経済・産業トレンド

在欧日系企業、PPWR適用開始へ対応進めるも適合宣言書(DoC)作成などに課題、在ドイツ日系企業に聞く

EUの包装・包装廃棄物規則(PPWR)の一般適用が2026年8月12日に迫る中、ジェトロが在ドイツ日系企業3社にヒアリングを実施。化学メーカーA社は適合宣言書(DoC)作成の情報入手に課題、食品メーカーB社はPFAS含有量計算の基準解釈に混乱、商社C社は輸入元からの情報入手やサンプル品への適用要件に困難を抱えていることが明らかになった。2030年1月適用の「リサイクル可能な包装」への対応も課題となっている。

この発表の要点

企業・自治体への影響

EU市場で製品を販売する製造業、食品業、商社などの企業は、PPWRの適用により、包装材の設計、調達、情報開示、サプライチェーン管理において大きな影響を受けます。特に、輸入事業者は適合性確認の義務を負うため、取引先との連携強化や情報管理体制の整備が急務となります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 総務 広報 経理

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 製造業、食品、商社
発表日 2026-07-31
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月31日

EUの包装・包装廃棄物規則(PPWR)の一般適用開始が8月12日に迫るなか、在欧日系企業も準備を進めている。ジェトロは7月9~10日、在ドイツ日系企業3社にヒアリングした。概要は次のとおり。

化学メーカーA社は、日本やアジアの生産拠点から輸入した製品を欧州域内で販売する。PPWRについては、2026年3月に社内で初めて話が出て、対応を検討し始めた。現在、EU各加盟国の輸入事業者や日本本社、包装材サプライヤーと協力して、技術文書や適合宣言書(DoC、注1)作成のための情報入手に努めている。

食品メーカーB社は、食品接触包装における有機フッ素化合物(PFAS)含有量の計算をする際の基準の解釈が難しく、委託製造(OEM)も含めた同社の各生産拠点において混乱が起きているとした(注2)。なお、包装材に使用するインクを計算に含めると閾値(しきいち)は必ず超えてしまうという。

日本だけでなくアジア各国や米国からドイツに製品を輸入し、欧州域内で販売する商社C社は、懸念物質(主に重金属)の含有量やDoCの作成について、輸入元のメーカーに確認しているが「鋭意対応中」との回答が多く、多数の取引先のうち適用開始に向けて準備できている企業は取材時点では数社のみと考える。PPWRでは、「輸入事業者」もEUに上市(市場投入)する包装・包装製品の要件への適合性を確認する義務がある。とは言え、「製造事業者」から受領した技術文書とDoCの内容を基に適合性を判断するのは容易ではない。また、正規品とは包装や輸送梱包(こんぽう)が異なる取引先からのサンプル品の輸入においても、DoCなどのPPWR要件が適用されることが迅速なビジネスを妨げるとした。

今後の適用要件にも課題
C社は、2030年1月に適用開始する「リサイクル可能な包装」への対応についても取引先と相談しているが、課題は多い。例えば、半導体の部材に使われるアルミ蒸着パッケージは、リサイクルができないものの、品質保持のためのメーカーの要求もあり、モノマテリアル化など別素材への変更は難しいとした。

(注1)適合宣言書の記載事項や細則の発表予定などの詳細は、ジェトロ「EU PPWR概要資料(2026年7月時点)(1.0MB)」および特集「EU PPWR関連情報」参照。
(注2)欧州委員会が6月10日に発表したPPWRのガイダンス文書によると、EUレベルにおいて食品接触包装中のPFASに関する統一された方法論は存在しない。欧州委は、最先端の分析能力および関連マトリックスにおけるPFAS検査のメタ分析に基づいた、段階的アプローチを示し、推奨している。

(森友梨)

(EU、ドイツ、日本)

ビジネス短信 88aea6668c15396a

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在欧日系企業、PPWR適用開始へ対応進めるも適合宣言書(DoC)作成などに課題、在ドイツ日系企業に聞く

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/88aea6668c15396a.html

時系列

主な数値

ヒアリング対象企業数 3社
PPWR一般適用開始日 2026-08-12日付
リサイクル可能な包装適用開始日 2030-01-XX日付

この事例から確認すべきポイント

本発表は、EUの包装・包装廃棄物規則(PPWR)の適用開始が迫る中で、在欧日系企業が直面している具体的な課題を浮き彫りにしています。特に、適合宣言書(DoC)の作成に必要な情報収集の困難さ、食品接触包装におけるPFAS含有量計算の基準解釈の複雑さ、そして輸入事業者としての適合性確認義務の重さが共通の課題として挙げられています。また、サプライチェーン全体での情報連携の不足や、リサイクル可能な包装への対応における技術的・品質保持上の制約も示されており、単一企業での対応には限界があることが示唆されます。これらの課題は、EU市場で事業を展開する企業にとって、製品設計、サプライヤー管理、法務コンプライアンス、そして事業戦略全体にわたる広範な影響を及ぼす可能性があり、早期かつ包括的な対応が求められます。現時点で取得できた本文からは、各課題に対する具体的な解決策や、規則の詳細な解釈に関する情報は確認できませんでした。詳細は公式出典をご確認ください。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-31

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