを発表した。
- 本支援により、13億ドル以上の民間投資と2,000人超の新規雇用創出を見込んでいる。
- 半導体素材メーカーQSMは、6億7,900万ドルを投じて製造拠点を拡張し、800人以上の雇用創出と4,500万ドルの税額控除を予定している。
企業・自治体への影響
カリフォルニア州での事業展開を検討する企業、特にAI、核融合、先端素材、宇宙開発、半導体素材、小売り・物流、海洋技術分野の企業は、税制優遇措置の機会があることを認識すべきです。サプライチェーンの国内回帰や強化を目指す製造業は、同様の州政府支援策を他州でも調査する価値があります。
対応すべきこと
- 自社の事業がカリフォルニア州の経済成長戦略「California Jobs First Economic Blueprint」の重点セクターに該当するか確認する。
- 「CalCompetes」税額控除制度の詳細(申請期間、審査基準など)を公式出典(州知事経済開発局GO-Biz)で確認する。
- カリフォルニア州での事業拡大や新規投資を検討している場合、本制度の活用可能性を評価し、関係部門(経理、法務、事業開発)と連携して申請準備を進める。
- 他州や他国における同様の投資優遇制度についても情報収集を行う。
対象部門: 経営者 経理 法務
対応期限:公募締切まで
基本データ
| 企業・団体 | 米国カリフォルニア州 |
|---|---|
| 業界 | IT・ソフトウェア, エネルギー, 製造, 宇宙, 小売, 物流, 海洋技術 |
| 発表日 | 2026-06-25 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
| 地域 | カリフォルニア州 |
発表された内容
2026年06月25日
米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)は6月22日、州内投資優遇のための減税措置「カリフォルニア州競争力強化税額控除(CalCompetes、注1)」を通じて、6社を支援すると発表した(注2)。今回の支援では、人工知能(AI)、核融合、先端素材、宇宙開発などの産業が対象となり、13億ドル以上の民間投資と2,000人超の新規雇用の創出を見込む。
同州は2025年2月、カリフォルニア州の経済成長戦略(California Jobs First Economic Blueprint)(注3)を発表し、州の将来の成長とイノベーションを牽引するために不可欠な戦略セクターを特定するため、産業を「強化」「加速」「重点投資」「基盤」の4類型に分類した。今回のCalCompetesによる支援は、「強化」と「加速」に分類されるセクターの成長を中心に支援する施策となっている。
CalCompetesの支援対象企業の1つとなった半導体素材メーカーであるクォーツ・アンド・シリコン・マテリアルズ(Quartz and Silicon Materials、以下QSM、本社:アリゾナ州フェニックス)は、カリフォルニア州チュラビスタにおいて6億7,900万ドルを投じて、シリコンウエハー製造拠点の設備導入・拡張を進めるほか、同州インペリアルバレーでは単結晶シリコンインゴットの製造工場を建設する予定だ。この2つのプロジェクトにおいて、同社は800人以上の雇用創出を見込むほか、4,500万ドルの税額控除を受ける予定となっている。親会社のグラフェン・アンド・ソーラー・テクノロジーズ(GSTX)は6月4日、太陽光材料分野における米国やオーストラリアなどでの製造体制整備により、アジア以外で不足しているサプライチェーンの補完を目指す戦略を発表していた。これらの取り組みにおいても、子会社のQSMが担うとしている。
(注1)カリフォルニア州への進出、あるいは同州での事業継続・拡大を目指す企業を対象とした所得税の税額控除制度で、州知事経済開発局(GO-Biz)が審査・交渉を行う。業種、規模、所在地を問わず、あらゆる企業が、毎年3回設定される申請期間のいずれかに申請することで、総額1億8,000万ドルを超える税額控除の獲得を競うことができる。2019年以降、271社に適用され、約370億ドル以上の投資を誘発してきたとされる。
(注2)6社は、イレブン・ラボ(AI)、ゼネラル・アトミックス(核融合・防衛)、ロス・ドレス・フォー・レス(小売り・物流)、サブシークラフトUS(海洋技術)、バスト(宇宙)、クォーツ・アンド・シリコン・マテリアルズ(半導体素材)。
(注3)カリフォルニア州の経済成長戦略は、1.アグテック・農業機械、2.ライフサイエンス、3.半導体・マイクロエレクトロニクス、4.航空宇宙・防衛の4つの分野をパイロットセクターと位置付け、今後2年にわたり産業誘致および質の高い雇用創出に向けて重点的に支援していく。
(芦崎暢)
(米国)
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米カリフォルニア州、AI・先端素材・核融合など6社に税制優遇を発表
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/422370ecc2c3983d.html
時系列
- 2025-02 カリフォルニア州が経済成長戦略(California Jobs First Economic Blueprint)を発表
- 2026-06-04 QSMの親会社グラフェン・アンド・ソーラー・テクノロジーズ(GSTX)が太陽光材料分野での製造体制整備戦略を発表
- 2026-06-22 ギャビン・ニューサム知事がCalCompetesを通じた6社支援を発表
- 2026-06-25 本発表記事が公開
主な数値
| 支援対象企業数 | 6社 |
|---|---|
| 民間投資見込み額 | 13億ドル以上 |
| 新規雇用創出見込み数 | 2000人超 |
| QSMの投資額 | 6.79億ドル |
| QSMの雇用創出見込み数 | 800人以上 |
| QSMの税額控除額 | 4500万ドル |
| CalCompetes年間税額控除総額 | 1.8億ドル超 |
| CalCompetesの2019年以降の適用社数 | 271社 |
| CalCompetesの2019年以降の誘発投資額 | 370億ドル以上 |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、カリフォルニア州が「California Jobs First Economic Blueprint」に基づき、AI、核融合、先端素材といった戦略セクターへの投資を積極的に誘致・支援する姿勢を明確に示しています。特に「強化」と「加速」に分類される産業の成長を重視しており、CalCompetes制度を通じて、州内での事業拡大や新規進出を検討する企業に具体的なインセンティブを提供しています。半導体素材メーカーQSMの事例は、親会社のサプライチェーン強化戦略と連動しており、特定の産業分野における国内製造基盤強化への州のコミットメントを裏付けるものです。企業は、自社の事業が州の経済戦略と合致するかを評価し、CalCompetesのような優遇制度の活用を検討することで、競争優位性を確立できる可能性があります。また、このような州政府による産業支援策は、他州や他国でも類似の動きが見られるため、広範な情報収集が重要となります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-25
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