経済・産業トレンド

河川の水位低下で関係者会合開催、内陸水運に制限、物流網や生産に影響

ドイツ国内では長引く猛暑と雨不足により河川の水位が低下し、ライン川で51.7%、ドナウ川で85.7%の観測地点が「極端な低水位」に達しています。内陸水運の制限に伴い、連邦交通省が関係者会合を開催し、トラックの週末走行規制緩和の調整や鉄道・陸送への積み替え、特別コーディネーターの設置などが言及されました。重厚長大貨物やエネルギー資源の輸送コスト上昇や生産への影響が懸念されています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

ドイツ国内での内陸水運の制限により、製造業やエネルギー関連企業を中心に物流コストの上昇や輸送遅延が発生しています。物流部門や調達部門、経営企画部門においては、サプライチェーン全体の脆弱性評価と代替ルートの検討が必要です。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 物流・運輸
発表日 2026-08-17
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月17日

長引く猛暑と雨不足により、ドイツ国内の河川の水位が低下している。連邦水域研究所(Bundesanstalt für Gewässerkunde (BfG))の「低水位情報システム」によると4段階の水位レベル中で最も水位が低い「極端な低水位」とされる観測地点の割合が、ライン川では51.7%、ドナウ川は85.7%に達している(8月14日時点)。河川を利用する内陸水運の制限を受け、荷主である製造業の物流網や生産に直接的な影響が生じていることから、連邦交通省は内陸水運会社、港湾関係者、企業の代表者と8月6日に会合を開催した。
シュテフェン・ビルガー連邦交通相は「内陸水路網の安全性、信頼性、輸送機能は確保されているものの、船舶の航行は現在とても厳しい状況下で行われていると」とコメント。また、陸上輸送への切り替えが必要であれば大型トラックの日曜日・祝日の道路走行規制の緩和を各州と調整すること、船から陸送や鉄道輸送への貨物の積み替えを柔軟に実施できるようドイツ国鉄のインフラ管理会社は河川の低水位を受けてドイツ南北物流の特別コーディネーターを設置したこと、などが会合で言及された。
金融機関シュパールカッセによると、ドイツ国内の輸送は陸送が約71%、鉄道輸送が約20%、内陸水運は約7%だが、内陸水運は主に石炭、石油製品、鉱石、化学製品、建築資材、穀物など重量物を大量に運送している。特にライン川沿いの石油の貯蔵・精製施設は内陸水運に頼っていることから、低水位により積載量が制限されると輸送コストが上昇し、結果としてドイツ南部では北部に比べてガソリン代が高くなる傾向が出ているという。今後も低水位状態が続いた場合、内陸水運の制限により影響を受ける物資としては、暖房用燃料油、プラスチック製品、包装材、建築資材などで、価格上昇の可能性があると指摘している。
ドイツの内陸水運業界団体BDBによると、貨物の種類や運航区域によっては、船舶は通常の4分の1以下の積載量で運航されている。総合物流企業RheinCargoは、グループ会社であるHGK Dry Shippingが顧客である製鉄メーカーに1日当たり約2万4,000トンの石炭と鉱石をロッテルダムからデュイスブルクまで輸送しているが、水位低下により、水路輸送能力が1万4,500トンにとどまっていることから、同区間において2,000トンの輸送能力がある貨物列車を週3往復運行すると発表した。
また、河川の水位に応じて追加料金を設定している物流企業も出てきている。ある企業はライン川のケルンでの水位が106センチメートルを下回る場合、コブレンツからケルンまでの輸送に追加料金を設定している。例えば、105~96センチメートルの場合は20フィートコンテナ200ユーロ、65~55センチメートルの場合は685ユーロとなっている。
(鷲澤純)

(ドイツ)

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河川の水位低下で関係者会合開催、内陸水運に制限、物流網や生産に影響

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/0fab8665d4559ea0.html

時系列

主な数値

ライン川の極端な低水位観測地点の割合 51.7%
ドナウ川の極端な低水位観測地点の割合 85.7%
ドイツ国内の輸送方法別割合(陸送) 71%
ドイツ国内の輸送方法別割合(鉄道輸送) 20%
ドイツ国内の輸送方法別割合(内陸水運) 7%
HGK Dry Shippingの通常時の石炭・鉱石輸送量 24000トン/日
HGK Dry Shippingの水位低下時の水路輸送能力 14500トン
代替運行する貨物列車の輸送能力 2000トン
代替運行する貨物列車の運行頻度 3往復/週
追加料金適用基準の水位(ケルン)上限 106センチメートル
追加料金(水位105〜96cm、20フィートコンテナ) 200ユーロ
追加料金(水位65〜55cm、20フィートコンテナ) 685ユーロ

この事例から確認すべきポイント

本事例は、気候変動や異常気象(猛暑・雨不足)によるインフラの物理的制約が、サプライチェーンや物流コストに直接的な打撃を与える典型例です。ドイツ国内の内陸水運制限は、石炭や石油製品などの重量物・エネルギー資源の輸送能力を低下させ、代替輸送への切り替えや追加料金の発生を通じて製造業やエネルギー供給に波及しています。企業広報やサプライチェーン管理の実務においては、自社拠点や主要取引先が気候リスクや水運依存度の高い地域に位置する場合、代替輸送手段(鉄道・トラック)の確保やコスト変動リスクを想定した事業継続計画(BCP)の点検が極めて重要です。現時点で取得できた本文からは、詳細を確認できませんでした。詳細は公式出典をご確認ください。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-17

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