経済・産業トレンド

日本の5月の石油化学製品生産は前月比で増加、中東以外からの原料調達も進む

日本の石油化学工業協会は、5月の石油化学製品生産が前月比約15%増加したと発表しました。2月末のホルムズ海峡封鎖以降、ナフサは国内精製に加え、中東以外からの調達を拡大し、供給継続に尽力。原油についても、6月は前年比約8割、7月は約10割相当の代替調達が見込まれ、特に米国からの輸入が10倍以上となる見通しです。石油備蓄は約200日分を維持し、主要製品の国内供給は維持されています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

石油化学製品を原料とする製造業(プラスチック製品、自動車、電子部品など)は、原料供給の安定性が維持されていることを確認できます。エネルギー関連企業は、原油調達先の多様化と政府の備蓄政策の動向を注視し、サプライチェーン戦略に反映させる必要があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 経理 広報

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本の石油化学工業協会
業界 石油化学工業
発表日 2026-06-22
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年06月22日

日本の石油化学工業協会は6月18日、「2026年5月生産等実績概要」をプレスリリースした。同発表によると、2月末のホルムズ海峡の実質封鎖以降、同協会の会員企業は、プラスチック関連製造に利用されるナフサについて、国内石油精製からの調達の継続、中東以外からのナフサ調達の拡大、製品在庫の活用により、石油化学製品の供給継続に尽力しているという。

5月の同協会企業の生産実績をみると、ナフサクラッカー(石油化学製品の生産施設)などの定期修理もあり、エチレン生産量は前年同月比で減少したが、国産ナフサおよび、海外産ナフサの代替調達の確保が進んだことで、前月比の生産量は約15%増加した。ポリエチレンやポリプロピレンは、一部で製造プラントにおける定期修理の影響などがあり、製品ごとの差はあるが、前月から生産量は増加したという。

国内出荷においては、5月の大型連休による季節的要因がある中でも、主要石油化学製品では、全体として供給は維持できているとした。加えて、同協会の発表によると、在庫の状況は、ポリエチレンやポリプロピレンが国内需要の3カ月以上の水準を引き続き維持しており、直ちに供給困難となる状況ではないとの認識を示した。

原油の代替調達増加、石油備蓄は約200日
ナフサの原料となる原油について、中東諸国からの輸入が前年同月比で減少している。一方、6月11日開催された「中東情勢に関する関係閣僚会議(第10回)」の資料によると、日本政府は6月分の原油は代替調達などにより、前年と比べ約8割相当の調達が実現できるとの見通しを示した。7月には想定される需要の日量224万バレルを上回り、前年と比べ約10割相当の調達にめどが立ったという。特に米国からの原油輸入は前年同月比10倍以上となる見通しだ。

また、石油備蓄は現時点で約200日分の水準を維持しているという。

日本政府はナフサ由来の化学製品に関する「目詰まり」に対して、「燃料油や石油由来の化学品・製品等の供給に関する情報提供窓口」を設置し、対応している。

中東情勢と世界各国の動きは「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」も参照。

(井澤壌士)

(日本、中東)

ビジネス短信 3fbf69729ee0aa9c

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日本の5月の石油化学製品生産は前月比で増加、中東以外からの原料調達も進む

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/3fbf69729ee0aa9c.html

時系列

主な数値

5月のエチレン生産量の前月比増加率 15%
ポリエチレン・ポリプロピレンの国内需要に対する在庫水準 3カ月以上
6月分の原油代替調達見通し(前年比) 8割相当
7月分の原油代替調達見通し(前年比) 10割相当
米国からの原油輸入の前年同月比増加率 10倍以上
石油備蓄日数 200日分

この事例から確認すべきポイント

本発表は、地政学的リスクが高まる中で、日本の基幹産業である石油化学分野がサプライチェーンの強靭化を進めている現状を示しています。ホルムズ海峡の情勢変化に対し、国内精製からの調達継続、中東以外の国々からのナフサ・原油代替調達の拡大、そして製品在庫の活用といった多角的な対応が功を奏し、国内供給の安定が維持されていることが確認できます。特に、米国からの原油輸入が大幅に増加する見通しは、調達先の多様化が具体的に進んでいる証左です。企業は、自社のサプライチェーンにおける特定の地域への依存度を再評価し、代替調達先の確保や在庫戦略の見直しを継続的に行うことの重要性を再認識すべきです。政府と業界団体が連携して情報共有や対策を講じている点も注目に値し、同様の連携が他産業でも求められるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-22

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