アルジェリア商用車市場でドイツ系MANが組み立て再開、中国勢の動きも活発化
この発表の要点
- MANトラック&バスがアルジェリアのブリダ工場で大型トラックおよびバスのCKD組み立てを再開した。
- MANの同工場は2本のライン、約50人の従業員で、1日最大8台、年間1,500台の生産能力を目標とする。
- アルジェリア市場では、JAC、トィルサム(シノトラック)、セレスなど中国系メーカーの現地生産・組立プロジェクトも活発化している。
企業・自治体への影響
自動車製造業および関連サプライチェーンを持つ企業に対し、アルジェリアにおける完成車輸入制限と現地生産(CKD)の必須化、および中国系メーカーを含む競合の投資拡大の影響を提示するものである。経営企画部門や海外事業展開部門において、同国市場への参入戦略や現地パートナー選定の再評価が必要となる。
対応すべきこと
- 公式出典や関連レポートを確認し、アルジェリアにおける自動車関連規制や輸入割当制度の現状を把握する。
- 自社の海外事業部門および経営企画部門へアルジェリア商用車市場の動向と競合(MAN・中国勢)の進出状況を共有する。
- 現地生産やCKD方式を前提とした海外展開戦略の見直し・検討を行う。
対象部門: 経営者 総務 法務 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | 製造 |
| 発表日 | 2026-08-24 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月24日
ドイツのフォルクスワーゲン傘下にある商用車大手MANトラック&バス(MAN)は7月22日、アルジェリアのパートナー企業であるマグレブ・トラック・カンパニー(MTC)と協力し、アルジェ近郊ブリダ工場での大型トラックおよびバスの完全ノックダウン(CKD)組み立てを再開したと発表した(7月22日付同社プレスリリース)。
MANは、2003年以来の独占輸入代理店であるMTCと協業し、欧州メーカーとして初めてCKDキットを同国へ輸入して現地組み立てを行ってきたが、政府の制度変更やCKD輸入割当の不実施などにより(2023年1月30日付地域・分析レポート参照)、同工場は複数回の生産停止を余儀なくされていた。今回の再開により、同工場は2本の組み立てラインと約50人の従業員で、1日最大8台、年間1,500台の生産能力を目標としている。生産車両は建設、インフラ、物流分野を中心に商用車需要の拡大が見込まれる国内市場向けで、完成車輸入に対する厳しい制限の下、現地生産が市場アクセスの前提となっている。
MANは現地パートナーとの協力を軸に、アフリカ大陸ではアルジェリアのほか、モロッコ、南アフリカ共和国、ケニアにCKD拠点を展開し、さらにサウジアラビア、台湾、マレーシア、タイ、フィリピン、ウズベキスタンでも同様の拠点を運営している。
アルジェリアでは中国系メーカーによる商用車組み立てプロジェクトも活発化している。江淮汽車(JAC)は小型トラックの現地生産を2026年1月に開始し、年間生産能力は10万台と報じられている(2026年4月14日記事参照)。また、アルジェリアのトィルサム(TIRSAM)は、累計3,000台の生産達成と新規溶接ライン導入を発表した(8月17日付SNSコミュニケ)。同社は、2025年6月から大型トラックメーカー中国重汽(シノトラック)製CKDキットをOEM方式で活用し、自社ブランドのトラックをバトナ県で組み立てている。さらに、賽力斯集団(セレス、旧ソコン)は、同県で総面積約13ヘクタールのトラック・バス組立工場を建設中で、年6万台規模の3ラインを整備し、2026年第3四半期の稼働開始を予定している(4月9日付「エル・ワタン」)。
(ピエリック・グルニエ)
(アルジェリア、ドイツ、中国)
ビジネス短信 7f35a836a17f6548
関連情報
dummy
もっと見る
ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
アルジェリア商用車市場でドイツ系MANが組み立て再開、中国勢の動きも活発化
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/7f35a836a17f6548.html
時系列
- 2023-01-30 政府の制度変更やCKD輸入割当の不実施などにより、MANのブリダ工場が複数回の生産停止を余儀なくされた
- 2026-01-01 江淮汽車(JAC)がアルジェリアで小型トラックの現地生産を開始した
- 2026-04-09 賽力斯集団(セレス)によるバトナ県でのトラック・バス組立工場建設に関する報道がなされた
- 2026-04-14 江淮汽車(JAC)の年間生産能力に関する報道がなされた
- 2025-06-01 トィルサム(TIRSAM)が中国重汽(シノトラック)製CKDキットを活用した自社ブランドトラックの組み立てをバトナ県で開始した
- 2026-07-22 MANトラック&バスがマグレブ・トラック・カンパニー(MTC)と協力し、ブリダ工場での大型トラックおよびバスのCKD組み立て再開を発表した
- 2026-08-17 トィルサム(TIRSAM)が累計3,000台の生産達成と新規溶接ライン導入を発表した
- 2026-08-24 本発表記事が公開された
- 2026-09-01 賽力斯集団(セレス)のトラック・バス組立工場の稼働開始が予定されている(第3四半期)
主な数値
| MAN工場の組み立てライン数 | 2本 |
|---|---|
| MAN工場の従業員数 | 50人 |
| MAN工場の1日最大生産能力 | 8台 |
| MAN工場の年間生産能力目標 | 1500台 |
| JACの年間生産能力 | 100000台 |
| トィルサムの累計生産台数 | 3000台 |
| セレスの工場敷地面積 | 13ヘクタール |
| セレス工場の年間生産規模 | 60000台 |
| セレス工場のライン数 | 3ライン |
この事例から確認すべきポイント
本件は、アルジェリア市場における商用車セクターの動向と、欧州系および中国系メーカーの現地生産体制の再編・拡大を示す重要事例である。完成車輸入の制限や制度変更が背景にあり、現地パートナーとの提携やCKD方式による市場参入・継続が不可欠となっている。広報・実務担当者においては、海外進出先国における自動車規制や産業政策の変更リスクを注視するとともに、競合他社(特に中国勢の積極的な現地投資)の動向を定期的に把握することが求められる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-24
関連事例
- 香港行政長官がASEAN事務総長と会談、経済協力の深化と相互利益の実現を強調
- トランプ米大統領が対イラン経済圧力強化を表明、UAEは対イラン取引停止措置
- 自動車産業の従業員数が2005年以来の最低水準に、ドイツ連邦統計局発表
- チリGDP成長率、第2四半期は市場予想下回るマイナス0.2%、2期連続マイナス成長で景気後退入りとの指摘も
- 米小売り大手が第2四半期の決算発表、関税還付が利益を押し上げ
自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?
無料でプレスリリースを掲載する